東京地方裁判所 平成12年(ワ)4313号 判決 2001年10月30日
原告
山中純
被告
滝沢徹
ほか二名
主文
一 被告滝沢徹及び同有限会社関根エンタープライズは、原告に対し、連帯して、金一八四万五五四四円及び内金一五四万五五四四円に対する平成一二年三月一〇日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告の被告関根隆弘に対する請求並びに被告滝沢徹及び同有限会社関根エンタープライズに対するその余の請求をいずれも棄却する。
三 訴訟費用は、これを四分し、その一を被告滝沢徹及び同有限会社関根エンタープライズの負担とし、その余を原告の負担とする。
四 この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。
事実及び理由
第一請求
一 被告らは、原告に対し、連帯して、金七三二万四三七三円及び内金六六七万四三七三円に対する平成一二年三月一〇日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え(一部請求)。
二 訴訟費用の被告ら負担及び仮執行宣言
第二事案の概要
一 争いのない事実及び容易に認定し得る事実
(一) 事故の発生(甲一の一、二、一五、乙一の二、三、乙一四、一五、弁論の全趣旨)
ア 日時 平成八年一一月二二日午後一一時ころ
イ 場所 東京都港区六本木三―一一先の通称六本木交差点(以下「本件交差点」という。)から飯倉片町方面に向かう道路(通称外苑東通り。以下「本件道路」という。)上の、同交差点出口付近
ウ 日沖車 日沖律が運転する普通乗用車(メルセデスベンツ。左ハンドル、左右の二ドア)
エ 被告車 被告滝沢徹(以下「被告滝沢」という。)が被告有限会社関根エンタープライズ(以下「被告会社」という。)の業務として運転する、被告会社の保有に係る普通貨物自動車
オ 事故態様 原告(昭和三三年一月二五日生。当時三八歳)が前記場所先の本件道路第一車線上に停車中の日沖車右側の助手席に乗車するため、右第一車線上を歩いて日沖車の右側に至り、同車の右ドアを開けた際、渋谷方面から飯倉片町方面に向かって本件交差点を右折進行し、日沖車の右側方を走行していた被告車の左側最後部の下方に出張った左側アオリ後部下(乙九の一から四、乙一〇の一から四。以下、単に「左アオリ後部下」という。)と、日沖車の開いた状態の右ドアが衝突し、右ドアを持っていた原告の手指が挟まれた(以下「本件事故」という。)。
(二) 原告の受傷及び治療経過
原告は、本件事故によって、右手挫創、右環指神経損傷等の傷害を負い(甲三、四)、東京女子医科大学病院(以下「東京女子医大病院」という。平成八年一一月二二日から平成一一年七月五日までの間の実日数四六日間の通院。甲八、九、一〇の五、六)、東京都立広尾病院(以下「広尾病院」という。平成九年一月一七日から同年四月二二日までの間の一六日間。甲一〇の一、二、乙三〇の一二、一三)において治療を受け、平成一一年七月五日に症状固定の診断を受けた(甲四)。
(三) 原告の後遺障害
原告の身体には、右手環指及び小指の瘢痕、右手環指の知覚異常(自覚症状)の後遺障害が残存した(甲四、原告本人)。
(四) 被告らの責任
被告会社は被告滝沢の使用者であり、被告車の保有者である(乙一四)。
被告関根隆弘(以下「被告関根」という。)が被告車の保有者であることを認めるに足りる証拠はない。
(五) 損害の填補
原告は、自賠責保険金四二万二〇一五円を受領している。
二 争点
(一) 被告滝沢の過失責任と被告滝沢及び原告の過失割合
ア 原告の主張
本件事故の具体的状況は概ね以下のとおりである。すなわち、原告が日沖車の後方から右側に回り、右ドアを開けたところ、被告車が接近してきた。原告は、ドアと車体の間に上体を挟むようにした上、開いたドアがそれ以上開かないように右手で押さえた状態で被告車の通過を待っていた。しかるに、日沖車の右側を通過していた被告車の左アオリ後部下が前記右ドアに衝突し、原告の右手指を挟んだまま一旦停車した。原告はこの間に右手指を抜こうとしたものの抜くことができず、被告車が再発進したため、原告の右手指は挟まれた状態のまま被告車に引っ張られることになった、というものである。
被告滝沢は、右折先の道路左側に停車していた日沖車の周囲を注視し、それに乗り込もうとする者に接触しないように注意すべきであるのにこれを怠った点、被告車と日沖車が衝突したのだから左側方又は左後方の状況を十分確認してから再発進すべきであるのにこれを怠った点で過失がある。
本件事故は、被告滝沢の左前方の安全確認義務懈怠又は再発進時の左側方若しくは左後方の安全確認義務懈怠に起因するものである。
イ 被告らの主張
原告の主張に係る事故状況は否認する。
本件事故の具体的状況は概ね以下のとおりである。すなわち、被告車が本件交差点を右折し本件道路上の日沖車右側を進行したが、前方が渋滞していたために、自車と日沖車の最後部が横一線に並ぶように停止した。その後、原告が日沖車に乗車するためにその右ドアを開けたものの、被告車が前方車両の前進に伴って再発進したため被告車の左側アオリ後部下と日沖車の右ドアが衝突し、原告の右手指が挟まれた、というものである。
本件事故は、被告車が日沖車の右側を通過しているときに、原告が日沖車の右ドアを開けたために発生したものであり、被告滝沢には何らの過失はない。仮に被告滝沢に何らかの過失があるとしても、本件事故は被告車が日沖車の右側を通過している際に右ドアを開いた不注意、又は、被告車にドアを衝突させないように配慮しなかった不注意にも起因しているのであるから、相当程度の過失相殺をすべきである。
なお、日沖車の停車位置は駐停車禁止場所であり、日沖車に乗車しようとした原告の過失を斟酌する際には、この点をも考慮すべきである。
(二) 原告の損害額の算定
ア 治療費(請求額 一二万一七六〇円)
イ 交通費(請求額 一一万三二〇〇円)
ウ 逸失利益(請求額 四七〇万一四二八円)
症状固定時の原告(四一歳)と同年代の労働者の平均給与額(月額四七万八四〇〇円)を基礎とし、労働能力喪失率を五パーセント、稼働可能期間を二六年(新ホフマン係数一六・三七九)として算定する。
四七万八四〇〇円×一二×〇・〇五×一六・三七九=四七〇万一四二八円
エ 傷害慰謝料(請求額 一一六万円)
オ 後遺障害慰謝料(請求額 二七〇万円)
カ 弁護士費用(請求額 六五万円)
第三当裁判所の判断
一 争点(一)(被告滝沢の過失責任及び被告滝沢と原告の過失割合)について
(一) 本件事故現場周辺の状況及び本件事故に至るまでの経過
甲一の一、二、甲二、三、四、二三、乙一の二、三、乙二の一から六、乙三から一三(各枝番一から四)、乙一四、一五、三一、原告及び被告滝沢各本人尋問の結果、弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
ア 本件事故現場周辺
本件事故現場は、通称六本木通り、同外苑東通り及び環状三号線方面に向かう道路とが交差する五差路交差点(本件交差点)から飯倉片町方面(桜田通り方面)に向かう出口付近、横断歩道に近接しているところであり、本件道路(外苑通り)の飯倉片町方面の第一車線上である。
本件事故現場付近の道路の形状は概ね別紙図面のとおりである。
本件道路は終日駐車禁止であり、本件事故現場は本件交差点から五メートル以内であり停車禁止場所内である(道路交通法四四条二号)。
イ 本件事故時の被告車の動き(一時停止前か、再発進後再停止前か)
(ア) 被告車が日沖車の右側方を通過している際に、一時的に停止状態になったことについては、原告及び被告滝沢の認識は一致している。
そこで、本件事故が発生したとき、被告車は一時停止する前だったのか、又は、一時停止し再発進した後だったのか、を検討する。
(イ) 本件事故発生時の被告車の速度が微速であったこと
まず、本件事故発生時の被告車の速度について検討するに、本件事故が原告の右手の親指を除く四本全ての指の基節骨部分(根元部分)を挟む態様であったこと、しかるに、原告の負傷内容が右手挫創、右環指神経損傷にとどまったこと、からすると、本件衝突時における被告車の速度はごく緩やかな微速状態であったと推認することができる。なぜなら、原告の四指を挟んだ双方の車体部位がいずれも硬質である(特に被告車の左側アオリ後部下は金属製で角張っている。)ため、被告車が微速でなければ、前示衝突によって原告の右手指は挫滅又は切断といった重傷に及んだ可能性が高いからである。
(ウ) 本件事故が被告車の一時停止前に発生したこと
被告滝沢は被告車後方でゴンという音又は衝撃を感じて停止し、被告車の前方に外国人が現れ、本件事故の存在を伝えようと合図をしたのであるが(被告滝沢本人)、その外国人が本件事故の発生を認識し、かつ、被告滝沢に知らせようと被告車の前方に移動するためには相当な時間を要したと考えられ、そうすると、本件衝突が、被告車が一時停止して再発進直後に生じたと考えるのは時間的に無理があり、むしろ、被告車が一時停止する前に生じ、その後に被告車の一時停止時間があったと考えるのが合理的である。同認定は、原告の供述にも沿うものである。被告滝沢が感じた音又は衝撃については、本件衝突自体によるものではなく、被告車の再発進によって日沖車の右ドアを押し曲げたことによるものと理解すれば特段不自然ではない。
(エ) まとめ
以上のとおり、本件事故が発生したとき、被告車は一時停止直前の微速状態であったと認められる。
ウ 原告の開扉動作の時期(原告が右ドアを開けたのは被告車が接近する前か否か)
本件事故の発生時点が被告車の一時停止直前であるとすると、日沖車の右ドアはいつの時点で開けられたのか、が問題となる。
(ア) 当裁判所の見方
原告が本件事故に遭遇したとき、原告は日沖車に乗り込む動作を途中で止めた上、その右ドアの動きを止めるように支えていた姿勢をとっていたと認められるが(原告本人)、原告がかかる動きをしたのは、原告が日沖車に乗り込むために右ドアが大きく開くと、被告車と衝突する危険を感じたからであると考えられる。そのような動機付けを有する原告が、日沖車の右側方を通過している最中に、あえて、日沖車の右ドアを開けようとすることは考え難い。原告が右ドアを開けたとき、被告車は日沖車に接近する前であり、日沖車の右側方通過中ではなかったと考えるのが自然である。
したがって、原告は、被告車が本件交差点を右折進行し日沖車に向かってくる段階で日沖車の右ドアを開けて同車に乗り込む行為を開始し、被告車の接近により、原告は右手を止めて被告車の通過を待っていたと考えるのが合理的である。
(イ) 被告らの主張の検討
これに対し、被告らは、被告滝沢が本件交差点を右折進行中、日沖車の後方にいる原告を視認している点、被告車通過前に日沖車右ドアが開いていたのであれば被告車の左側巻込防止バーと接触しているはずである点を指摘するが、前者については、被告滝沢は、右折進行先の渋滞状態にあった交通状況に注意を向けていたために、原告が日沖車の右側に移動したのを十分注視していなかったと考えられるし、後者についても、日沖車の右ドア先端部が凹凸の形状をしている上、被告車の左側巻込み防止バーの高さと日沖車の右ドアの高さが異なるために接触が起こらなかったとも考えられることからすると、被告らの主張をもって、直ちに前示認定を覆すには足りない。
(二) 本件事故の態様に係る当裁判所の判断
本件事故の状況は、概ね以下のとおりであったと認められる。
ア 原告は、本件交差点に近接した位置に停車していた日沖車(別紙図面の甲車両)に右ドアから乗り込もうと本件道路第一車線上を歩行して向かい、右ドアを開けた。しかし、被告車が本件交差点を右折進行して接近してくるのを見たため、原告は一旦乗り込む動作を止め、開いた右ドアを右手で支えて被告車の通過を待った。
イ 渋谷方面から飯倉片町方面に右折進行してきた被告車は日沖車の右側方すぐの位置(一メートルには満たない間隔である。乙一の三)を通過していたが、前方の渋滞のため減速し、一時停止した。日沖車の右ドアと被告車の左側アオリ後部下は、被告車が一時停止する直前の微速状態にあったときに衝突し、原告の右手指がそれらに挟まれた。
ウ 被告滝沢は本件衝突に気づかずに前方車両の前進により再発進したが、被告車の左側アオリ後部下が日沖車の右ドアを押し曲げたことによって生じた音又は衝撃を感じたため、被告滝沢は被告車を再度停止させた。
(三) 被告滝沢の過失責任及び被告滝沢と原告との過失割合
以上によれば、本件交差点を渋谷方面から飯倉片町方面に右折進行しようとする被告滝沢は、右折先の本件交差点出口付近に停車する日沖車の周囲の交通状況、特に同車両の乗降者の有無等に配慮し、同車両との間隔をできるだけ確保しつつ注意深く進行すべきであったにもかかわらず、同車両に乗り込もうとした原告を見落とし、日沖車との間隔を狭い状態にしたまま漫然と被告車を進行させた点で安全運転上の注意義務違反があったというべきである。
他方、原告は、被告車が日沖車の右側方を通過すること、それゆえ第一車線上を占拠する日沖車と被告車との間の空間が狭い状態になることを容易に予測できたはずであり、交通頻繁な幹線道路上の、しかも、停車禁止場所に停車した日沖車に乗車しようとするのであれば、被告車の通過を待った後、他の車両の通行を妨げない状況になったことを確認してから乗車するように十分配慮すべきであった。また、仮に、安全に日沖車に乗車することが困難であれば、同車両を原告が安全に乗車することのできる他の地点に誘導することをも考慮すべきであった。原告は、このような容易になし得る本件事故の回避措置をとることなく、被告車の通過に先立って本件道路の車線内に立ち入った上、被告車が接近してくるのを視認したにもかかわらず安全な空間(第一義的には歩道である。)に待避することなく、漫然とその位置で右ドアを開けたまま立ち続けて日沖車に乗車しようとした点において、本件事故を惹起させた責任があるものといわざるを得ない。
当裁判所は、以上の点を考慮し、本件事故発生に対する原告と被告滝沢の過失割合については、原告三〇、被告滝沢七〇とするのが相当であると判断する。
なお、被告らが日沖車の停車禁止場所における停車の事実を被害者側の過失事由として考慮すべきである旨主張するが、停車禁止場所に停車した日沖車に対する乗車方法の点で前示の落ち度があるとしても、停車自体については、日沖車を停車させた運転者と原告との関係が明確でない以上、同運転者の過失を原告自身の過失と同視して評価することはできない。
二 争点(二)(原告の損害額の算定)について
(一) 治療費(文書費を含む) 一〇万五二二〇円
甲八、九、一〇の一から七により認める。
(二) 交通費 四万五二四〇円
前示認定事実及び甲一一によれば、東京女子医大病院への通院交通費は、一日当たり七四〇円(片道一七〇円と二〇〇円の合計額三七〇円の往復分)で、通院日数が四六日であるから、三万四〇四〇円、広尾病院への通院交通費は、一日当たり七〇〇円(片道一五〇円と二〇〇円の合計額三五〇円の往復分)で、通院日数が一六日であるから、一万一二〇〇円である。
原告の負傷は右手部であり、通院のためにタクシーの利用を必要とする医学的観点からの具体的事情を認めるに足りる証拠はない。
(三) 逸失利益 五一万〇三三九円
ア 基礎収入
原告の所得は、本件事故前年の平成七年が九万三一〇一円(甲二〇)、平成八年が一四〇万一七二四円(甲一六の一、甲二一の一。住民税上の給与所得額が確定申告上の所得金額と同額であり、名目上「給与」となっている有限会社澤本からの三三〇万円をそのまま基礎とはしない。)、平成九年が二六四万八八九六円(甲一六の二)、平成一〇年が二〇六万八六四九円(甲一六の三)、平成一一年が三一万円(甲一六の四)である。
原告の逸失利益を算定するための基礎収入として、本件事故前年の平成七年の年収額(九万三一〇一円)を用いるのは、その後の年収額の推移に比して僅少にとどまっていることに照らすと著しく相当性を欠くので、原告の基礎収入を次のように考慮して認定することとする。すなわち、原告の身体に残存した後遺障害による労働能力喪失の程度を後述するとおり五パーセントと評価することに照らし、本件事故後の平成九年から平成一一年の年収額が、少なくとも五パーセント制約された原告の稼働能力の結果であると考え、この三年間の年収額の平均値を〇・九五で除した金額をもって基礎収入とするものである。すると、基礎収入は、以下のとおり、一七六万四〇五〇円となる。
(二六四万八八九六円+二〇六万八六四九円+三一万円)÷三÷〇・九五=五〇二万七五四五円÷三÷〇・九五=一七六万四〇五〇円
イ 労働能力喪失率
原告の訴える後遺障害の内容は、右環指のしびれ感、違和感、知覚障害、それによるワープロ作業等の仕事に関する制約状態であるが(原告本人)、これは、右環指神経損傷による組織破壊が強かったために、断裂前と全く異なる神経繊維同士の再吻合に伴って生ずる同部位の知覚異常、筋機能低下が原因となっていると考えられ(甲二二、二三、二六)、これらの後遺障害の内容は医学的な観点から説明可能な症状であり、稼働能力に一定程度の影響があるものと評価することができる。
よって、前示後遺障害については、後遺障害一四級一〇号を適用し、労働能力喪失率を五パーセントと評価するのが相当である。
ウ 労働能力喪失期間
原告の前示後遺障害は現在もなお解消するには至っていない(原告本人)。しかし、前示のとおり、原告の稼働能力の結果である収入が本件事故の前後を通じて上下しており、前示後遺障害の残存の蓋然性のみならず、稼働能力に対する影響が残存する蓋然性が明確でない以上、原告の主張に係る二六年間の残存を前提とする算定方法を採用することは困難である。
当裁判所は、逸失利益を算定するための労働能力喪失期間については、少なくとも、今後五年間は続くものとして評価して(症状固定時から七年間。ライプニッツ係数五・七八六)算定するのが相当であると判断する。
エ 計算式
一七六万四〇五〇円×〇・〇五×五・七八六=五一万〇三三九円
(四) 傷害慰謝料 一一五万円
原告の負傷内容、程度、治療期間、その他同負傷が原告の日常生活を相当程度制約したと考えられることを考慮した。
(五) 後遺障害慰謝料 一〇〇万円
原告の後遺障害の内容、程度等を考慮した。
(六) 小計 二八一万〇七九九円
(七) 過失相殺後の金額(三〇パーセント控除) 一九六万七五五九円
(八) 既払金(四二万二〇一五円)控除後の金額 一五四万五五四四円
(九) 弁護士費用 三〇万円
本件事案の難易度、前示(八)の認定金額を考慮した。
(一〇) 合計額 一八四万五五四四円
三 結論
よって、原告の請求は、被告滝沢及び被告会社らに対し、連帯して、金一八四万五五四四円及び内金一五四万五五四四円に対する平成一二年三月一〇日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、被告関根に対する請求は理由がないので棄却する。
(裁判官 渡邉和義)