大判例

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札幌高等裁判所 昭和28年(う)486号・昭28年(う)485号 判決

弁護人の控訴趣意第三点(理由のくいちがい、法令適用の誤り)について。

およそ法定刑は法律が各個の犯罪につき犯情の万般に対するものとして規定するところのものであるから、判決主文の本刑が法定刑の範囲内において量定し得る場合にあつては、いわゆる裁判上の減軽である酌量減軽は用うべからざるものである。しかしてまた酌量減軽をなす場合においては減軽した刑の長期又は多額と短期又は寡額との範囲を超えず、且つ上述の理由により減軽の基準となつた法定刑の最低限に達しない程度において相当の刑を量定すべきものである。いま原判決を見るに、原判決は被告人佐藤武の強盗傷人幇助の所為につき同被告人の所為は刑法第六十二条第二百四十条に該当するところ、有期懲役刑を選択し、前科があるので強盗傷人罪の刑に同法第五十六条第五十七条第五十九条により同法第十四条の制限内において累犯加重をなし、従犯であるから、同法第六十三条第六十八条第三号に則り法律上の減軽をした刑期範囲内で処断すべきところ、犯罪の情状に憫諒すべきものがあるので、同法第六十六条第六十七条第六十八条第三号に則り酌量減軽をした刑期範囲内で同被告人を懲役三年六月に処すべきものとしたことが明らかである。しかし同被告人の所為につき有期懲役刑を選択し、如上のごとく累犯加重をなした結果その刑は七年以上二十年以下となり従犯減軽により三年六月以上十年以下の範囲内で処断すべきところ、更に酌量減軽をしたのであるから、その短期は一年九月となり、しかして長期は軽減した刑の長期を超えず、且つ減軽の基準となつた刑の最低限すなわち三年六月に達しない程度において相当の刑を量定すべきものであるから前記のごとく原判決が右の範囲を超えて同被告人を懲役三年六月に処したのはまさしく法令の適用を誤つたものというべく、しかしてその誤りは判決に影響を及ぼすことが明かである。論旨は理由がある。

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