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東京地方裁判所 平成11年(行ウ)204号 判決 2001年1月31日

甲・乙事件原告

甲・乙事件原告

甲・乙事件原告

乙事件原告

右原告ら訴訟代理人弁護士

水谷昭

松本美恵子

松本啓介

被告

麻布税務署長

本間明彦

右指定代理人

日景聡

磯野宏

伊藤秀行

鈴木敏昭

森光明

主文

一  被告が原告己に対し平成9年4月28日にした被相続人戊の相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額5億4258万2500円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。

二  被告が原告庚及び同丙に対し平成9年4月28日にした被相続人戊の相続開始に係る相続税の各更正処分のうち納付すべき税額2億4989万7700円をそれぞれ超える部分及び過少申告加算税の各賦課決定のうち222万9000円をそれぞれ超える部分を取り消す。

三  原告己、同庚及び同丙のその余の請求を棄却する。

四  原告丁の請求を棄却する。

五  原告己と被告との間に生じた訴訟費用は被告の負担とし、原告庚及び同丙と被告との間に生じた訴訟費用はこれを五分し、その一を右原告らの負担とし、その余を被告の負担とし、原告丁と被告との間に生じた訴訟費用は同原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求

一  甲事件(相続税更正処分等取消請求事件)

被告が原告己、同庚及び同丙に対し平成9年4月28日にした被相続人戊の相続開始に係る相続税の各更正処分のうち、

1  原告己に関し、課税価格10億6685万4000円、納付すべき税額5億4258万2500円、

2  原告庚及び同丙に関し、課税価格4億4751万7000円、納付すべき税額2億2759万8900円

をそれぞれ超える部分及び過少申告加算税の賦課決定をいずれも取り消す。

二  乙事件(地価税更正処分等取消請求事件)

被告が原告らに対し平成9年4月28日にした平成6年分の地価税の各更正処分のうち、課税価格17億1575万9488円、納付すべき税額64万7200円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定をいずれも取り消す。

第二事案の概要

本件は、原告らが、前記第一記載の被告がした相続税及び地価税に係る各更正処分及び過少申告加算税賦課決定に関して、①原告らが相続により取得した土地は貸家建付地であり、右土地上の建物は貸家であるから、相続税における右土地建物の課税価格及び地価税における右土地の課税価格の算定上、減額を認める評価通達を適用すべきであること、②右土地は事業の用に供していた土地であるから、相続税における右土地の課税価格の算定上、租税特別措置法69条の3の定める小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を行うべきであることを主張して、被告がした右各処分の取消しを求めている事案である。

一  法令等の定め

1  相続税法22条は、相続により取得した財産の価額は、特別の定めのあるものを除き、当該財産の取得の時における時価により評価するものと規定している。そして、課税実務上は、相続財産の評価の一般的基準として定められた「財産評価基本通達」(昭和39年4月25日付け直資五六・直審(資)17による国税庁長官通達。以下「評価通達」という。なお、本件相続税各更正処分については、平成8年5月30日付け課評2―3による改正前のものをいい、本件地価税各更正処分については、平成7年6月27日付け課評2―6による改正前のものをそれぞれいう。)に従い、そこに定められた画一的な評価方式によって相続財産を評価することとされている。

2  評価通達によれば、貸家の目的に供されている宅地の価額は、その宅地の自用地としての価額から、その自用地としての価額にその宅地に係る借地権割合とその貸家に係る借家権割合との相乗積を乗じて計算した価額を控除した価額によって評価することとされている(評価通達26)。

また、評価通達によれば、家屋の価額は、その家屋の固定資産税評価額に評価通達別表一に定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することとされているが(評価通達89)、借家権の目的となっている家屋の価額は、当該家屋の価額から当該家屋に係る借家権の価額を控除した金額によって評価することとされている(評価通達93、94)。

3  地価税の課税価格は、個人又は法人が課税時期(その年の1月1日午前零時をいう。地価税法2条4号)において有する土地等の価額を合計した金額とされ(同法16条)、土地等の価額は、原則として課税時期における時価によるとされている(同法23条、24条)。そして、課税実務上は、評価通達に定めた画一的な評価方式によって地価税の課税価格を算定することとされている(平成3年12月18日付け課評2―4・課資1―6)。

4  租税特別措置法(平成11年法律第九号による改正前のもの。以下「措置法」という。)69条の3は、個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人の事業(事業に準ずるものとして政令で定めるものを含む。)の用若しくは居住の用に供されていた宅地等で大蔵省令で定める建物若しくは構築物の敷地の用に供されているもので政令で定めるものがある場合には、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係るすべてのこれらの宅地等の200平方メートルまでの部分のうち、当該個人が取得をした宅地等で政令の定めるもの(以下「小規模宅地等」という。)については、相続税法11条の2に規定する相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該小規模宅地等の価額に一定の割合を乗じて計算した金額とすることを定めている(以下「本件特例」という。)。

右において、「事業に準ずるものとして政令で定めるもの」は、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものとされている(租税特別措置法施行令(以下「措置法施行令」という。)40条1項)。

二  前提事実(掲記した証拠により認められる事実及び争いのない事実)

1  原告丁(以下「原告丁」という。)は戊(以下「戊」という。)の妻、原告己、同庚及び同丙(以下それぞれ「原告己」、「原告庚」、「原告丙」という。)は、いずれも戊の子である(以下、戊の子を合わせて「原告己ら」という。)。

2  戊は、昭和59年3月6日、株式会社A(現商号株式会社A、以下「本件賃借人」という。)との間で、別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)上にある建物(以下「本件建物」といい、本件土地と合わせて「本件土地建物」という。)につき、以下のとおり賃貸借契約を締結した。なお、右契約に係る契約書においては、賃貸人として、戊が代表取締役である株式会社Bが表示されている。

(一) 期間 昭和59年3月18日から昭和61年3月17日まで

(二) 賃料 月額132万円

3  戊は、本件賃借人に対し、昭和60年3月4日付け及び同年8月20日付けの書面で、本件賃貸借契約の更新を拒絶し、本件賃貸借契約の終了と同時に本件建物を明け渡すよう求めたが、本件賃借人はこれを拒絶し、本件賃貸借契約の法定更新を主張して昭和61年4月分からの賃料相当額を供託した。そこで、戊は、昭和63年12月13日、本件賃借人を被告として、東京地方裁判所に本件建物の明渡請求訴訟を提起した。

4  平成5年11月30日、戊と本件賃借人との間で、以下のとおり、訴訟上の和解が成立した(なお、以下右の和解を「本件和解」といい、後記(一)ないし(八)の和解条項については、それぞれ「本件和解条項(一)」というように略記する。)。

(一) 戊及び本件賃借人は、本件賃貸借契約が昭和61年3月17日に終了し、平成5年11月30日まで本件建物の明渡しを猶予したものであることを確認する。

(二) 戊は、本件賃借人に対し、本件建物の明渡しを同日から更に平成7年12月31日まで猶予し、本件賃借人は、戊に対し、同日限り後記(三)記載の金員の支払を受けるのと引換えに本件建物を明け渡す。

(三) 戊は、本件賃借人に対し、引越料として2200万円の支払義務があることを認め、これを平成7年12月31日限り本件建物の明渡しを受けるのと引換えに支払う。

(四) 本件賃借人は、前記(一)及び(二)の明渡猶予期間中、本件建物を無償で使用することができる。

(五) 本件賃借人は、自己の責任と負担で、本件建物の維持・修繕をするものとする。

(六) 本件賃借人が本件建物の明渡猶予期間が終了したのち明渡しを遅延するときは、本件賃借人は、戊に対し、明渡猶予期間終了の日の翌日から本件建物の明渡済みまで1日当たり15万円の損害金を支払う。

(七) 戊は、本件賃借人に対し、1188万円の保証金の預託を受けていることを認め、これを次のとおり支払って返還する。

(1) 前記(二)に従い本件建物の明渡しがされる場合は、その明渡し後直ちに支払う。

(2) 右(1)以外の場合は、本件建物の明渡し後3日以内に、前記(六)の損害金の未払金を控除して、その残金を支払う。

(八) 戊と本件賃借人とは、右和解条項に定める以外、両者間において何らの債権債務がないことを相互に確認する。

5  戊は、平成7年7月12日に死亡した。

6  本件賃借人は、平成7年11月14日、本件建物を明け渡した。

7  原告らがした被相続人戊の相続開始(以下「本件相続」という。)に係る相続税の申告、これに対して被告が原告己らに対してした更正処分(以下「本件相続税各更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件相続税各賦課決定処分」といい、本件相続税各更正処分と併せて「本件相続税各更正処分等」という。)、右各処分に対する原告己らの不服申立等の経緯は、相続税別表一の1ないし3のとおりである。

なお、本件土地建物は、原告らの遺産分割協議により、原告庚及び原告丙がそれぞれ共有持分二分の一ずつ取得することとなった。そして、原告らは、本件相続に係る相続税の申告に際して、本件土地についてそれぞれ99.7平方メートルずつを、本件特例の適用を受けるべき土地として選択した(甲四)。

8  戊がした本件土地に係る平成6年分(以下「本件係争年分」という。)の地価税の申告、これに対して被告が納付義務承継者である原告らに対してした更正処分(以下「本件地価税各更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件地価税各賦課決定処分」といい、本件地価税各更正処分と併せて「本件地価税各更正処分等」という。)、右各処分に対する原告らの不服申立等の経緯は、地価税別表一の1ないし4のとおりである。

三  本件各処分の根拠及び適法性に関する被告の主張

被告が本訴において主張する本件相続に係る原告己らの相続税の課税価格は、相続税別表二「課税価格等の計算明細表」に記載したとおりである。また、原告己らの納付すべき相続税額は、相続税別表三「税額算出表」に記載したとおりである。

2 被告が本訴において主張する原告らの地価税の課税価格、地価税の額及び納付すべき相続税額は、地価税別表二及び三の「税額算出表」に記載したとおりである。

四  争点

本件において、原告らの申告と本件相続税各更正処分等及び本件地価税各更正処分等を対比すると、相続により取得した財産の価額及び地価税の課税価格のうち、本件土地建物以外のもの、いわゆる遺産から控除すべき債務等の金額のうち本件相続後に提出された戊の所得税修正申告に伴って生じた所得税等及び本件地価税更正処分に係る地価税以外のもの、並びに遺産に係る基礎控除額については、当事者間に争いがないし、本件土地の自用地としての評価額及び本件建物の自用家屋としての評価額についても、当事者間に争いがない。したがって、本件の争点は、①相続税及び地価税の課税価格の算定に当たり、本件土地は貸家建付地として、本件建物は貸家として、それぞれ評価すべきか否か(争点1)、②相続税の課税価格の算定に当たり、本件土地につき措置法69条の3(本件特例)の適用があるか否かの点であり、これに関する当事者の主張は以下のとおりである。

1  本件土地は貸家建付地として、本件建物は貸家としてそれぞれ評価すべきか否か(争点1)

(被告の主張)

(一) 本件和解の内容からすれば、本件賃貸借契約は、昭和61年3月17日に終了しており、本件相続の課税時期及び係争年分の地価税の課税時期においては、戊と本件賃借人との間には本件建物についての賃貸借契約は存在していなかったこと(本件和解条項(一))、本件賃借人は、本件相続の課税時期及び係争年分の地価税の課税時期においては、戊から平成7年12月31日までの本件建物の占有使用を認められていたが(同(二))、右期間中の本件建物の使用料は無償とされていたこと(同(四))などの事実が認められるところ、右の事実からすれば、本件相続の課税時期及び係争年分の地価税の課税時期においては、本件建物について本件賃借人の借家権が存在するものとは認められない。そうだとすれば、本件土地は「貸家の目的に供されている宅地」に該当するものということはできないから、本件土地の価額の算定においては、評価通達26の適用はないものと解すべきである。

そして、評価通達上、右の事実から認められる本件建物についての本件賃借人の使用権を評価の対象とする根拠が他に存在しないことからすれば、本件相続の課税時期及び係争年分の地価税の課税時期における本件土地の価額は、いずれも自用地としての価額と解すべきである。

(二) 本件相続の課税時期においては、本件建物について本件賃借人の借家権が存在するものとは認められないから、本件建物の価額の算定においては評価通達93、94の適用はないものと解すべきである。

(原告らの主張)

(一) 本件和解条項上、形式的には、賃料又は使用料相当額の支払義務及び立退料支払義務は約定されていない。しかしながら、賃料又は使用料相当額を免除したことの実質は立退料であり、本件賃借人は戊に対して賃料又は使用料相当額を支払い、戊は本件賃借人に対し、立退料を支払ったのと同じ効果を有するものである。このように、本件和解条項上は契約終了とその後の本件建物の無償使用の構成を取ったものではあるが、契約終了後の本件賃借人の本件建物の使用は、経済的には、「有償」と評価されるべきものである。

そして、戊と本件賃借人との間には、平成7年12月末日まで、本件賃借人において本件建物を使用することが認められ、その間、所有者の戊にとって、本件建物及び本件土地の使用が制限され、右期限に本件賃借人は本件建物を明け渡す旨の約定がなされたものであるから、本件建物につき使用貸借契約が存在していたと評価されるところ、右使用は、前述のとおり「有償」であり、有償の使用貸借契約の法的性質は、正しく賃貸借契約に外ならない。

したがって、本件和解条項上は、契約終了の法律構成を取っていたとしても、明渡しまでの本件建物に対する本件賃借人の使用権原は、賃貸借契約に基づくものである。

(二) そうすると、戊が死亡した平成7年7月12日には、本件賃貸借契約が継続中であり、本件建物は現実に借家の目的で本件賃借人が占有使用していたのであるから、本件建物は正しく貸家であり、本件土地は正しく貸家建付地である。したがって、本件建物の価額の評価は、評価通達93、94に従い、本件土地の価額の評価は評価通達26に従って行うべきである。

しかるに、被告は、右評価通達の適用を行わないで、本件建物を自用建物本件土地を自用地として評価して、本件相続税の更正及び賦課決定並びに本件地価税の更正及び賦課決定をした違法がある。

2  本件土地建物につき租税特別措置法69条の3(本件特例)の適用があるか否か(争点2)

(被告の主張)

(一) 本件特例は、相続の開始の直前において、被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地は、相続人等の生活基盤の維持のために不可欠のものであること、特に事業用宅地については、雇人、取引先等事業者以外の多くの者の社会的基盤にもなり、事業を継続させる必要性が高いことなどから、その処分について相当の制約を受けるであろうことにかんがみ、必要最小限の部分について、相続税の課税価格の計算上減額を認めたものであると解される。そして、右のような本件特例の趣旨及び文言に照らすと、本件特例にいう事業用宅地に該当するか否かは、相続の開始の直前において、当該宅地が現実に事業の用に供されていたか否かという観点から判断されるべきであり、事業の用に供されていたか否かについては、課税の公平、迅速の観点から、一義的、明確な基準をもって判断させるべきであり、賃貸事業に当たっては、賃貸借契約の締結をもって、事業の用に供されたものとするのが相当である。

また、宅地につき事業の用に供されていたものと認められるためには、当該被相続人が行っていた行為が、相続開始の直前における客観的な状況からみて、営利性、有償性を有していたと認められることが必要である。

(二) 本件土地については、昭和61年3月17日以降、戊と本件賃借人との関係が賃貸借関係にあったものとは到底認めることができない。そして、本件相続の開始の直前における本件土地については、戊との合意に基づき本件賃借人が占有使用していたものの、その使用料は無償とされていたのであるから、戊の計算と危険において営利を目的とし対価を得て継続的に行う経済活動に利用していたものと解することはできない。さらに、本件土地の利用が、相当の対価を得て行われている不動産の貸付けに該当しないことも明らかである。

したがって、本件相続に係る相続税の課税価格の算定上、本件土地に本件特例の適用はないものと解すべきである。

(三) 原告らが引用する措置法通達69の3―2(平成6年6月27日付け課資2―115改正後のもの。以下同じ。)は、相続開始の直前において事業場の移転又は建て替え等によって従前から営んでいた事業が一時的に中断されたにすぎず、依然として被相続人等によって営まれていた事業が継続しているとみることができる場合もあることから、相続開始の直前において相続人に承継されるべき生活基盤及び社会的基盤である「事業」がすでに形成されていた場合に限り、右土地が本件特例にいう事業の用に供しているか否かの判断時期を相続時点から相続税の申告期限まで延長し、原則として右時点までに右土地が現実の事業の用に供されている場合に本件特例の適用を認める趣旨のものであって、相続開始時に建物が存在しない場合について一般的に本件特例の適用を認める趣旨ではないことは明らかである。

そして、戊は本件建物の老朽化等を理由として本件賃貸借契約の更新拒絶による終了及び本件建物の明渡しを求めたこと、本件相続時においては本件和解に基づき本件賃借人が本件建物を無償で使用しており、本件建物につき賃貸借契約は存在しないことが認められるところ、かかる事実によっては、本件相続開始の直前において戊の相続人に承継されるべき本件土地を使用した生活基盤及び社会的基盤が既に形成されていたものと認めることはできないから、本件土地に本件特例を適用することはできない。

(原告己らの主張)

(一) 建物の賃貸事業とは、第三者に賃貸すること自体が事業の中心であることは勿論であるが、その終了に基づき明渡手続を行うのも賃貸事業の一環であり、また賃借人が建物を明渡した後、次の賃借人が決まるまでの間、賃借人を募集したり、建物を修繕したり、改築したりすることも賃貸事業の一環であり、その間、賃貸事業は継続して行われていると見られるものである。したがって、事業の当否を判断する基準に、現実に賃借人が占有使用していることさえ必要ではなく、ましてや使用料の無償、有償は関係ないということは明らかである。

なお、措置法通達69の3―2は、事業用の建物を取り壊し、これに代わるべき建物の建設中などに相続が開始した場合にも、相続税の申告期限までに相続人が建物を事業の用に供しているときは、本件特例の適用が受けられることを定めている。右は、相続開始時に建物自体がなく、使用料など入っていないことは明らかな場合であっても、事業の存在とその継続性を認め、本件特例の適用を認めるものである。

(二) しかるところ、戊は、本件建物が老朽化したことから、本件建物の大修繕ないし改築を計画し、本件賃借人に対し、明渡訴訟を提起し、紆余曲折の末、本件和解を成立させ、本件賃借人に本件建物を明渡させることとし、明渡しを得た後は、本件建物を改築して、新たな建物で賃貸事業を継続する予定であったものであるが、その途中で死亡したものである。仮に明渡条件として使用料を無償としたからといって、自己の計算と危険において営利を目的とし対価を得て継続的に行う経済的活動でないとは到底言えない。しかも本件は、未だ本件賃借人が、本件建物を占有使用しており、事業の一時的中断もしていないという事案である。

したがって、本件の右状況が、戊の事業に該当し、かつその事業が継続していることもまた明白であって、その事業の継続中に戊は死亡したのであるから、本件特例の適用要件の「相続開始直前において」、「本件土地が戊の事業の用に供されており」、かつ「本件土地が建物(すなわち本件建物)の敷地の用に供されていること」に正しく該当しているというべきである。

(三) また、本件特例の適用となる事業には、「事業と称するに至らない不動産の貸付その他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの含む」とされているところ(措置法施行令40条1項)、本件賃借人が本件建物を使用している状況は、相当の対価を得て行われている不動産の貸付に該当し、その貸付中に戊は死亡したのであるから、この点からも本件特例の適用があるべき事業に該当する。

(四) よって、本件土地は、戊の事業の用に供していた土地であるから、本件土地の相続税上の課税価格の算定上、本件特例の適用を行わなかった本件相続税各更正処分等は違法である。

第三当裁判所の判断

一  証拠(甲二、三、五、六、九、一〇の1、2、一三ないし一五、乙五、六、八)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

1  本件建物は、昭和37年に新築された建物であり、当初は三階建ての事務所兼店舗であったが、その後四階部分が増築された。

2  戊は、米国製自動車Eの販売総代理店である株式会社Bの代表取締役として、同社を経営するとともに、本件建物を含む不動産を所有して、他に賃貸していた。

3  戊が本件賃借人に対して本件建物を最初に賃貸したのは、昭和50年3月18日であり、本件賃借人(当時の商号は株式会社C)は本件建物を印刷業の事務所及び工場として使用していた。右の契約はその後更新され、前記第二の二2のとおり、昭和59年3月6日、本件賃貸借契約が締結された。

4  戊は、本件建物が老朽化していたこと、土地の値上がりとともに賃貸ビル相場も上がっていたことから、本件建物を建て替えて賃貸すればより高額の賃貸収入が得られると考え、前記第二の二3のとおり、本件賃貸借契約の更新拒絶をして、その明渡請求訴訟を提起した。

戊は、本件建物の明渡請求訴訟の訴状において、本件建物の外壁が劣化し、建物自体が傾斜していること、本件賃貸人が設置した重量のある印刷機械が常時稼動しているため基礎自体が沈下していることから、修繕の必要があるとともに、右の機械の設置は用法違反であるとして、更新拒絶には正当な事由があると主張し、仮に正当事由がないとしても、その補完として立退料を支払う用意がある旨主張し、主位的には無条件での明渡しを、予備的には立退料1億円の支払と引換えでの明渡しを求めた。これに対して、本件賃借人は、正当事由の存在を争った。

5  右訴訟において証人尋問が行われた後になされた借家権価格の鑑定の結果によれば、本件建物の借家権価格は1億5600万円であった。戊と本件賃借人は、右の借家権価格についてそれぞれ主張を行うとともに、本件建物を明渡す方向での解決が話し合われ、立退料についても議論がなされた。

戊は、立退料を1億8000万円程度に押さえたいとの意向を有していたところ、双方話合いの結果、①本件賃貸借契約は昭和61年3月31日で終了したこととし、明渡期日は和解成立日から2年後とする、②本件賃貸借契約終了日から明渡しに至るまでの賃料相当額は免除し、本件賃借人が当時既に供託していた賃料額合計約1億2000万円の還付請求をしないとの概要で合意され、前記第二の二4のとおり、平成5年11月30日、本件和解が成立した。

6  戊は、賃料相場が下落している状況にあったので、本件和解成立後、明渡しを受けてからいかなる建物を建築するかについては具体的な計画を立てるには至らないでいたところ、平成7年7月12日に死亡した。なお、戊は、平成6年分及び平成7年分に係る所得税の確定申告書において、本件建物についての賃料又は賃料相当損害金を不動産収入として申告していなかった。

7  本件土地建物は、戊の死後、原告庚及び原告丙が相続したが、当時、右原告らは学生であったことから、明渡しを受けた建物を直ちに建て替えることはしないでいた。しかるところ、本件相続に係る相続税について納税資金が必要となったことから、右原告らは、本件土地を株式会社Dに対して平成8年3月12日に売却した。なお、右会社は、戊が経営していた同族会社であり、その代表取締役は原告丁及び原告己であり、その取締役は原告丙及び原告庚である。

8  この間、本件建物は取り壊され、本件土地は駐車場として利用されることとなった。

二  本件和解の趣旨について

前記第二の二4のとおり、本件和解は、その文言のみに着目すると、本件賃貸借契約は、昭和61年3月17日に終了し、課税期日においては、戊と本件賃借人との間には本件建物についての賃貸借契約は存在せず、本件土地建物は、現に賃貸借契約の目的となっている家屋の敷地の用に供されている土地及び当該家屋に該当しないものと考えられないものでもない。

しかしながら、本件和解は、更新拒絶における正当事由の有無が争点となった明渡訴訟における訴訟上の和解としてなされたものであるところ、一般に、右の類型の訴訟上の和解においては、賃貸借契約の終了に伴い一定期間後の明渡しをすべきことを合意する場合、法律上は既に賃貸借契約が終了していることを明記した上で、明渡期日まで明渡しを猶予するという構成が用いられ、賃借人は、事案の内容によって、右猶予期間中、目的不動産を使用収益し得る一方、これに対して賃料その他の対価の支払を要しないこととされたり、既にした賃料名下の供託金についても取戻しを認められることもあるが、賃貸人には、特段の事情がない限り、賃借人に対してこのような有利な取扱をすべき理由はないのであるから、右取扱いは賃借人に対する立退料の支払に代わるものとみるほかない。

したがって、右期間中の賃借人による当該不動産の使用関係は、実質的には有償のものであり、終期が確定した賃貸借、すなわち一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合の賃貸借(以下「一時使用の賃貸借」という。)と異なるものではないのであるが、平成11年法律第一五三号による改正後の借地借家法で認められた定期建物賃貸借の制度がないことを前提とすると、その期間がごく短い場合以外は「一時使用」とみることに疑義がないでもなく、実質どおりに終期が確定した賃貸借の合意をした場合には、後日、賃借人から借家法6条や借地借家法30条に基づき契約更新の主張がされるおそれがあることから、裁判上の和解においては、このような将来の紛争の発生を防止するため、あえて実質的な関係を正面に出さず、前記のような法的構成を用いてきたのである。

本件和解は、前記認定のとおり、定期借家制度が設けられる以前にされたものであって、戊は、賃借人に対して、元々早期に無条件の明渡しを求めていたのであり、9年余りもの長期にわたって明渡しを猶予し、しかもその間に1億5000万円を下らない賃料相当損害金の支払を免除すべき理由は全くないのであるから、右明渡猶予期間中の本件建物の使用収益は、この種の類型の和解一般と同様に、実質的には終期の確定した賃貸借、言い換えると一時使用の賃貸借と異なるものではないと解するのが相当である。

三  争点1について

1  評価通達26、93及び94(以下「本件評価通達」という。)が貸家建付地及び貸家の評価額について減額を認めた趣旨は、土地上の建物が借家権の目的となっている場合、建物の賃貸人は、自己使用の必要性などの正当事由がある場合を除き、賃貸借契約の更新を拒んだり解約の申入れをすることができない(借家法1条の2、借地借家法28条)から、借家権を消滅させるためには立退料の支払を要することになること、借家人は、建物の引渡しを受けた後には第三者に対する対抗要件を有する(借家法1条1項、借地借家法31条)から、建物に借家権を付着させたままで建物及びその敷地を譲渡する場合には、その譲受人は、建物及びその敷地の利用について制約を受けることになることから、右の建物及び敷地の交換価値が、借家権の目的となっていない建物や土地に比べて低くなることを考慮したことにあると解される。

このような評価通達の趣旨に照らすと、建物及び土地について、貸家建付地及び貸家として評価額を減額するには、右のように交換価値が低くなるような事情がある場合に限られるというべきである。すなわち、右評価通達にいう貸家建付地及び貸家とは、現に賃貸借契約の目的となっている家屋の敷地の用に供されている土地及び当該家屋をいうものと解すべきである。

しかるところ、本件和解による明渡猶予期間中の本件建物の使用関係は、実質的には一時使用の賃貸借と異なるものではなく、本件地価税各更正処分等に係る平成6年分の地価税の課税時期である平成6年1月1日の時点はもとより、本件相続開始時においても、右の使用関係は継続していたのであるが、その終期は、平成7年12月31日と確定しており、その期間が比較的短期であること及び賃借人から期間の延長を請求する余地がなくなっていることからすると、右使用関係の存在は、本件土地建物の交換価値の評価に当たってはそれを無視し得るものということができ、本件土地建物については、評価通達が前提としているような経済的な価値を減少せしめる事情があるとはいえない。

よって、被告が本件相続税各更正処分等において本件評価通達を適用せずに本件土地の時価を評価したことは適法であるというべきである。

2  なお、被告は、当裁判所からの釈明に対して、相続開始前に被相続人と賃借人との間で建物の賃貸借終了の合意がされていたとしても、相続開始時に賃貸借が継続している場合には、当該建物は評価通達にいう貸家に該当する旨主張している。右主張は、一見すると、前記の結論と合致しないように見えないでもないが、右主張は、当該賃借権が一時使用の賃貸借又は定期借家権以外の通常の賃借権であることを前提とするものであり、通常の賃借権については当事者間の合意の有無にかかわらず一律に減価の措置を取ることもやむを得ないものとの考え方もあり得るから、右主張は前記結論をとることの妨げになるものではない。

四  争点2について

1  本件特例は、相続の開始の直前において、被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地は、相続人等の生活基盤の維持のために不可欠のものであること、特に事業用宅地については、雇人、取引先等事業者以外の多くの者の社会的基盤にもなり、事業を継続させる必要性が高いことなどから、その処分について相当の制約を受けるであろうことにかんがみ、必要最小限度の部分について、相続税の課税価格の計算上減額を認めたものであると解される。

右のような本件特例の趣旨に照らすと、本件特例にいう事業用宅地に該当するか否かは、相続の開始の直前において、当該宅地が現実に事業の用に供されていたか否かという観点から判断されるべきである。

2  そこで、前記一で認定した事実及び前記二の説示をもとに検討するに、本件建物は、昭和50年から本件賃借人に賃貸され、その後賃貸借契約が更新されていたものであること、戊は、本件賃貸借契約の更新拒絶をしたが、本件賃借人においてその効力が争われたため、戊は明渡訴訟を提起したこと、本件和解により、本件賃貸借契約は、昭和61年3月17日に終了したことが確認されたものの、平成7年12月31日までの明渡猶予期間中の使用関係は実質的には一時使用の賃貸借と異ならないこと、本件賃借人は、同年11月14日まで本件建物を占有していたことが認められるところ、右によれば、戊が本件建物を本件賃借人に賃貸したことは、自己の計算と危険において営利を目的とし対価を得て継続的に行う経済活動であるから、事業と解することが相当であり、また、本件賃貸借契約の終了が確認された本件和解の後においても、本件賃借人は実質的には一時使用の賃貸借に基づいて本件建物を有償で占有していたのであるから、戊の遂行していた右事業は、本件賃貸借契約に関する紛争処理の段階にあったものの、本件相続開始の直前においても未だ終了していたものとはいえないというべきである。したがって、本件土地は、被相続人の事業の用に供されていた宅地等に該当し、本件特例が適用されるべきであると解される。

もっとも、前記一6で認定したとおり、本件賃借人は本件相続開始後間もなく本件建物を明渡したものであるが、本件特例は、「当該相続開始の直前において・・・当該相続・・・に係る被相続人の事業・・・の用・・・に供されていた宅地等」と定めるにすぎず、相続開始後も相当な期間被相続人の事業が継続していることをその適用の要件とするものではないから、右事情は、本件特例の適用の妨げとなるものではない。

3(一)  これに対して、被告は、事業の用に供されていたか否かについては、課税の公平、迅速の観点から、一義的、明確な基準をもって判断されるべきであり、賃貸事業にあっては、賃貸借契約の締結をもって、事業の用に供されていたものとするのが相当というべきであると主張する。

そこで検討するに、確かに、現に賃貸借契約が締結されていることは、事業の用に供されているか否かの判断において重要な要素となることは否定し得ないところであるが、本件特例が、被相続人の事業の承継の可能性を高めることを目的とした優遇措置であることからすると、たまたま相続開始の直前において法律上は賃貸借契約が存在しなかったとしても、被相続人が相続開始前に行っていた行為が事業としての実態を有し、当該宅地等がその用に供されていた認められるときには、本件特例の適用がある場合があると解すべきである。

このことは、本件特例を受けて定められた措置法施行令40条1項が「事業と称する至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの」を事業に準ずるものと規定し、本件特例は、賃貸借契約が存在しない場合であっても、それに類する行為で一定の要件を満たすものであればその適用が認められるものであることに照らしても明らかであるし、措置法通達69の3―2(平成6年6月27日付け課資2―115改正後のもの。)が、被相続人が事業の用に供していた建物等に代わるべき建物を建築中に、又は当該建物等の取得後にそれを事業の用に供する前に、相続が開始し、相続開始の直前において当該事業用建物等に係る賃貸借契約が存在しない場合でも、一定の要件のもとに事業用宅地等として取扱うことを定めていることも、右の解釈に沿うものと解される。

また、本件和解条項及びこれに引用された訴状を精読すれば、右使用関係が一時使用の賃貸借と異ならない実質を有するものであることは通常の常識を有するならば容易に理解できることというべきであるから、これを前提とする取扱いを求めても、課税庁に難きを強いるものではない。

よって、被告の右主張は採用できない。

(二)  また、被告は、宅地につき事業の用に供されていたものと認められるためには、当該被相続人が行っていた行為が、相続開始の直前における客観的な状況からみて、営利性、有償性を有していたと認められることが必要であるところ、本件相続開始時に至るまで、本件建物の使用料は9年間に渡って無償とされていたのであるから、営利性、有償性を有するものとはいえない旨主張する。

そこで検討するに、営利性及び有償性は、被相続人が行っていた行為が本件特例の適用のある事業と認められるか否かの判断において考慮すべき不可欠の要素であるにせよ、事業は、不確実性のもとに事業主の経営判断により行われる経済活動である以上、収益が上がらない状態の時期もあり得るのであるから、ある時期において収入がないからといって、直ちに営利性及び有償性に欠けるものとして事業ではなくなるものではなく、事業性の有無は、その事業の性質や経過、事業に対する事業主の経営判断などの要素も総合して判断しなければならない。

この観点から本件をみるに、前記一で認定したとおり、本件賃借人は、本件相続開始時において、単なる不法占有又は使用貸借をしていたものではなく、昭和50年から継続していた賃貸借契約に関する明渡訴訟においてなされた訴訟上の和解における合意に基づいて本件建物を使用していたものであること、その使用関係は実質的には一時使用の賃貸借と異ならないこと、すなわち、本件和解において、戊が、昭和61年4月分以降の賃料相当額の支払を求めないこととしたのは、右を立退料の実質を有するとした上で、本件土地を使用した事業を行うにはそれもやむを得ないとする経済的な判断の上になされたものであることからすれば、右期間について結果において形式的に賃料相当額の支払がなかったことをもって、直ちに営利性及び有償性を欠くから事業には該当しないと解することは相当ではない。よって、被告の右主張は採用できない。

4  以上によれば、相続税における本件土地の課税価格の算定において、本件特例の適用が認められるべきところ、その場合の原告らの納付すべき税額が別紙計算表の「予備的主張」の該当欄のとおりであることについては当事者間に争いがない。そして、右を前提とすれば、相続税に係る過少申告加算税の額は、別紙計算表の「予備的主張」の該当欄記載のとおりとなる。

なお、原告己の予備的主張に係る相続税の課税価格及び納付すべき税額は、同原告の申告に係る課税価格及び納付すべき税額を下回るものであるところ、同原告は、右下回る部分についての取消しを求めているものではないと解される。

五  よって、原告らの請求は、①被告が原告己に対し平成9年4月28日にした被相続人戊の相続開始に係る相続税の更正処分のうち納付すべき税額金5億4258万2500円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定の取消し、②被告が原告庚及び同丙に対し平成9年4月28日にした被相続人戊の相続開始に係る相続税の各更正処分のうち納付すべき税額金2億4989万7700円をそれぞれ超える部分及び過少申告加算税の各賦課決定のうち222万9000円をそれぞれ超える部分の取消しを求める限度で理由があるから認容し、③原告己、同庚及び同丙のその余の請求は理由がないから棄却し、④原告丁の請求は理由がないから棄却し、訴訟費用について行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条、64条本文及びただし書、65条1項本文を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 谷口豊 裁判官 加藤聡)

別紙物件目録

物件目録

一 所在 東京都港区東麻布

地番

地目 宅地

地積 199.40平方メートル

二 所在 東京都港区東麻布

家屋番号

種類 店舗・事務所

構造 鉄骨一部鉄筋コンクリート造 陸屋根三階建

床面積 一階 138.02平方メートル

二階 113.75平方メートル

三階 167.57平方メートル

相続税別表一の1

本件相続税更正処分等の経緯(原告己)

項目

年月日

課税価格

納付すべき税額

過少申告加算税

期限内申告

平成 8. 3.29

1,066,854,000

542,582,500

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

1,060,021,000

551,283,700

870,000

異議申立て

平成 9. 6.26

1,066,854,000

542,582,500

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

1,066,854,000

542,582,500

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

(注) 各金額欄の単位はいずれも円。

相続税別表一の2

本件相続税更正処分等の経緯(原告庚)

項目

年月日

課税価格

納付すべき税額

過少申告加算税

期限内申告

平成 8. 3.29

447,517,000

227,598,900

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

662,889,000

344,747,800

11,714,000

異議申立て

平成 9. 6.26

447,517,000

227,598,900

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

447,517,000

227,598,900

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

(注) 各金額欄の単位はいずれも円。

相続税別表一の3

本件相続税更正処分等の経緯(原告丙)

項目

年月日

課税価格

納付すべき税額

過少申告加算税

期限内申告

平成 8. 3.29

447,517,000

227,598,900

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

662,889,000

344,747,800

11,714,000

異議申立て

平成 9. 6.26

447,517,000

227,598,900

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

447,517,000

227,598,900

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

(注) 各金額欄の単位はいずれも円。

相続税別表二

課税価格等の計算明細表

(単位:円)

順号

区分

本件相続人らの

合計額

原告己

原告庚

原告丙

訴外丁

相続により

取得した

財産の価額

土地

1,695,180,282

655,922,830

655,922,830

383,334,623

家屋

38,499,690

7,866,800

7,866,800

22,766,090

有価証券

1,939,811,400

1,064,349,000

865,462,400

現金・預貯金

368,518,816

368,518,816

その他の財産

476,337,805

2,505,868

2,227,438

2,227,439

469,377,060

(小計)

4,518,347,993

1,066,854,868

666,017,068

666,017,068

2,119,458,989

債務等の

金額

未払金

33,880,000

33,880,000

銀行借入金

145,000,000

145,000,000

公租公課

24,289,600

6,833,567

12,767

12,767

17,200,500

10

預り保証金・前受家賃

6,103,000

3,000,000

3,000,000

103,000

11

葬式費用

4,485,696

4,485,696

12

(小計)

213,758,296

6,833,567

31,127,767

31,127,767

200,669,196

13

差引純資産価額(6-12)

4,304,589,697

1,060,021,301

662,889,301

662,889,301

1,918,789,793

14

課税価格

4,304,588,000

1,060,021,000

662,889,000

662,889,000

1,918,789,000

(注) 順号14の金額は、本件相続人ら各人ごとに1,000円未満の端数を切り捨てた後の金額である。

相続税別表三

税額算出表

(単位:円)

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地価税別表一の1

本件地価税更正処分等の経緯(原告丁)

項目

年月日

課税価格

地価税の額

丁の納付

すべき税額

過少申告

加算税

期限内申告

平成 6.10.26

1,715,759,488

647,200

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

1,940,817,164

1,322,400

337,600

34,000

異議申立て

平成 9. 6.26

1,715,759,488

647,200

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

1,715,759,488

647,200

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

(注) 各金額欄の単位はいずれも円。

地価税別表一の2

本件相続税更正処分等の経緯(原告己)

項目

年月日

課税価格

地価税の額

己の納付

すべき税額

過少申告

加算税

期限内申告

平成 6.10.26

1,715,759,488

647,200

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

1,940,817,164

1,322,400

112,500

11,300

異議申立て

平成 9. 6.26

1,715,759,488

647,200

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

1,715,759,488

647,200

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

(注) 各金額欄の単位はいずれも円。

地価税別表一の3

本件地価税更正処分等の経緯(原告庚)

項目

年月日

課税価格

地価税の額

庚の納付

すべき税額

過少申告

加算税

期限内申告

平成 6.10.26

1,715,759,488

647,200

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

1,940,817,164

1,322,400

112,500

11,300

異議申立て

平成 9. 6.26

1,715,759,488

647,200

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

1,715,759,488

647,200

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

(注) 各金額欄の単位はいずれも円。

地価税別表一の4

本件地価税更正処分等の経緯(原告丙)

項目

年月日

課税価格

地価税の額

丙の納付

すべき税額

過少申告

加算税

期限内申告

平成 6.10.26

1,715,758,488

647,200

更正・賦課決定

平成 9. 4.28

1,940,817,164

1,322,400

112,500

11,300

異議申立て

平成 9. 6.26

1,715,759,488

647,200

異議決定

平成 9. 9.16

棄却

審査請求

平成 9.10.15

1,715,759,488

647,200

審査裁決

平成11. 6.21

棄却

税額算出表その1

(単位:円)

file_3.jpg

税額算出表その2

(単位:円)

file_4.jpgoos‘z1 res} met meee e ud w ee wabH ot Fl

別紙計算表

file_5.jpgEr al 3 T eel Rea 3,881, 072, 000, 441, 517 “447,517, 000 1, 919, 184,000 ait) <2 Re 29, 780, 300 2,582, 00 308, 900 0 a, REE 4,508,588 7,060, 021,000 000) 7a, 789, peers 2,238,681, EET) ES OE TASTER z 351,289, 772 [944,747,808 [944,747,838 a <2 i 0 SHH, 747, 800, L Bee aRROw 24,298, 000 1, 714,000 2 Sines [eae 3,368, 108, 000, “389,649, 000 | —1, BIB, 789,000 ae |nmme 2,020,063, 600. TATTOO 214, 900, 900 00 4, 458, 000 ny

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