東京地方裁判所 平成14年(ワ)6262号 判決 2003年7月29日
原告
X
被告
日新火災海上保険株式会社
主文
一 被告は、原告のAに対する判決が確定したときは、原告に対し、一四三万三二九〇円及びこれに対する平成一三年八月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用は、これを四分し、その一を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
事実及び理由
第一請求
被告は、原告のAに対する判決が確定したときは、原告に対し、一九二万二一三〇円及びこれに対する本件事故の日である平成一三年八月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二事案の概要
本件は、原告が後記の交通事故によって原告所有の車両が損傷を受けたと主張して、加害車両の所有者であるAに対する判決が確定することを条件として、Aとの間で自動車総合保険契約を締結している被告に対し、同保険契約の約款に基づき損害賠償金の支払を求めた事案である。被告は、本件事故が偽装事故であるとして、原告の請求を争っている。
なお、原告は、Aのほか、加害車両の運転者であるBに対しても、同一の訴えをもって損害賠償請求訴訟を提起し、被告と併せて審理が行われてきたが、判決の言渡しは別々になされた。
一 原告の請求原因
(一) 本件事故の発生
(1) 日時 平成一三年八月二二日午後六時二〇分ころ
(2) 場所 横浜市都筑区茅ケ崎東二丁目二番一二号先路上
(3) 加害車両 Bが運転し、Aが所有する普通貨物自動車(横浜<省略>)
(4) 被害車両 原告が所有する普通乗用自動車(横浜<省略>)
(5) 態様 Bが、本件事故現場付近を走行中、前方注視義務を怠り、路上に駐車中の被害車両の存在に気付くのが遅れ、加害車両を被害車両に追突させた。
(二) 責任原因
被告は、Aとの間で、被害車両について自動車総合保険契約を締結している。
(三) 原告の損害
(1) 修理代 八五万五六〇〇円(消費税込み八九万八三八〇円)
(2) 代車代 五七万五〇〇〇円(消費税込み六〇万三七五〇円)
一日二万三〇〇〇円の二五日分
(3) 弁護士費用 四〇万〇〇〇〇円(消費税込み四二万〇〇〇〇円)
着手金・謝金各二〇万円
(4) 合計 一九二万二一三〇円
二 請求原因に対する被告の認否
(一) 請求原因(一)の事実は、否認する。後記のとおり、本件事故は「保険貸し」目的の偽装事故である。
(二) 同(二)の事実は、認める。
(三) 同(三)の事実は、不知。
三 被告の反論
次の点からすると、本件事故は「保険貸し」目的の偽装事故であり、不実の事故報告がされていると考えられる。
(一) 運転者であるBの供述
有限会社保険サービスセンターのCが、本件訴訟前にBから聴取した内容は、<1>彫り師の所に行くところであった、<2>三〇~四〇kmの速度で走っていた、前にも後ろにも車がいた、<3>前の車とは、車二~三台分くらいの間隔を空けて走っていた、<4>道路の左側には駐車している車が何台もあった、<5>合図を出さないで、そのうちの一台が急に目の前に出てきた、<6>衝突を避けるために急ブレーキをかけ、咄嗟に左にハンドルを切ったところ、出てきた車の前に駐車していた別の車(被害車両)に追突してしまった、<7>(電話では右に切ったと話していた、また、車が出てきた方向にハンドルを切るのは不自然と指摘したところ、)ハンドルは右に切ったかもしれない、詳しいことは分からない、<8>推定では、多分時速七〇kmくらい出ていたのではないか、<9>衝撃は余りなかった、相手車の後ろのバンパーに凹みなどはなかったと思う、<10>出てきた車を走って追い掛けたが、逃げられた、<11>事故を起こして自分の車を修理に出しているので、会社の車を借りていた、<12>事故当時は雨であった、<13>あの会社(株式会社aのこと。以下「a社」という。)は、「企業舎弟」とのことである、というものであった。しかし、Bの供述には、ハンドル操作、前車との車間距離、飛び出し車両の確認、飛び出してきた原因車両の特定などに関して、一貫性がなく、種々不自然な点がある。Bは金に困っており、原告に利用されたと考えられる。また、<12>に関しては、本件事故当日は、前日からの大雨が午後には上がり、台風一過の夏晴れになったのであり(乙三)、明確に客観的な事実と異なる供述である。
(二) 原告の供述
本件事故の確知状況に関する原告の供述も、一貫性がなく、不自然である。また、Bが逃げた車を追い掛けて行ったのであれば、事故の後すぐに現場に降りていったXがBを見るはずはなく、Bの供述と原告の供述は矛盾する。
(三) a社の保険担当社員の供述
Cが、平成一三年一〇月三一日、a社の保険担当社員と別件の事故について面談した折に、同人は、「あれはX(原告)の車が飛び出したと思う」と一瞬口を滑らせた。
(四) 被害車両の損傷状況
Bは急制動したと述べるが、被害車両には、急制動した時にできるノーズダイブの跡がない。また、被害車両の右後ろに鋭い凹損があり、車体の裏側にも損傷がある。しかし、Bの述べるような事故形態では、こうした鋭い凹損、車体裏側の損傷はできるはずがない。
(五) 動機
本件偽装事故については、Bが金を必要としていたことが背景となっている可能性がある。また、a社の属する「bグループ」では、関係者による保険金の不正請求、保険金詐欺事件が多発している。本件も同様、この「bグループ」の仕業と思われる。a社については、別件で、D、Eという社員が、不正な保険金請求をして、日新火災海上保険株式会社が横浜地裁に保険金支払債務不存在確認請求訴訟を提起し、認容判決がされた。
(六) 事故報告
本件事故直後に代理店と加害車両の契約者(A)がそろって現場に駆け付けており、加害車両の積載の手配も代理店がやっている。しかし、本件では、事故から一週間後まで保険会社に事故報告がされておらず、不自然である。これは、保険会社に整合性の確認をさせないようにするために、事故報告をあえて遅延させたと考えられるのであり、代理店や契約者らは加害車両を修理し、証拠隠しをしたものである。すべてが、関係者の「了解」の下でなされたと考えるのが素直である。
(七) 交渉経緯
当事者が述べるように、本件事故がBの一方的な過失による事故であるならば、原告は、B及びその勤務先であるAをもっと激しく責めるはずである。しかし、事故直後、原告とBとの間で、およそ、このような激しいやり取りがあったという印象は受けない。本件では、最初から保険の話があり、Aとは二、三回協議の場が設けられたとのことであるが、<1>分割払の合意ができたのであれば、原告はこれを書面にするはずであり、支払の確実性を担保する措置を講じていないのは不自然である。さらに、<2>その後、この支払約束は訴訟提起ということで頓挫しているが、この事故がBらの供述しているとおりであれば、保険金支払の有無に関係のないことであるから、原告が事実上断念ないし猶予するという理由もない。
第三当裁判所の判断
一 請求原因(一)について
原告は、請求原因(一)記載の日時・場所において、Bが、本件事故現場を走行中、前方注視義務を怠り、加害車両を路上に駐車中の被害車両に追突させるという交通事故(本件事故)を起こしたと主張し、他方、被告は、これが「保険貸し」を目的とする偽装事故であるとし、本件事故が偶然に発生した事実を争っているので、この点について検討する。
(一) 証拠により認められる事実
甲四ないし七、一〇、一一、乙二、四によれば、次の事実が認められる。
(1) 平成一三年八月二二日午後六時三〇分、神奈川県都筑警察署に、Bから本件事故が発生したとの電話通報があり、同署のF巡査が本件事故現場に赴いた。F巡査は、本件事故による負傷者がなく、関係者である原告とB及びAが円満に解決できると申し立てたことから、車両見分のみを実施した。
(2) その時、本件事故現場には、前部を大破した加害車両が、自走不能の状態で停車していた。また、その時、本件事故現場には、後部を破損した被害車両が停車していた(乙二・五八頁以下参照)。
(3) Bの雇主であり、加害車両の所有者であるAは、Bから連絡を受けて本件事故現場に赴いた。また、Aが加害車両について自動車総合保険契約を締結している被告の保険代理店であるジャストのGも、連絡を受け、積車に乗って本件事故現場に赴いた。
(4) 加害車両は、積車により本件事故現場から引き揚げられた。加害車両については、平成一三年八月二七日から同年九月五日の間、修理が行われた。
(5) 一方、被害車両は、自走により、a社の取引先の修理工場である有限会社瀬川ボディーに入庫した。
(6) ジャストのGは、被告に対して事故報告をしておらず、被告に対しては、Bから平成一三年八月二九日に事故報告がされた。
(7) 日新火災損害調査株式会社のアジャスターHは、平成一三年八月二九日、瀬川ボディーを訪れ、同年九月七日、被害車両の修理費用を八〇万八二九〇円(消費税込み)と見積もった。その後、瀬川ボディーは、被害車両の修理を行い、同月一八日ころ、修理を終えた。
(8) 被告代理人であるI弁護士は、平成一三年一一月一九日付けで、原告のほか、加害車両の運転者であるB及びその保険契約者であるAに対し、本件事故は偽装事故である疑いがあるとして、保険金は支払えないとの免責通知書を送付した。
(二) 被告が不自然と指摘する点について
(1) Bの供述
被告は、運転者であるBの話は、一貫性がなく、種々不自然な点があると主張している。
まず、本件事故後にハンドルを右、左のいずれに切ったかについては、被告は、「衝突事故はそう頻繁に起こすものではなく、その衝撃程度は非日常的であり、記憶が不鮮明ということはあり得ない。少なくとも、実際に事故を経験しているのであれば、ハンドルを右に切ったか、左に切ったか、などという根本的なことを間違えるはずはない。」(乙二・二頁)という。しかしながら、他方で、事故は瞬間的な出来事であるため、運転者において、咄嗟にハンドルをどちらに切ったかを明らかにし得ないこともないではない。取り分け、本件においては、前方路肩に駐車していた車両が急発進した場合には、加害車両の運転者は、これを避けるため右にハンドルを切り、次に、中央分離帯との衝突を避けるためハンドルを左に切り直す動作をすると思われ(乙四の事故状況図参照)、その意味でハンドルを右に切ったとも左に切ったともいえる。必ずしも十分な表現力を有しないように見受けられるBの供述の変遷をとらえて、これを不自然と非難するのは適切ではない。また、前車との車間距離については、一般的に、これを正確に判断することは困難であり、「車で二~三台分」又は「車で一~二台分」とのBの発言をとらえて、この間に割り込むのは尋常ではないというのも、言葉尻をとらえるものに等しい。BのCに対する回答をもって、「真実、運転し、衝突を経験した者の言うことではない」(乙一・二頁)とすることはできない。
また、Bは、本件事故当時は小雨が降っていたと供述しているところ、乙三の一頁によれば、日吉のアメダスでは、本件事故当日である平成一三年八月二二日の一八時台における降水量は〇mmとなっており、同四頁によれば、当日の天候は、昼は「大雨後一時曇」、夜は「晴」となっていることが認められる。しかしながら、同四頁の降水量データによれば、当日の一六時台、一七時台の雨量が「〇・〇mm」と記録されていて、一時間の降水量が〇・一mmに達しないわずかな雨が降ったと考えられることからすると、横浜市港北区日吉から数km離れた本件事故現場において、一八時台にわずかな降雨があった可能性も否定することはできない。
(2) 原告の供述
被告は、Xと原告との会話の中に、本件事故が発生したのを目撃したか、又は発生した音を聞いて外に出た趣旨の供述をしている一方、本件事故が発生したことを会社の者が教えてくれたので外に出た趣旨の供述をもしているとして、実際に事故を経験した者がする供述ではないという(乙二・二~三頁、八頁)。この点につき、甲一〇、原告本人の供述によれば、原告が本件事故の発生を知った経緯は、「本件事故当時は会社の建物内にいたが、衝突事故の音を聞いた他の社員から、ジャガーがぶつけられたという知らせを受けて建物の外に出て、本件事故の発生を知った」というのである。被告の指摘する部分は、原告が本件事故の発生を知った以上の過程を省略して説明したものと理解し得るのであって、不正確な説明ではあるけれども、「実際に事故を経験した者がする供述ではない」とすることはできない。また、原告が外に出た時、飛び出した車を走って追い掛けていったBが既に本件事故現場に戻ってきていたとしても、決して不思議ではない。
(3) a社の保険担当社員の供述
被告は、Cがa社の保険担当社員であるJと面談した折に、同人が、「あれは原告の車が飛び出してきたと思う」と口を滑らせたというが(乙二・三頁)、Cの証言以外に、このような事実があったことを裏付けるに足りる的確な証拠はない。
(4) 被害車両の損傷状況
本件では専門家による損傷の検討や損傷状況の整合性の調査が行われていないから、被害車両の損傷について被告の主張する点をもって、本件事故が不自然であるという根拠とすることはできない。ちなみに、被告側のアジャスターであるHが被害車両を見分した際、特に不自然な損傷があるとの指摘をした形跡はない。
(5) 動機
Bが金を必要としていたことが背景になって本件偽装事故を仕組んだとの被告の主張は、単なる推測の域を出るものではない。また、乙一、二によれば、別件で、a社の社員であるD、Eが不正な保険金請求をしたため、被告から、a社に対し、横浜地裁に保険金支払債務不存在確認請求訴訟(横浜地裁平成一四年(ワ)第一〇三三号事件)が提起され、認容判決が下された事実が認められる。もっとも、甲九によれば、被告にこの保険金支払債務が存在しない事実は、a社も認めているところであり(原告は、a社は日新火災海上保険株式会社の代理店から保険金の請求方法につき助言を受けたと主張している。)、a社が訴訟において不正な保険金請求を正当と主張したものではない。そのほか、乙二及び原告本人の供述によれば、確かに、a社の属するbグループから何件かの不正な保険金請求があった事実が窺われるが、このことから直ちに、原告の本件保険金請求が不当なものであると推認することはできない。
(6) 事故報告
前記(一)に認定したとおり、被告の保険代理店であるジャストのGは、被告に対して事故報告をしておらず、被告に対しては、Bから平成一三年八月二九日に事故報告がされたものである。被告は、これをもって、事故の整合性を確認させないようにするため、意図的に事故報告を遅らせたものであると主張する。しかし、Gが、本件事故の発生を偽装するため、原告やB、Aと通謀していたと認めるべき証拠は全くなく、数十万円の修理代の「保険貸し」をするために、これらの関係者が意を通じたとは、にわかに考え難い。また、前記(1)に認定したとおり、加害車両の修理は同月二七日から同年九月五日にかけて行われたものであって、事故報告がされた同月二九日の段階では、まだ整合性の確認ができた可能性もある。
(7) 交渉経緯
甲八、一〇、原告本人、B及びAの供述によれば、本件事故後、原告からB及びAに対して、再三修理代の請求がされ、Bは、支払を約する誓約書(甲八)を作成し、原告に交付したこと、Aも、原告に分割払の約束をしたこと、しかし、Bに支払能力がないことのほか、本件訴訟が提起され、Aらが、この段階で支払をすることは保険金請求が不正なものであると認めることになるとの危惧を持ったために、現在に至るまで全く支払が行われていない事実が認められる。この事実に徴すれば、交渉経緯に特に不自然な点があるとは考え難い。
3 まとめ
本件事故が、果たして、原告とBの供述する態様で発生したものかどうかについては、疑問を差し挟む余地がないではない。事故態様それ自体からして通常見られないものであることは、被告の指摘するとおりである。また、本人尋問の際の原告の供述態度に、事故によって損害を被った被害者に見られる強い怒りが感じられなかったことも、事実である(もっとも、この点は、原告の性格によるものかもしれないし、被告代理人の語気鋭い追及に気後れしたものである可能性もある。)。
しかし、他方、前記(一)に認定したとおり、電話通報を受けて警察官が本件事故現場に到着した時には、前部を大破した加害車両が自走不能の状態で停車しており、また、後部を破損した被害車両が停車していて、その後、連絡を受けて保険代理店が積車で本件事故現場に臨場している。原告又はB、Aが本件事故現場に自走不能となった加害車両を運んできたとは考えられないから、本件事故現場において、加害車両が被害車両に衝突し、自走不能の状態になった事実は、動かし難いものと考えられる。
この場合であっても、事故態様については、例えば、もう少し早い降雨のあった時間帯に、駐車していた被害車両が発進しようとして、直進してきた加害車両と衝突したと考える余地もないではないが、飽くまで、一つの可能性の域を出るものではない。そして、<1>前記(二)のとおり、被告が不自然と指摘する点は、必ずしも的を射ていないこと、<2>本件事故による損傷に整合性がないとの反証はないこと、<3>原告とB及びAとの間に、従来から面識があったことを推認させる間接事実の立証はないこと、<4>加害車両と被害車両とが衝突した後に、本件現場で、「保険貸し」の合意ができたことを直接推認させるべき間接事実の立証もないこと、<5>被告の保険代理店であるジャストのGが通謀に加わっていた形跡はないこと等からすると、被告の立証は、本件事故が原告の主張する態様において偶然に発生したものであるとの認定に疑問を抱かせるには足りないから、原告の主張する本件事故発生の事実(請求原因(一)の事実)を認めるのが相当である。
二 請求原因(二)について
被告がAとの間で、被害車両について自動車総合保険契約を締結している事実は、当事者間に争いがない。
三 請求原因(三)について
(一) 修理代 八〇万八二九〇円
前記一(一)のとおり、日新火災損害調査株式会社のアジャスターHは、瀬川ボディーを訪れ、被害車両の修理費用を八〇万八二九〇円(消費税込み)と見積もったものである。したがって、本件事故による被害車両の修理代は、八〇万八二九〇円と認めるのが相当である。
(二) 代車代 三七万五〇〇〇円
甲三、乙二(七一頁)によれば、原告は、被害車両の修理期間中における代車として、瀬川ボディーから、ベンツ(型式 E―二一〇〇六五、所有者a有限会社)を一日二万三〇〇〇円で二五日間、借り受けたことが認められ、この認定を覆すに足りる証拠はない。そして、甲七によれば、被害車両は、平成九年一月初度登録のジャガー(型式 JLGA XA六)であり、本件事故当時の走行距離が四万四七七八kmであったと認められることを考慮すると、本件事故と相当因果関係のある代車代は、一日一万五〇〇〇円(消費税込み)、合計三七万五〇〇〇円と認めるのが相当である。
(三) 弁護士費用 二五万〇〇〇〇円
本件事案の内容、本件訴訟の経過、本件の認容額((一)、(二)の合計額は一一八万三二九〇円)を考慮すると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は、二五万円と認めるのが相当である。
(四) 合計 一四三万三二九〇円
第四結論
以上によれば、原告の本訴請求は、被告に対し、原告のAに対する判決が確定することを条件として、一四三万三二九〇円及びこれに対する本件事故の日である平成一三年八月二二日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は失当として棄却することとして、主文のとおり判決する。
(裁判官 河邉義典)