大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

札幌高等裁判所 昭和28年(う)660号 判決

しかし、他の裁判所に係属している事件については、関連事件であれば一定の条件の下に審理を併合できるのであるが、同一裁判所に事件が係属している場合においては、被告人の防禦が互いに相反する等の事由があつて被告人の権利を保護する必要がある場合は格別、裁判所は適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で弁論を併合することができるのであつて必ずしも刑事訴訟法第九条の要件を具備する場合に限らないものと解すべきである。本件は検察官の申立により、同一裁判所に係属した森下利之に対する覚せい剤取締法違反被告事件を本件に併合したものであつて右森下に対する事件は被告人の居室において覚せい剤を所持したものであるというのであるから、原審は弁論の併合を適当と認め弁論を併合したものと認められる。そしてその弁論の併合が被告人の防禦が、互いに相反する等の理由があつて被告人の権利を保護するため不適当であるとの事情は少しも認められないのであつて、しかも記録上訴訟関係人から異議の申立があつた事跡も認められないのであるから弁論の併合については、異議なく訴訟が進められたものと認められるので原判決に訴訟手続に法令の違反はない。論旨は理由がない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!