東京地方裁判所 平成11年(ワ)27375号 判決
原告 株式会社整理回収機構
右代表者代表取締役 鬼追明夫
右訴訟代理人弁護士 篠塚力
同 野田友直
同 橋本潤
被告 有限会社鈴兵
右代表者代表取締役 鈴木秀一
被告 ヘアーグレース中田幸希こと中田和子
右両名訴訟代理人弁護士 高橋義道
被告ら補助参加人(以下「補助参加人」という。)新井喜代司
右訴訟代理人弁護士 田辺一男
同 石川浩司
同 神谷宗之介
主文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は、原告の負担とする。
事実及び理由
第一原告の請求
一 原告と被告有限会社鈴兵(以下「被告鈴兵」という。)間の別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)のうち一階部分(以下「本件建物一階部分」という。)の賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約一」という。)に基づく原告の被告鈴兵に対する敷金返還債務は金一五八万四六六〇円を超えては存在しないことを確認する。
二 原告と被告中田和子(以下「被告中田」という。)間の本件建物のうち二階部分(以下「本件建物二階部分」といい、本件建物一階部分と併せて「本件各建物部分」という。)の賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約二」といい、本件賃貸借契約一と併せて「本件各賃貸借契約」という。)に基づく原告の被告中田に対する敷金返還債務は金一三〇万一六八五円を超えては存在しないことを確認する。
第二事案の概要
一 事案の要旨
本件は、本件各賃貸借契約における当初の賃貸人であった補助参加人から本件建物を買い受けた平和建物株式会社(以下「平和建物」という。)を経て、競売により本件建物を買い受けて賃貸人の地位を承継した原告が、本件各建物部分の賃借人である被告らに対し、被告らが補助参加人に対し差し入れていた敷金(被告鈴兵につき一〇七八万円(以下「本件敷金一」という。)、被告中田につき四八〇万円(以下「本件敷金二」といい、本件敷金一と併せて「本件各敷金」という。)に関し、原告が承継する敷金返還債務は、本件敷金一につき一五八万四六六〇円、本件敷金二につき一三〇万一六八五円(いずれも各賃料月額の七か月分)が相当であるとして、敷金返還債務が右各金額を超えては存在しないことの確認(訴訟物は、本件敷金一につき一五八万四六六〇円から被告鈴兵主張の九一六万三〇〇〇円まで、本件敷金二につき一三〇万一六八五円から被告中田主張の四〇八万円まで)を求めている事案である。
二 前提事実-争いがない事実及び証拠上容易に認定できる事実(証拠で認定した部分は( )内に証拠を掲記する。)
1 本件賃貸借契約一の締結・本件敷金一の預託と合意更新
補助参加人は、昭和五二年一〇月二〇日、被告鈴兵に対し、本件建物一階部分を、店舗(ラーメン店)を目的とし、賃料一か月一四万八〇〇〇円、期間同年一一月一日から昭和五五年一〇月末日までの三年間の約定で貸し渡した(=本件賃貸借契約一)。(乙一の一)
被告鈴兵は、昭和五二年一〇月二〇日、補助参加人に対し、本件賃貸借契約一にかかる敷金として一〇七八万円(=本件敷金一)を預託した。なお、本件賃貸借契約一にかかる契約書(以下「本件原契約書一」という。)上、本件敷金一についての契約条項は、第六条に「敷金の預託」との表題の下、被告鈴兵は、敷金として一〇七八万円を本契約締結と同時に補助参加人に預託し、本契約期間中無利息を条件として預ける、補助参加人は、後日被告鈴兵が本件建物一階部分の明渡しを支障なく完了したとき、家屋償却費として敷金の一割五分相当額を差し引き、明渡し完了三か月後に被告鈴兵に返還するものとする、ただし、賃料の未払又はその他の損害があればこれを差し引き、残額を返還するものとする旨の定め(以下「本件敷金条項」という。)があるほか、第一九条には「特約条項」として、被告鈴兵は、本物件の明渡しに際して付設した諸造作等の費用を補助参加人に請求することはできない、ただし、補助参加人の文書による承諾を得て、造作、什器備品等を第三者に譲渡することができる、この場合、名義変更料は第六条の償却費をもってこれに充当する旨の定め(以下「本件特約条項一」という。)がある。(乙一の一、二)
補助参加人と被告鈴兵は、その後、昭和五五年一〇月二三日、昭和五八年一〇月二一日及び昭和六一年一〇月二三日に、それぞれ本件賃貸借契約一につき合意更新をなした。(甲二、丙八ないし一〇)。
2 本件賃貸借契約二の締結・本件敷金二の預託と合意更新
補助参加人は、昭和五二年八月三日、被告中田に対し、本件建物二階部分を、店舗(美容室)を目的とし、賃料一か月一二万一〇〇〇円、期間同年一一月一日から昭和五五年一〇月末日までの三年間の約定で貸し渡した(=本件賃貸借契約二)。(丙三)
被告中田は、昭和五二年中に、補助参加人に対し、本件賃貸借契約二にかかる敷金として四八〇万円(=本件敷金二)を預託した。なお、本件賃貸借契約二にかかる契約書(以下「本件原契約書二」といい、本件原契約書一と併せて「本件各原契約書」という。)上も、本件敷金二についての契約条項として、第六条に「敷金の預託」との表題の下、本件敷金条項と同様の定めがあるほか、第一九条には「特約条項」として、(1) 本件敷金二の支払方法として、同年八月三日手付金として五〇万円、同年八月末日までに中間金として一〇〇万円、同年一〇月末日までに残金三三〇万円を支払うものとするとされるとともに、(2) 被告中田は、本物件の明渡しに際して付設した諸造作等の費用を補助参加人に請求することはできない、ただし、補助参加人の文書による承諾を得て、造作、什器備品等を第三者に譲渡することができる旨の定め(以下「本件特約条項二」といい、本件特約条項一と併せて「本件各特約条項」という。)がある。(乙一の一、二)
補助参加人と被告中田は、その後、昭和五五年一〇月二八日、昭和五八年一〇月及び昭和六一年一〇月二二日に、それぞれ本件賃貸借契約二につき合意更新をなした。(甲三、丙四ないし六)。
3 賃貸人の地位の承継その1
補助参加人は、本件各賃貸借契約締結当時、本件建物を所有していたところ、平成元年一一月九日、平和建物に対し本件建物を売り渡し(以下「本件売買一」という。)、同日所有権移転登記がなされることにより、平和建物が本件各賃貸借契約の賃貸人の地位を承継した。
平和建物は、平成元年一一月、被告鈴兵との間で、本件建物一階部分を、店舗・ラーメン店を目的とし、賃料一か月二二万二〇六八円(ただし、消費税六四六八円を含む。)、期間同年一一月一日から平成四年一〇月末日までの三年間の約定で貸し渡すことを確認した。その際、被告鈴兵は、平和建物に対し本件敷金一を預託したものとされ、第六条に「敷金の預託」として本件敷金条項と同様の定めが、また、第一九条に「特約条項」として、「本件特約条項一」と同様の定めがなされた(以上の約定を含めて交わされた賃貸借契約書を以下「本件新契約書一」という。)。(甲一)
また、平和建物は、平成元年一一月、被告中田との間で、本件建物二階部分を、店舗・美容室を目的とし、賃料一か月一八万二四一三円(ただし、消費税五三一三円を含む。)、期間同年一一月一日から平成四年一〇月末日までの三年間の約定で貸し渡すことを確認した。その際、被告中田は、平和建物に対し本件敷金二を預託したものとされ、第六条に「敷金の預託」として本件敷金条項と同様の定めが、また、第一九条に「特約条項」として、本件特約条項二(2) と同様の定め(なお、造作・什器備品の名義変更料は、本件敷金条項の償却費を充当するものとされている。)がなされた(以上の約定を含めて交わされた賃貸借契約書を以下「本件新契約書二」といい、本件新契約書一と併せて「本件各新契約書」という。)。(甲一)
4 賃貸人の地位の承継その2
東京地方裁判所は、平成四年二月二五日、平和建物に対する抵当権者である株式会社住宅ローンサービスの申立て(以下「本件競売申立事件」という。)により、本件建物につき競売開始決定を行い、同年三月九日差押登記がなされた。そして、原告は、平成九年八月一二日、右競売手続において本件建物を買い受け(以下「本件売買二」という。)、同月一三日所有権移転登記がなされた。したがって、原告は、平和建物から本件各賃貸借契約の賃貸人の地位を承継した。
5 係争
原告が返還義務を負う敷金の額として、被告鈴兵は本件敷金一につき九一六万三〇〇〇円、被告中田は本件敷金二につき四〇八万円と主張して、原告が主張する額を争っている。
三 争点
本件の争点は、原告が被告らに対し返還義務を負う本件各敷金の額はいくらか(その前提として本件各敷金の趣旨も含む。)という点にある。
(被告らの主張)
1 被告鈴兵は、ラーメン店舗を探していたところ、本件建物建築の半年位前、不動産仲介業者の株式会社竹の屋商店(代表取締役竹内功。以下「竹の屋」という。)から建築予定の本件建物一階部分を紹介され、賃借することになった。その際、竹の屋の話では、近隣の敷金の相場は、一階店舗の場合は一坪当たり八〇万円、二階店舗の場合にはその半分位とのことであった。結局、本件賃貸借契約一において、本件敷金一は一坪当たり八〇万円で一〇七八万円とされ、明渡時にその一割五分を償却する条件で預託することになったものである。
したがって、原告が被告鈴兵に対し本件敷金一につき返還義務を負う額は、九一六万三〇〇〇円である。
2 被告中田は、美容店舗を探していたところ、本件建物の躯体が完成し、内装工事に入る直前ころ、美容材料商から本件建物二階部分を紹介され、竹の屋商店の仲介で、本件敷金二を一坪当たり約三五万円で四八〇万円とし、明渡時にその一割五分を償却する条件で預託することとして、本件賃貸借契約二を結んだ。
したがって、原告が被告中田に対し本件敷金二につき返還義務を負う額は、四〇八万円である。
3 竹の屋が仲介した賃貸借契約資料によれば、ビル店舗の場合の当時の敷金ないし保証金の額は、本件各敷金とほぼ同等である。したがって、本件各敷金の額に限り特に過大であったということではなく、当時の慣行としては当然のこととして授受されていたものである。
(補助参加人の主張)
1 補助参加人と被告らは、本件各賃貸借契約当時、預託した本件各敷金をすべて「敷金」として認識し、合意している。すなわち、補助参加人と被告らは、「敷金=賃借人の賃料支払債務その他の債務を担保する目的で交付された金銭」であるとして合意しており、決して「建設協力金」あるいは「融資金」という趣旨で交付されたわけではない。補助参加人は、本件各敷金のすべてを「敷金」として考えていたからこそ、本件売買一の際、本件各敷金の合計一五五八万円をすべて平和建物に渡したものである。また、一般的に「建設協力金」という場合には、返還方法もたとえば一〇年据え置き、一一年目から一〇年間で償還するといった形をとるのが通常であるのに対し、本件各敷金の場合は、すべて敷金として明渡時の返還としている。
なお、敷金の額については、法律上の制限はなく、当事者の合意で定められるものであって、高額であるからといって敷金ではなくなるという性質のものではない。なぜなら、高額なときに一部が「融資金」となってしまうとしたら、「担保目的」が喪失してしまうことにもなりかねないからである。そして、この問題は、契約ごとに個々具体的に判断すべきである。
2 敷金の承継については、敷金の額、新所有者の善意・悪意を問わず、また敷金の現実の授受を問わず、当然に承継されるというのが確固たる判例理論である。競売、任意売却を問わないし、支払能力、譲受人の過失の有無も問わない。本件においても、新所有者に敷金返還債務はすべて承継されるというのが判例理論の帰結である。
3 原告は、「敷金」としての合意を強引に「敷金」と「敷金以外の融資金」の二種に分けているが、なぜ賃料の七か月分が「敷金」として所有権の移転とともに承継され、残りは承継されないというのか、根拠が全くない。
そもそも、任意売却、競売を問わず、所有権の譲受人は、敷金がいくらであるかをすべて承知し、売買代金額を決定し譲り受けたはずである。原告も、売買の諸条件をすべて納得して譲り受けているものであり、敷金返還債務の金額も当然わかったうえで本件建物を取得している。原告の主張は、右のような取引の態様からしても、原告の不当な保護の下に、何の理由もなく突然に被告らや補助参加人が不当な損害を被ることになり、全く条理に反する結論となる。
(原告の反論)
1 本件各敷金の法的性質
本件各敷金が「敷金」の性質を有するか否かは、その名義によってのみ決まるものではない。本件各敷金は、敷金としてはあまりにも高額であること、契約の内容が定型的であり、当事者の意思としても、敷金と保証金とを区別する明確な意思を有していたとは考えられないこと、店舗利用目的の賃貸借であること等から、本件各敷金は、保証金として扱われているものと同様のものであったことは明らかである。
なお、「敷金返還債務は新賃貸人に承継する。」との判例理論は、賃借権保護のために、いわゆる「売買は賃貸借を破る。」の原則の例外として、敷金の法的性質を有するものに関してだけ、債務の承継を認めるものである。したがって、賃料等の担保の目的に照らし、合理性を有しない高額の一時金は、保護すべき賃借権とは無関係であって、「敷金」の性質を有しないというべきである。
2 本件建物周辺の敷金の相場
原告が本件建物周辺の賃貸物件について行った調査によると、敷金名義の一時金の額としては、賃料の二か月分から一〇か月分程度が多い。
3 執行裁判所の判断と実務
本件競売申立事件の執行裁判所は、物件明細書において、本件建物一階部分について「保証金一〇七八万円の主張はあるが、過大であるため適正敷金相当額を考慮して、最低売却価額を定めた。」、本件建物二階部分について「保証金四八〇万円の主張はあるが、過大であるため適正敷金相当額を考慮して、最低売却価額を定めた。」との判断を行い、最低売却価額を定めるにあたって何ら敷金減価を行っていない。このような場合、執行裁判所は、実務上、敷金名義と保証金名義とを区別せず、賃料の三か月ないし数か月程度が適正敷金相当額であるとして扱っているから、本件競売申立事件の執行裁判所も、右程度の額を引き継ぐべき敷金額として判断し、これを前提に最低売却価額の決定を行ったはずである。
原告は、このような執行裁判所の判断を信頼して買い受けたものであって、賃料の三か月ないし数か月程度を超える額を、敷金相当額として引き継ぐとすれば、不測の損害を被ることになる。
4 任意売買と競売との違い
任意売買の場合に、新賃貸人である買主が本来敷金の性質を有しない部分も含めて、一時金を全額承継するのは、これらの法律関係が私的自治の原則の下、各当事者の意思(合意)により形成されるためである。これに対し、競売手続による所有権移転の場合、執行裁判所が、債権者間の平等など公平の理念等に基づいて、敷金相当額等を考慮して最低売却価額を決定することにより、法律関係が形成されるものであり、任意売買による場合とは事情が全く異なるものである。
したがって、本件売買一(任意売却)の際に本件各敷金が全額承継されたことをもって、本件売買二(競売)による所有権移転に伴い、原告に本件各敷金全額が承継される理由とはなり得ない。
5 原告が承継すべき敷金相当額について
本件において、原告が承継すべき敷金相当額を定めるに当たっては次のような事情を総合考慮し、賃料三か月分ないし数か月程度、多くとも七か月程度が相当であるというべきである。
(一) 本件各敷金の過大性
過大な敷金は、承継する賃借権に固有・不可欠なものとはいえず、賃借人保護の範囲を超えるものであるから、敷金の性質を有しないものというべきである。
(二) 原告が本件建物を競落する経緯等に関する事情
(1) 原告は、前記のとおり、引き継ぐべき敷金額としては、賃料の数か月分程度であると考えていたため、これを超える額の引継は、原告にとって不測の損害となる。
(2) 被告らは、もともと平和建物に対し敷金返還請求権を有していたものであるが、平和建物の資力は悪化していたのであるから、本件建物の買受人が現れない限り、被告らが敷金返還債権の回収を実際に確保することは難しかったと考えられる。しかし、多額の敷金返還債務を引き継がなければならないとすると、買受申出人が現れにくくなるのが一般であり、本件においても、原告は買い受けなかったものである。
(3) 原告は、株式会社住宅ローンサービスから平和建物に対する貸金債権を譲り受けたが、本件競売申立事件において本件建物につき買受申出人が現れなかった。そこで、原告は、平和建物に対する貸金債権の回収手段として本件建物を競落し、これを転売することにより債権回収を図ろうとしたものである。原告が多額の敷金返還債務を承継するとすれば、転売価格もおのずから安くなり、債権回収においても不測の損害を被ることになる。
(三) 被告らの本件各建物部分への入居の時期が、本件建物の新築時であることからすると、本件各敷金は、補助参加人が建設資金等の各種資金に利用することを目的とした、いわゆる建設協力金等の融資の性質を有していたことは明らかである。
(四) 本件各賃貸借契約は、店舗としての利用を目的としており、本件各敷金の保護は、必ずしも居住権の保護とは結び付かない。また、一般の敷金相場も、必ずしも高額ではないことは、前記のとおりである。
第三争点に対する判断
一 認定事実
前記第二の二の前提事実に加えて、証拠(甲一ないし五、七、八、乙一の一、二、乙二ないし一四、丙一ないし一一、証人新井喜代司、同鈴木貞夫、被告中田本人)によれば、以下の事実が認められる。
1 竹の屋が仲介した新築ビルの「敷金」ないし「保証金」の相場
補助参加人は、昭和五二年ころ、隣人の帯金しげのと共同で、東京都千代田区富士見二丁目に五階建ての新築ビル(=本件建物)を建築し、本件各建物部分は店舗として他に賃貸し、三階ないし五階部分については居住用として、補助参加人自身が使用することにした。なお、本件建物の周辺は、中層のビル、駐車場、病院等の混在する商業地域であり、本件建物は、JR飯田橋駅の南方二一〇メートルの位置にあり、北東側で幅員一〇メートルの早稲田通りに面している。
一方、竹の屋は、当時、千代田区内で新築ビルの賃貸につき仲介業務を多数手掛けていたものであるが、当時仲介していた新築ビルの新規賃貸借契約に際しては、「保証金」ないし「敷金」として、賃貸面積一坪当たりいくらという決め方で賃貸人・賃借人双方に金額を打診することにより、右「保証金」ないし「敷金」の額を決定していたところ、そのうち、昭和五〇年から昭和五五年にかけて、本件建物の近隣地域である千代田区富士見一丁目ないし二丁目、同区飯田橋四丁目において、竹の屋が仲介した新築ビルの店舗利用目的にかかる新規賃貸借契約につき、「保証金」ないし「敷金」の名目で賃借人から賃貸人に対し差し入れられた金員の実例は、別紙「竹の屋仲介にかかる保証金・敷金の実例」(以下「別紙実例」という。)記載のとおりであり、右例も含めて当時の本件建物の近隣における新築ビルの店舗利用目的にかかる賃貸借契約における「保証金」ないし「敷金」の相場は、概ね一階の賃貸の場合が一坪当たり八〇万ないし一〇〇万円、二階の賃貸の場合が一階の約半額に当たる一坪当たり四〇万ないし五〇万円であった。
2 本件各敷金差入れの経緯
被告鈴兵の本件賃貸借契約一締結当時の代表者鈴木貞夫(以下「鈴木」という。)は、ラーメン店舗を探していたところ、本件建物を建築する半年前ころ、竹の屋から建築予定の本件建物一階部分を紹介された。被告鈴木は、本件建物の立地条件(場所柄や大通りに面して人通りも多いこと)や、本件建物が新築ビルの一階であるという点に魅力を感じ、本件建物一階部分を賃借することにした。その際、竹の屋は、補助参加人及び鈴木双方に対し、近隣の敷金の相場につき、一階店舗の場合は一坪当たり八〇万円、二階店舗の場合にはその半分くらいである旨の説明をしたが、右金員が新築ビルに関しての「建設協力金」や「融資金」の趣旨のものであるなどという説明は全くしなかった。
これに対し、補助参加人は、当時近隣でも新築ビルの場合、新規の賃貸借契約に際して、貸主の方で前記竹の屋が説明した程度の金員をもらっていると認識していたので、右相場程度の金員の差入れは、預り金として当然であると考えた。他方、鈴木自身も付近で商売をしており、近隣の敷金の相場についても、自分なりに情報を収集し吟味していたところ、竹の屋が申し出ている敷金を差し入れることにつき、本件建物一階部分を借り受けるためには必要なものと受け止めており、格別右申出額が高いという認識も持たなかった。そこで、結局、補助参加人と被告鈴兵は、昭和五二年一〇月二〇日、「敷金」名義で一坪当たり八〇万円の計算で一〇七八万円(=本件敷金一)を差し入れることとし、その権利関係に関して、本件敷金条項や本件特約条項一を挿入して竹の屋が作成した本件原契約書一に署名押印することにより、本件賃貸借契約一を結んだ。そして、鈴木は、右同日、補助参加人に対し本件敷金一を交付したが、これに対し、補助参加人は、右金員を敷金として預かる旨、明渡しの際には、賃料の延滞、賃貸物件の確認をなし、問題ない場合敷金を返す旨、ただし、敷金があっても、賃料は毎月末日までに翌月分を支払うこととする旨、なお、借主の過失にて万一火災を発したときは、損害賠償の一部として収受し、返還はしない旨(以上の記載を併せて「本件預り文言」という。)記載された「敷金御預り証」と題する預り証(乙一の二)を交付した。
被告中田は、美容室店舗を探していたところ、本件建物の躯体が完成し、内装工事に入る直前ころの昭和五二年夏ころ、美容材料商から本件建物二階部分を紹介されて見分した結果、本件建物の立地条件(JR飯田橋駅に近く、通行量の多い大通りに面していること)が気に入り、賃借することにした。その際、仲介の竹の屋から、敷金は一坪当たり約三五万円で四八〇万円(=本件敷金二)とし、明渡時にその一割五分を償却して返還するという条件を聞かされたが、被告中田は、自らも付近の賃貸物件を見て回って得た情報などから、妥当な金額であると判断した。そこで、補助参加人と被告中田は、昭和五二年八月三日、「敷金」名義で本件敷金二を差し入れることとし、その権利関係に関して、本件敷金条項や本件特約条項二を挿入して竹の屋が作成した本件原契約書二に署名押印することにより、本件賃貸借契約二を結んだ。そして、被告中田は、本件特約条項二の分割払の約定に従い、昭和五二年中に補助参加人に対し本件敷金二を交付したが、これに対し、補助参加人は、本件預り文言と同趣旨の文言(ただし、本件敷金二を損害の一部に充当する場合につき、「万一故意過失により建物及び造作を焼失または毀損したとき」とされている。)が記載されている「敷金領収之証」と題する領収証(丙三)を交付した。
以上の手続を通じて、補助参加人は、本件各敷金の趣旨につき、借主の権利のために預かるものであって、大体の相場も決まっているから、竹の屋に言われたとおり預かったものであり、竹の屋からの申出当時は、本件各敷金の使途についても具体的には考えていなかった。なお、補助参加人は、本件各敷金を預かる目的として、賃借人が賃料を支払わないときにそれを担保する目的も一部あるものと認識していた。そして、補助参加人は、本件建物の新築費用のうち補助参加人の負担分が約四〇〇〇万円であったため、当初は自己資金一〇〇〇万円に加えて、銀行から三〇〇〇万円の融資を受ける予定でいたところ、本件各敷金合計一五五八万円が入ったので、実際には銀行からの借入を一五〇〇万円に減額し、その代わり、一時的に本件各敷金を新築代金の支払の一部に流用して使用した。他方、鈴木の方は、本件敷金一につき、これを預けないとこの場所を借りられないという認識でおり、しかも、出るときには契約どおり一割五分を償却して、その償却分で得た造作譲渡の権利を生かして、造作譲渡をして代価を得るとともに、敷金の残額の返還を受けられるから、本件敷金一を差し入れるものであると考えていた。なお、鈴木も、本件敷金一を預ける目的として、自分が賃料を支払わないときにそれを担保する目的も一部あるものと理解していた。また、被告中田も、本件敷金二につき、場所代ないし営業権の対価のような認識でおり、ただ、その目的として、賃料を滞納したときや、本件建物二階部分の一部を損傷したときの保証の意味もある旨理解していた。なお、鈴木、被告中田の両名とも、「保証金」と「敷金」の違いはわからず、むしろ両者は同じものであるとの認識でいた。
その後本件各賃貸借契約は、前記第二の二1及び2のとおり合意更新された。
3 本件売買一の際の本件各敷金の取扱い
補助参加人は、平成元年一一月九日、平和建物に対し代金四億円で本件建物を売り渡したが、その際、本件各敷金については、平和建物との間で、償却分を控除することなくその全額一五五八万円を右売買代金から差し引き、実際には売買代金から本件各敷金の額を控除した金額を補助参加人が平和建物から受領する形で、被告らに対する本件各敷金の返還債務を平和建物に引き継いだ。
これを受けて、平和建物は、平成元年一一月、被告鈴兵との間で、本件建物一階部分を、店舗・ラーメン店を目的とし、賃料一か月二二万二〇六八円(ただし、消費税六四六八円を含む。)、期間同年一一月一日から平成四年一〇月末日までの三年間の約定で貸し渡すことを確認した。その際、被告鈴兵は、平和建物に対し本件敷金一を預託したものとされ、第六条に「敷金の預託」として本件敷金条項と同様の定めがなされた。また、平和建物は、平成元年一一月、被告中田との間でも、本件建物二階部分を、店舗・美容室を目的とし、賃料一か月一八万二四一三円(ただし、消費税五三一三円を含む。)、期間同年一一月一日から平成四年一〇月末日までの三年間の約定で貸し渡すことを確認した。その際、被告中田も、平和建物に対し本件敷金二を預託したものとされ、第六条に「敷金の預託」として本件敷金条項と同様の定めがなされた。
その結果、被告らも、本件売買一に伴って、補助参加人の被告らに対する本件各敷金の返還債務を平和建物がそのまま引き継いだものと理解していた。
4 本件売買二の際の本件各敷金の取扱い
東京地方裁判所は、平成四年二月二五日、本件競売申立事件において、本件建物につき競売開始決定を行い、同年三月九日差押登記がなされた。執行裁判所は、売却の実施の前に、本件建物の現況調査報告書及び物件明細書を備え置いたが、そのうち現況調査報告書には、本件各新契約書の写しが添付されるとともに、占有関係についての調査結果における執行官の意見欄に「敷金等」として、本件各敷金の額といずれも返還義務がある旨の記載がなされていた。また、物件明細書の「売却により効力を失わないもの」の「敷金」欄の別紙には、被告鈴兵の賃借権について、「保証金一〇七八万円の主張はあるが、過大であるため、適正敷金相当額を考慮して、最低売却価額を定めた。」旨、また、被告中田の賃借権について、「保証金四八〇万円の主張はあるが、過大であるため、適正敷金相当額を考慮して、最低売却価額を定めた。」旨の記載がある。そして、本件建物の最低売却価額は、その敷地と一括売却する場合の価額として一億五一四四万円と定められた。
その結果、原告は、平成九年八月一二日、本件売買二により本件建物を買い受け、同月一三日所有権移転登記がなされることにより、平和建物から本件各賃貸借契約の賃貸人の地位を承継した。なお、原告は、これに先立つ平成八年一〇月一日に株式会社住宅ローンサービスから貸金債権を譲り受けていたところ、本件建物を自己競落してこれを転売することにより債権回収を図ろうとしたものである。
二 判断
1 本件各敷金はどのような性質を有するものか。
前記一の認定事実によれば、本件各敷金は、本件各原契約書上「敷金」と呼ばれて、契約締結時に補助参加人に「預ける」ものとされ、家屋償却費として一割五分を控除し、賃料の未払又は損害があればこれを差し引き、明渡完了後三か月後に返還するものとされていることからすると、基本的には、賃借人の賃料等の債務の支払その他賃借人による本件各建物部分の損傷等債務不履行による損害を担保する目的を有するものとして、被告らから補助参加人に差し入れられ、それが本件売買一に伴って、補助参加人から平和建物に対しそのまま引き継がれ、本件各新契約書上も同様の趣旨で「敷金」と明記されていたものと認めることができる。そして、本件各敷金の預り証ないし領収証に記載されている本件預り文言に照らせば、本件各敷金で担保される損害は、被告らが火災を発生させ、本件各建物部分を焼燬ないし毀損した場合の損害をも想定し、そのような場合には、本件各敷金の額が右損害額の一部となって、本件各敷金が返還できないこともあること、すなわち、本件各敷金の全額が損害の担保として利用される場合もあり得ることを当事者間で了承していたことも窺われる。なお、本件各敷金のうち、特に返還時に償却されることになる「家屋償却費」の部分は、本件各特約条項の内容に照らせば、造作譲渡の場合の名義変更料となる旨の合意がなされていたものと認めることができる。
他方、「敷金」が担保する典型的な賃借人の債務である賃料の支払の点に着目すれば、本件各原契約書では、本件敷金一が約七二・八倍、本件敷金二が約三九・七倍、本件各新契約書では、本件敷金一が賃料の約四八・五倍、本件敷金二が約二六・三倍であって、賃料不払のみの担保としては通常必要な額をはるかに超えており、現に被告らでさえ、本件各敷金のうちの一部分が賃料不払の場合の担保となるとの認識を有していたことは、前記一で認定したとおりである。そして、前記一の認定事実によれば、このように本件各敷金が高額であることにつき、被告らは、仲介業者の竹の屋が近隣の相場として、坪単価で提案した金額を、自らも情報収集するなどして、被告らが本件各建物部分を営業目的で賃借するためには、本件建物の立地条件の下ではこの程度の高額の敷金を預ける必要があるものと、それなりに納得して了承していたものであり、補助参加人の方もこれまた、近隣の相場等からして、本件各敷金程度の額の敷金を預かるのが当然であるものと考えていたことが認められるのであって、このような当事者双方の認識にかんがみると、本件各敷金は、本件各建物部分の営業上の場所的利益の対価である「権利金」の趣旨も併有しているものと評価することができる。
なお、本件建物が新築ビルであり、補助参加人が、実際には一時的に本件各敷金を本件建物の建築資金に流用したことは、前記一で認定したとおりであるけれども、前記一の認定事実によれば、本件各賃貸借契約締結の際、仲介業者の竹の屋も含めて当事者間で、本件各敷金の全部または一部が「建設協力金」や「融資金」の趣旨であるという説明や確認は全くなく、契約当事者間では、本件各敷金が「建設協力金」ないし「融資金」であるとの認識は全くなかったことが認められる。
結局実質的にみると、本件各敷金は、基本的にはその名のとおり「敷金」でありながら、「権利金」の性質も併有するものと認めるのが相当である。
2 本件各敷金の返還債務は、原告にも承継されるか。
敷金関係は、賃貸借契約と密接な関係(民法六一九条二項ただし書参照)にあり、特に建物の所有権者である賃貸人にとっても、その経済的作用を全うするための保護として重要な権利関係であるから、新所有者は、所有者の交替に伴う賃貸人の地位の承継に伴い、「敷金」の多寡や新所有者の善意・悪意、新所有者が実際に敷金分の補償を受けたか否かにかかわらず、借地借家法三一条で認められた借家権の対抗力の効果として「敷金」返還債務を承継するものである。
ところで、本件各敷金については、本件各原契約書及び本件各新契約書の中で、その意義や返還約束等が規定されていて、本件各賃貸借契約において、当事者が契約を締結するに当たって、基本的には債務の担保となる「敷金」であるとともに、「権利金」の性質も兼ね備えるものとして、賃貸借契約と密接に関連する重要な要素の一つとして合意したものである。そして、当事者間では、本件各敷金は明渡後に償却分を控除して返還されることが明確に合意され、右返還約束は、本件売買一の後も契約内容としてそのまま引き継がれていたものである。なお、本件各敷金の中の「権利金」の性質にのみ着目して、経済的意義を考えてみても、営業上の場所的利益の対価は、賃借人が賃借時に賃貸人から場所的利益を買い受ける対価として賃貸人に支払うものであるから、契約終了時には、対象建物を返還するのと引換えに、賃貸人が賃借人に対し原状回復として場所的利益をそのまま返還させることが合理的な対価の授受であると評価することができる。右のような当事者の意思にかんがみると、本件各敷金にかかる返還約束は、前段でみた純粋な敷金関係と同じく、本件各賃貸借契約と密接に結びつき、かつ建物所有者である賃貸人の地位にとって重要な経済的意義を有する権利関係として、本件売買二により本件建物の所有権を取得した原告にも引き継がれるものと解するのが相当である。
これに対し、原告は、前記第二の三3ないし5のとおり主張する。たしかに、本件競売申立事件の執行裁判所は、本件各敷金について、「保証金」と捉えたうえで、過大であるとして、適正敷金額を考慮して最低売却価額を定めたとされているところ、執行実務上「敷金」と認められるのは通常賃料の数か月分程度であり(甲八ないし一一参照)、執行裁判所も本件各敷金の大部分については敷金減価を行っていないものと推認され、原告も実際に平和建物から引き継ぎ被告らに対し返還義務を負うことになる「敷金」もその程度の金額であると考えて競落したものであることが窺われる(弁論の全趣旨)から、原告が本件各敷金につき全額返還義務を負うものとされれば、平和建物に対する債権者となって、転売目的で本件建物を競落した原告は、債権回収に関し予期に反して少なからぬ損害を被ることになる。しかしながら、本件各敷金に関する右のような執行裁判所の評価は、最低売却価額を決めるためのものであって、特別の合意がなくしても本件各敷金のうちどの程度のものが引き継がれるべきであるかについては、最終的には本件訴訟のような訴訟手続で認定されるべきものであるうえ、原告に対しては、本件競売申立事件における現況調査報告書や物件明細書等によって、本件各新契約書の内容や被告らから聴取した内容も開示されているのであるから、原告にとって自己が引き継ぐべき本件各敷金の金額についての裁判所による判断が、償却分を除く全額の返還義務を認める場合もあり得ることが全く予測不可能であるというわけでもない。そして、本件訴訟で判明した前記のような本件各敷金の法的性質や経済的意義ないし役割にかんがみると、本来、本件各敷金は、「敷金」である一面を前提とすればもとより、「権利金」(=営業上の場所的利益の対価)としての面を前提としても、本件建物の最低売却価額が決定される際には、所有者兼賃貸人が賃借人に対し賃貸借契約を継続している間は賃借人の方に帰属する反面、賃貸人には帰属していない営業上の場所的利益に相当する対価は、本件建物の評価額から控除(対価をそのまま控除するほか、本件建物の評価額から控除すべき借家権の割合を決める際に考慮する方法も考えられる。)されるべきものである。その際、前記一の認定事実によれば、本件各敷金は、竹の屋が仲介した本件建物近隣の新築ビルの営業目的にかかる賃貸借契約において合意されていた「敷金」ないし「保証金」の当時の相場に照らして概ね妥当なものと認められるから、本件各敷金は、結局全額本件建物の評価額から控除されるべきものであったといえる。また、これまで認定したとおり、本件各敷金は、本件各原契約書及び本件各新契約書の中で、当事者が全体として「敷金」及び「権利金」の性質を併せ持つ不可分一体のものとして、被告らに対し明渡時に全額返還されるべきものとして合意したものであるから、前記のような執行実務上の取扱基準等によって、引き継がれるべき「敷金」部分とそうでない部分とを分離・区分して認定することは、当事者の合理的意思に反し、相当でないというべきである。さらに、本件売買二によって本件各敷金のうち一部が原告に引き継がれず、平和建物から回収するべきものとされる場合には、被告らは、本件競売申立事件の配当手続において、配当要求をする必要があると解されるところ、本件各賃貸借契約の内容から、本件各敷金の全額が原告に引き継がれるべきものと考えていた被告らにとっては、本件競売申立事件において自ら進んで配当要求するのを期待することは困難であり、不測の損害を被ることになる。
以上のような点を考慮すれば、原告の前記各主張は、いずれも採用できないといわざるを得ない。したがって、本件各敷金は、本件売買二によって原告に全額引き継がれるべきであり、原告は、被告鈴兵に対しては、本件敷金一の一〇七八万円から一割五分を控除した九一六万三〇〇〇円を、また、被告中田に対しては、本件敷金二の四八〇万円から一割五分を控除した四〇八万円を返還する義務を負うことになる。
三 むすび
以上の次第で、原告の被告らに対する請求は、いずれも理由がないから棄却することになる。
(裁判官 徳岡由美子)
物件目録
所在 東京都千代田区富士見二丁目一番地二〇、一番地二一
構造 鉄筋コンクリート造陸屋根五階建
床面積 一階 八〇・四九平方メートル
二階 八〇・四九平方メートル
三階 八四・六三平方メートル
四階 八四・六三平方メートル
五階 六四・七七平方メートル
専有部分の建物の表示
家屋番号 富士見二丁目一番二〇の一
種類 店舗・居宅
構造 鉄筋コンクリ-ト造陸屋根五階建
床面積 一階部分 四〇・四一平方メートル
二階部分 三七・六九平方メートル
三階部分 四〇・一一平方メートル
四階部分 四三・七五平方メートル
五階部分 三二・六一平方メートル
以上
別紙<省略>