大判例

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札幌高等裁判所 昭和27(う)98 高裁判例

主 文

本件控訴はこれを棄却する。

当審における未決勾留日数中六十日を右本刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岡田直寛の控訴趣意は末尾添付の控訴趣意書記載のとおりである。

控訴趣意第一点(事実誤認)について。

<要旨>およそ奪取罪(強窃盗)は被害者の所持を奪つて被告人の所持に移したと

きに既遂となるのでおつて,被告</要旨>人の所持が継続するととは既遂め要件では

ない。原判決の挙げた証拠を取り調べると、被告人は被害者Aの所持する鞄を奪つ

て自己の所持に移した後、階段を二、三段下りたところで被害者から取還されたこ

とが明かであるから、たとい奪取と取還とが場所的時間的に極めて接着した情況に

あつても、強盗の既遂と与るベきであり、原判決には所論のような事実誤認はな

く、論旨は理由がない。

控訴趣意第二点(量刑不当)について。

本件訴訟記録並びに原裁判所の取り調べた証拠に現われた本件犯行の動機、態

様、犯情の他諸般の事情を綜合すれば、所論の点を考慮に入れても、原裁判所が被

告人に対し懲役四年の刑を科したのは相当であり、論旨は理由がない。

よつて刑事訴訟法第三百九十六条にしたがい本件控訴を棄却し、刑法第二十一条

を適用して当審における未決勾留日数中六十日を右本刑に算入し、刑事訴訟法第百

八十一条第一項に則り当審における訴訟費用を被告人の負担とし、主文のとおり判

決する。

(裁判長判事 原和雄 判事 小坂長四郎 判事 臼居直道)

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