東京地方裁判所 平成15年(行ウ)625号 判決 2005年11月04日
原告 甲
同訴訟代理人弁護士 八坂玄功
同 羽鳥徹夫
同 須藤正樹
被告 神田税務署長
瀬川福美
同指定代理人 山根薫
同 櫻井保晴
同 高梨武光
同 實川嘉晴
同 為我井利昌
主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
被告が原告に対し平成13年11月22日付けでした原告の平成10年2月1日相続開始(被相続人乙)に係る相続税の更正処分(以下「本件更正処分」という。)のうち課税価格8億0692万5000円及び納付すべき税額3億9883万1900円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」といい、本件更正処分と併せて「本件各処分」という。)をいずれも取り消す。
第2事案の概要
本件は、原告の亡養父を被相続人、その妻及び原告を共同相続人として開始した相続について、共同相続人間で成立した遺産分割調停を前提として相続税の課税処分がされていたところ、所轄税務署長である被告が、遺産分割未了の財産が申告漏れになっていたなどとして、原告に対し、本件各処分をしたことから、原告がこれらの各処分は違法であると主張して、その取消しを求める事案である。
1 前提となる事実(証拠の付記のない部分は当事者間に争いがない。)
(1) 乙(以下「亡乙」という。)は、東京都千代田区に住所を有し、有限会社A(以下「A」という。)の代表取締役であったが、平成10年2月1日に死亡し、相続が開始した(以下「本件相続」という。)。
亡乙の相続人は、丙(亡乙の妻。以下「丙」という。)及び原告(亡乙の養子)の2名である。
(2) 平成11年9月17日、東京家庭裁判所において、丙と原告との間で遺産分割調停が成立し(同裁判所平成11年(家イ)第771号)、これにより、丙及び原告は、それぞれ、次のとおりの財産を取得した。(甲5、弁論の全趣旨)
ア 丙の取得財産
(ア) 土地(別表4①) 10億2798万2124円
(イ) 家屋、構築物(別表4②) 2549万3564円
(ウ) 家庭用財産(別表4⑤) 20万0000円
(エ) A持分(別表5①) 1億2556万9360円
(オ) 電話加入権(別表7⑨) 7万4000円
合計 11億7931万9048円
イ 原告の取得財産
(ア) 有価証券(別表5原告取得分) 7億3088万5978円
(イ) 現金、預貯金等(別表6原告取得分) 5875万5335円
(ウ) その他の財産(別表7原告取得分) 1841万7800円
合計 8億0805万9113円
(3) 課税処分等の経緯は別表1記載のとおりであり、本件各処分は、本件相続に係る原告の相続税の課税価格を11億1706万円、納付すべき相続税額を5億7197万7300円(本件更正処分に先立つ減額更正処分との差額は1億7314万5400円)、過少申告加算税の金額を1725万8000円とするものであるが、これは、遺産分割未了の財産が申告漏れになっていたことなどを理由とするものであった。
2 本件各処分の根拠及び適法性に関する被告の主張
(1) 本件更正処分の根拠
被告が本件訴訟において主張する本件相続に係る原告の相続税の課税価格及び納付すべき相続税額は、別表2記載のとおりであり、その詳細は次のとおりである。
ア 課税価格の合計額(別表2⑧合計欄) 23億1962万1000円
上記金額は、原告及び丙各人の課税価格の合計額であり、次の(ア)の金額と(イ)の金額の合計額から、(ウ)の金額を控除し、(エ)の金額を加算した金額(ただし、国税通則法118条1項の規定により、各人ごとに課税価格の1000円未満の端数を切り捨てた後の金額)である。
(ア) 相続により取得した財産の価額(別表2③合計欄) 23億4699万5659円
上記金額は、原告及び丙が本件相続により取得した財産の総額であり、その内訳は、次のとおりである。
a 土地の価額(別表4①合計欄の金額から別表2②合計欄の金額を控除した金額) 9億4343万0541円
上記金額は、租税特別措置法(平成11年法律第9号による改正前のもの)69条の3(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)の規定を適用した後の金額である。
b 家屋、構築物の価額(別表4②合計欄) 2549万3564円
c 有価証券の価額(別表4③合計欄、別表5(31)価額欄) 12億5604万1236円
d 現金、預貯金等の価額(別表4④合計欄、別表6⑬価額欄) 6970万7098円
e 家庭用財産の価額(別表4⑤合計欄) 20万0000円
f その他の財産の価額(別表4⑥合計欄、別表7⑩価額欄) 5212万3220円
(イ) みなし相続財産の価額(別表2④合計欄) 2592万3612円
上記金額は、B相互会社に対し、相続開始日までに払込済みの生命保険料のうち、相続税法(平成10年法律第83号による改正前のもの。以下同じ。)3条及び26条の規定によって相続財産とみなされる金額である。
(ウ) 債務及び葬式費用の金額(別表2⑤合計欄) 7838万8337円
(エ) 相続開始前3年以内の贈与加算額(別表2⑦合計欄) 2509万0589円
上記金額は、相続税法19条の規定により、相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該相続の開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合に相続税の課税価格に加算される金額である。
イ 原告の課税価格(別表2⑧原告欄) 11億7525万6000円
上記金額は、次の(ア)の金額から(イ)の金額を控除し、(ウ)の金額を加算した金額(ただし、国税通則法118条1項の規定により、1000円未満の端数を切り捨てた後の金額)である。
なお、未分割財産を含めた原告の課税価格の計算を行うに当たり、被告は、分割済みの財産を特別受益と同様に考慮に入れて、民法の規定による相続分に見合うように未分割財産を相続人間で配分する方法で行っている(別表4)。
(ア) 具体的相続分の価額(別表2①原告欄、別表4⑬原告取得分欄) 11億9589万8154円
(イ) 債務及び葬式費用の金額(別表2⑤原告欄) 3364万1179円
(ウ) 相続開始前3年以内の贈与加算額(別表2⑦原告欄) 1300万0000円
ウ 原告の納付すべき税額(別表2⑭原告欄) 6億0337万2100円
上記金額は、相続税法15条ないし19条の規定に基づき、次のとおり算定したものである。
(ア) 課税価格の合計額(別表2⑧合計欄、別表3①) 23億1962万1000円
上記金額は、前記アの金額である。
(イ) 遺産に係る基礎控除額(別表3②) 7000万0000円
上記金額は、相続税法15条の規定により前記(ア)の課税価格の合計額から控除すべき遺産に係る基礎控除額であり、5000万円と1000万円に法定相続人の数(2人)を乗じて算出した2000万円との合計額である。
(ウ) 課税遺産総額(別表3③) 22億4962万1000円
上記金額は、前記(ア)の金額から前記(イ)の金額を控除した金額である。
(エ) 法定相続分に応ずる取得金額(別表3④及び⑤の法定相続分に応ずる取得金額欄の各金額)
a 丙分(法定相続分2分の1) 11億2481万0000円
b 原告分(法定相続分2分の1) 11億2481万0000円
上記各金額は、本件相続に係る各法定相続人が前記(ウ)の金額を各法定相続分に応じて取得したものとした場合の金額(ただし、相続税法基本通達(昭和34年1月28日付け直資10による国税庁長官通達。ただし、平成10年6月18日付け課資2-242による改正前のもの。)16-3の取扱いにより、各法定相続人ごとに1000円未満の端数を切り捨てた後の金額)である。
(オ) 相続税の総額(別表2⑨合計欄、別表3⑥) 11億9937万2000円
上記金額は、前記(エ)のa及びbの金額にそれぞれ相続税法16条に定める率を乗じて算定した金額の合計額である。
(カ) 原告の納付すべき相続税額(別表2⑭原告欄) 6億0337万2100円
上記金額は、相続税法17条の規定により、前記(オ)の金額に課税価格の合計額(前記アの金額)のうち原告に係る課税価格(前記イの金額)の占める割合を乗じて算出した金額6億0767万2175円(別表2⑪原告欄)から、相続税法19条の規定に基づき相続財産に加算した相続開始前3年以内の贈与財産に係る贈与税額430万円(別表2⑫原告欄)を控除した金額(ただし、国税通則法119条1項の規定により、100円未満の端数を切り捨てた後の金額)である。
(2) 本件更正処分の適法性
原告の納付すべき相続税額は、前記(1)のとおり、6億0337万2100円となるところ、本件更正処分により原告の納付すべき税額5億7197万7300円は、上記金額の範囲内であるから、本件更正処分は適法である。
(3) 本件賦課決定処分の根拠及び適法性
本件賦課決定処分により原告が納付すべき過少申告加算税の額は、1725万8000円であるところ、当該金額は、国税通則法65条1項の規定により、本件更正処分によって原告が新たに納付すべきこととなった税額1億7314万5400円から正当な理由があると認められる事実に基づく税額56万3000円(丙の課税価格に加算される贈与財産1209万0589円に係る相続税の増額部分)を差し引いた後の金額1億7258万円(ただし、国税通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後の金額)に、100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
そして、原告は、相続税の課税価格及び納付すべき税額を過少に申告していたものであり、過少に申告していたことについて、本件更正処分により納付べき税額のうち本件賦課決定処分の対象とした部分については、国税通則法65条4項に規定する正当な理由が存しないから、同条1項の規定に基づき行った本件賦課決定処分は適法である。
3 争点
本件の争点は、次の(1)ないし(5)のとおりである。被告の主張(前記2)中のその余の点については原告も争わない。
(1) 未分割財産の存在
未分割の割引国庫債券及び投資信託受益証券(別表5⑫ないし⑱及びfile_2.jpgないしfile_3.jpg。以下「本件未分割国債等」という。)のうち、別表5⑫ないし⑮の割引国庫債券(以下「本件国債⑫ないし⑮」という。)について、その存在に争いがある(その余の本件未分割国債等及びその余の未分割財産の存在については原告も争わない。)。
ア 原告の主張
本件国債⑫ないし⑮は、証券の所在が確認されていないので、その存在を争う。
イ 被告の主張
本件国債⑫ないし⑮は、いずれも亡乙がC證券株式会社(以下「C證券」という。)本店又は上野支店における同人名義の口座で取得した後に現物出庫したものである。C證券においては、顧客との取引内容を顧客口座元帳(保護預り有価証券明細簿兼顧客勘定元帳)を作成することにより管理しているところであり、亡乙のC證券における取引の状況は、同社本店及び上野支店の各顧客口座元帳(乙1、2)により明らかである。
また、一般に割引国庫債券は、無記名であるが、証券1枚ごとに「額面」と「記番号」(以下「額面」と「記番号」を併せて「記番号等」という。)が記載されており、当該記番号等を特定することによって、D銀行において該当証券の償還の有無を確認することが可能であるところ、C證券において現物出庫された本件国債⑫ないし⑮は、本件相続開始時点である平成10年2月1日はもとより、本件訴訟の提起後である平成16年2月末現在においても、そのすべてが償還されていない(乙4)。
そして、本件国債⑫ないし⑮につき、紛失又は盗難にあった場合に通常とられる手続もとられていないことからすれば、これらは依然として相続人らの管理の下に存在しているものと認められる。
(2) 未分割財産の評価額
被告が主張する本件国債⑫ないし⑮及び庭園設備(別表7⑧。以下「本件庭園設備」という。)の評価額は、財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56・直審(資)17による国税庁長官通達。ただし、平成10年5月12日付け課評2-3による改正前のもの。以下「評価通達」という。)に基づいて算定したものであるところ、これらについて争いがある(その余の未分割財産の評価額については原告も争わない。)。
ア 本件国債⑫ないし⑮について
(ア) 原告の主張
被告の主張する評価額は、これらの割引国庫債券が善意取得される可能性や、共同相続人間において争いがあるという事情を斟酌しておらず、相当でない。
(イ) 被告の主張
これらの割引国庫債券は、割引発行の公社債に該当することから、評価通達197-3項に基づき、「発行価額」と「券面額と発行価額との差額に相当する金額に発行日から償還期限までの日数に対する発行日から課税時期までの日数の割合を乗じて計算した金額」との合計額によって評価したもので、適正な評価額である。
これらの割引国庫債券は、前記のとおり、依然として相続人らの管理下にあると認められ、善意取得の蓋然性が高いとは認められず、また、共同相続人間に相続に起因した紛争が存するとしても、それは極めて個別的な事情に過ぎないから、いずれの事情も割引国庫債券そのものの価値に影響を及ぼすものではない。
イ 本件庭園設備について
(ア) 原告の主張
本件庭園設備は、亡乙がAから取得したものであるが、その取引金額である1200万円は、Aが赤字にならないようにするために恣意的に決定されたものであるから、これを基準として評価通達を適用し、本件庭園設備の評価額を算定するのは誤りである。
本件庭園設備の本件相続開始時点における調達価額は、平成10年の卸売物価指数の総平均を100とした場合、平成8年の指数が100.1、昭和57年の指数が124.2であるから、653万5928円(Aの平成8年4月期の帳簿価額526万7685円÷100.1×124.2)となり、これに評価通達92項を適用すると、評価額は457万5149円(調達価額の70%)となる。
仮にこれが認められない場合は、Aの平成8年4月期の帳簿価額である526万7685円を評価額とすべきである。
(イ) 被告の主張
本件庭園設備は、評価通達92項に基づき、調達価額(課税時期においてその財産をその財産の現況により取得する場合の価額)である1200万円(乙37・Aとの売買契約書。平成8年5月1月の購入時の代金額であるが、その後2年を待たずして本件相続が開始しているから、これをそのまま調達価額とすることが合理的である。)の100分の70に相当する840万円と評価したものであり、適正である。
(3) 未分割財産の帰属
本件未分割国債等について、その帰属に争いがある(その余の未分割財産が亡乙の遺産であることについては原告も争わない。)。
ア 原告の主張
本件未分割国債等は、以下に述べるとおり、丙の固有財産であって、亡乙の遺産ではない。
亡乙及び丙夫婦の本件相続開始時における純金融資産は、亡乙名義のものが12億1019万円(別表5のうちAの持分を除いた残りの有価証券、別表6の現金・預貯金、別表7①の保険満期金、別表2④のみなし相続財産の合計)、丙名義のものが3億3493万円と、夫婦間で大きな開きがあるのに対し、その原資となる夫婦の収入(昭和40年から平成10年まで)は、亡乙が4億0038万円、丙が3億4207万円と、ほぼ拮抗している。これは、亡乙の旧記帳(甲11)の記載から明らかなように、丙の所有資金の一部を亡乙名義の有価証券に投資した結果と考えられるから、各人に帰属する純金融資産の価額は、上記の純金融資産の合計額を上記の収入額の割合(100対85)で按分して算出するのが相当であり、これによると、亡乙に帰属する価額は8億3520万円、丙に帰属する価額は7億0992万円となる。
丙に帰属する純金融資産の内訳は、次のとおりである。
(ア) 丙名義の純金融資産 3億3493万0000円
(イ) 亡乙名義の純金融資産のうち丙の所有資金を投資したことが明らかな次のもの
a 別表5⑮の一部 279万9600円
b 別表5file_4.jpg439万4910円
(ウ) 亡乙名義の純金融資産のうち丙が選択した次のもの
a 別表5⑫ 2940万0000円
b 別表5⑬ 3250万0000円
c 別表5⑭ 2160万0000円
d 別表5⑮の残り全部 2193万0200円
e 別表5⑯ 1565万8780円
f 別表5⑰ 4024万0800円
g 別表5⑱ 8383万5000円
h 別表5file_5.jpg5109万7340円
i 別表5file_6.jpg1110万7608円
j 別表5file_7.jpgの一部 1098万7275円
(エ) 遺産分割の有効を前提とする調整分
亡乙の遺産として分割済みの別表5⑤、⑲、file_8.jpg、file_9.jpgの各一部(合計4943万6412円)は、丙の所有資金を投資したことが明らかなものであり、本来丙に帰属するものであるところ、亡乙の遺産として原告に分割されているから、その代替分として、次の純金融資産は丙に帰属すると解すべきである。
a 別表5file_10.jpgの残り全部 2249万8463円
b 別表5file_11.jpg1530万6027円
(オ) 合計 6億9828万6003円
イ 被告の主張
本件未分割国債等は、いずれも亡乙名義の顧客口座を介して購入されているから(乙1、2)、原告の有効な反証のない本件においては、これらはいずれも亡乙に帰属していたものと推定するのが相当である。
原告の主張は、主張の前提となる丙名義の純金融資産の存在及び価額が何ら立証されていないなど、理由のないものである。
(4) 未分割財産がある場合の課税価格の計算方法
相続税法55条本文は、「相続又は包括遺贈により取得した財産に係る相続税について申告書を提出する場合又は当該財産に係る相続税について更正若しくは決定をする場合において、当該相続又は包括遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によってまだ分割されていないときは、その分割されていない財産については、各共同相続人又は包括受遺者が民法(第904条の2を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算するものとする。」と規定している。この規定の解釈について、争いがある。
ア 原告の主張
積上げ説(分割取得財産の価額を取り分けて、分割済み財産の取得者には、これに、未分割の財産の価額に法定相続分の割合を乗じた額を加算した上で相続税の課税価格を計算する方法)が相当である。
仮に穴埋め説が相当であるとしても、これを採用することにより極めて不都合な結果が生じる特段の事情があるときは、積上げ説が採用されなければならない。本件で未分割財産が生じた原因は、原告が亡乙の相続財産の管理から排除され、丙による遺産隠しに気付くことができなかったためであるから、原告には全く責任がない。そして、原告は、未分割財産を現実に支配していないだけでなく将来的にも取得できない可能性が高いにもかかわらず、穴埋め説によって原告の相続税の課税価格を算定するのは余りにも酷というべきであるから、特段の事情がある。
イ 被告の主張
穴埋め説(分割済みの財産を特別受益と同じように考慮に入れて、民法の規定による相続分に見合うように分割財産と残余の未分割財産を合計し、これを相続人間に配分した上で各人の相続税の課税価格を計算する方法)が合理的である。
①「相続分の割合」とは、共同相続人が他の相続人にその権利を主張できる持分的な権利の割合をいい、遺産の一部の分割がされ、残余が未分割である場合には、各共同相続人は、他の相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から、既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分についてその権利を主張するととができるものと解されること、②「民法の規定による相続分」とは、民法900条から903条までに規定する相続分と解されること、③分割により取得した財産は、民法903条(特別受益者の相続分)に規定する遺贈又は生前贈与により取得したものではないが、被相続人の意思が優先する指定相続分(民法902条)を除き、被相続人の生前贈与等でさえ民法903条の規定により、その贈与等を受けた者の相続分を割り引いていることからしても、遺産の一部を分割した事実をとらえて、相続分に変更が生じたものと解する理由はないこと、④分割済財産を除いて、未分割財産についてのみ単に分数的割合を乗じて計算するとした場合、遺産の一部分割により相続分以上の財産を既に取得している者についても、更に未分割財産を上積みすることとなり、民法の相続人相互間公平の思想に反する状態を招来する場合も起こり得ることからすると、積上げ説によることなく、穴埋め説を採ることに、より合理性があるというべきである。
原告の主張するような個別的事情によって相続税の課税価格の計算方法を異にするべき法的根拠はない。
(5) 過少申告加算税に係る「正当な理由」
国税通則法65条4項の「正当な理由」の存否について、争いがある。
ア 原告の主張
未分割相続財産の価値の大部分を占める本件未分割国債等は丙によって隠匿され、その他の未分割相続財産の大部分も丙の管理下にあったものであるから、その未申告について原告の公法上の義務違反の責任を問い過少申告加算税を課すことは原告に対して著しく酷であって不当である。したがって、原告には過少申告したことについて正当な理由がある。
イ 被告の主張
原告は、本件の相続税の申告の際には、亡乙の取引金融機関等を認識していたものであり(甲4・相続税申告書)、これらについて調査を行っていればその結果に基づいて適正に申告できたにもかかわらず、これを怠っていたのであるから、他の相続人が相続財産を隠匿ないしは自らの管理下に置いていたか否かにかかわらず、過少申告したことについて正当な理由がないことは明らかである。
第3当裁判所の判断
1 争点(1)(未分割財産の存在)について
証拠(乙1、乙2、乙4)によれば、本件国債⑫ないし⑮のうち、⑫及び⑬はC證券本店において、⑭及び⑮はC證券上野支店において、いずれも亡乙の生存中である平成4年から平成6年までの間に同人名義の顧客口座を介して取得された後に現物出庫されたものであるが、本件相続の開始日である平成10年2月1日を経た平成16年2月末現在においても未払いの状態であり、無記名国債証券又はその利札を滅失又は紛失した場合の担保提供による支払請求の手続(国債に関する法律6条)もとられていないことが認められる。
したがって、他に反証のない本件の証拠関係の下においては、本件国債⑫ないし⑮は、課税時期である本件相続の開始日現在において、相続財産として存在していたものと推認することができる。
2 争点(2)(未分割財産の評価額)について
(1) はじめに
相続税法22条は、相続により取得した財産の価額は当該財産の取得の時における時価によるものと規定し、ここでいう時価とは財産取得時における当該財産の客観的交換価値をいうものと解されるところ、財産の客観的交換価値は必ずしも一義的に明確に確定されるものではないことから、課税実務上は、原則として、評価通達の定めによって評価した価額をもって時価とすることとされている。これは、財産の客観的交換価値を個別に評価する方法をとると、その評価方法、基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生じることを避け難く、また、課税庁の事務負担が重くなり、回帰的、かつ、大量に発生する課税事務の迅速な処理が困難となるおそれがあること等から、あらかじめ定められた評価方法により画一的に評価する方が、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみて合理的であるという理由に基づくものであるから、評価通達に定められた評価方法が合理的なものである限り、これは時価の評価方法として妥当性を有し、その方法によって算定された評価額は、特段の事情のない限り、相当な評価額として課税処分の基礎となし得るものと解される。
(2) 本件国債⑫ないし⑮について
評価通達197-3項には「割引発行の公社債の評価」として次のとおりの規定があり(乙7)、これは割引発行の公社債の評価方法として合理的なものと認められる。
「割引発行の公社債の価額は、発行価額と券面額と発行価額との差額に相当する金額に発行日から償還期限までの日数に対する発行日から課税時期までの日数の割合を乗じて計算した金額(以下「既経過償還差益の額」という。)との合計額によって評価する。ただし、その合計額が、次に掲げる公社債について、それぞれ次に掲げる金額を超える場合には、次に掲げる金額によって評価する。
(1) 証券取引所に上場されている割引発行の公社債
その公社債が上場されている証券取引所の公表する課税時期の最終価格に相当する金額
(2) 日本証券業協会において店頭気配銘柄として選定された割引発行の公社債その公社債の課税時期における気配の金額に相当する金額
(3) (1)又は(2)に掲げる割引発行の公社債以外の割引発行の公社債で、(1)又は(2)に掲げる割引発行の公社債と種類及び償還期限のいずれもが同一である割引発行の公社債
その割引発行の公社債と種類及び償還期限のいずれもが同一である(1)又は(2)に掲げる割引発行の公社債の課税時期の最終価格又は課税時期における気配の金額に相当する金額」そして、証拠(乙8)により認められる発行価額、発行日及び償還期限を基に、上記の評価方法によって本件国債⑫ないし⑮の評価額を求めると、別表5⑫ないし⑮の各価額欄記載のとおりとなることが認められる。原告は、これらの割引国庫債券が善意取得される可能性や、共同相続人間において争いがあるという事情を斟酌すべきである旨主張するが、前記のとおり、財産の価額は客観的交換価値によるべきものであるところ、これらの事情はいずれも本件国債⑫ないし⑮の客観的交換価値に影響を与えるものとはいえないから、上記の評価額を採用し得ない特段の事情とは認められない。
したがって、被告の主張する本件国債⑫ないし⑮の評価額は、いずれも相当なものということができる。
(3) 本件庭園設備について
評価通達92項には「庭園設備(庭木、庭石、あずまや、庭池等をいう。)の価額は、その庭園設備の調達価額(課税時期においてその財産をその財産の現況により取得する場合の価額をいう。以下同じ。)の100分の70に相当する価額によって評価する。」との規定があるところ(乙38)、本件庭園設備をこの規定に基づいて評価すべきことについては当事者間に争いがなく、争いがあるのは本件庭園設備の「調達価額」をどのようにみるかという点である。
証拠(甲3、乙37)によれば、亡乙は、平成8年5月1日付けの売買契約により、Aから、本件庭園設備を、代金1200万円で取得したこと、他方、Aの平成7年5月1日から平成8年4月30日までの事業年度における本件庭園設備の期末帳簿価額は、526万7685円であったこと、本件各処分に係る審査請求手続において、Aの会計事務担当者は、国税不服審判所長に対し、本件庭園設備の売買契約について、具体的な金額の算定はないが、亡乙が作った会社であり、どうしても赤字にしたくないとの意向もあって、赤字決算にならないよう売却益が発生する取引にした旨を答述したことが認められる。
原告は、上記のAの会計事務担当者の答述内容から、亡乙の取得代金1200万円は恣意的に決定されたものであり、これを「調達価額」とするのは誤りであり、売買取引直前のAの期末帳簿価額526万7685円を基準とすべきであると主張する。
しかしながら、Aの会計事務担当者の答述内容は上記のとおりの概括的なものにすぎず、その詳細は本件の証拠関係においては不明であるから、これのみを根拠として直ちに亡乙の取得代金を恣意的なものと断定することはできず、他方、Aの期末帳簿価額は、本件庭園設備の取得原価や減価償却の状況等が証拠上明らかとなっていないから、これをもって直ちに本件庭園設備の「調達価額」又は「評価額」そのものとし、あるいは「調達価額」の計算の基礎として用いることは困難であるといわざるを得ない(なお、原告主張の計算方法にも合理性は見出せない。)。
これに対し、被告の主張は、亡乙が代金1200万円で本件庭園設備を購入し、その後2年を待たずして本件相続が開始していることから、購入代金1200万円をそのまま「調達価額」とするというものであり、明らかに不合理であるとは認められない。したがって、これを基に評価通達92項を適用して算出される金額である840万円は、本件庭園設備の評価額として相当なものということができる。
3 争点(3)(未分割財産の帰属)について
証拠(乙1ないし乙3)によれば、本件未分割国債等は、C證券本店又は上野支店において、いずれも亡乙の生存中である平成3年から平成8年までの間に同人名義の顧客口座を介して取得されたものであることが認められるから、反証のない限り、これらはいずれも亡乙の遺産と推定すべきものである。
原告は、これらのうち、別表5⑮(第95回割引国庫債券、額面合計2650万円)については、当初の投資原資である昭和61年3月20日入金の国債償還金1000万円(甲15の2・C證券上野支店の亡乙名義の顧客口座元帳の当該年月日欄、甲11の29・金銭出納帳の記載)の一部約300万円は丙の所有資金から出たものであるから、その一部は丙の固有財産であると主張するが、上記の1000万円の一部が丙の所有資産から出たものであることを認めるに足りる証拠はなく、原告の主張は理由がない。
また、別表5⑮の残余部分、同表⑫ないし⑭、⑯ないし⑱、file_12.jpg及びfile_13.jpgの全部並びに同表file_14.jpgの一部については、丙が選択したことを理由に、また、同表file_15.jpgの残余部分及び同表file_16.jpgの全部については、本来丙に帰属するにもかかわらず亡乙の遺産として原告に分割されたものの代替分であることを理由に、いずれも丙に帰属すると主張するが、その主張の前提である丙名義の純金融資産について、その存在及び価額を認定できる証拠はなく、また、亡乙及び丙の収入金額についても、十分な証明がされているとはいえず、上記各有価証券の取得原因に関する理論構成も独自の見解というほかないから、これを採用することはできない。
これらに対し、別表5file_17.jpg(R9305、1770口)については、亡乙作成の金銭出納帳(甲11の14)に、「御殿場土地」の売却代金1億1635万6800円の取り分を、その持分に応じて丙4032万円、亡乙7603万6800円とする、手付金1160万円を昭和63年5月9日にE銀行の丙名義の普通預金口座に入金した後、「S8805」を丙分としてC證券上野支店で買う、後に亡乙手持ちの「S平成5年6月満期」3030万円を丙のものに変更し、これらの合計4190万円を丙分とする、158万円多いが後で清算する、との記載があり、また、E銀行の丙名義の普通預金口座(甲19)に、昭和63年4月21日に現金1160万円が入金され、同年5月9日に同額の金員が振替出金された記録があることからすると、昭和63年5月9日入金の現金1160万円(上記C證券上野支店の亡乙名義の顧客口座元帳の当該年月日欄)は、丙の所有資金から出たものと認められる。そして、上記顧客口座元帳(これに記載された記号の意味内容については甲14)によれば、上記昭和63年5月9日入金の現金1160万円を原資として、同日「投信8805」(1160口)を買い受けた後、これを平成5年5月17日に売却し、その代金875万4520円のうちの875万円で同日「T」を買い付け、さらにこれを同月24日に解約し、その代金875万4029円に上記「投信8805」の売却代金の残金4520円と同日入金の現金296円とを加えた合計875万8845円をもって、同日別表5file_18.jpgの投資信託受益証券を買い受けたことが認められる。そうすると、別表5file_19.jpgの買受代金のうち、平成5年5月24日入金の現金296円の出所は明らかでないものの、その余のほとんどは昭和63年5月9日に丙が出捐した現金1160万円に由来するものであることが認められるから、別表5file_20.jpgは、丙の固有財産と認められる。
以上によれば、本件未分割国債等のうち、別表5file_21.jpgを除くその余の割引国庫債券及び投資信託受益証券は、いずれも亡乙の遺産と認められるが、別表5file_22.jpgの投資信託受益証券は、亡乙の遺産とは認められない。
4 争点(4)(未分割財産がある場合の課税価格の計算方法)について
遺産の一部の分割がされ、残余が未分割である場合においては、遺産の一部の分割によって、遺産全体に対する各共同相続人の相続分の割合が変更されたものと解すべき理由はないから、各共同相続人は、未分割財産の分割に際しては、他の相続人に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分について、その権利を主張することができるものと解するのが相当である。そして、相続税法55条1項本文は、遺産の一部の分割がされ、残余が未分割である場合の課税価格の計算が、上記のような実体上の権利関係に従って行われるように規定されたものと解されるから、被告の主張するいわゆる「穴埋め説」による解釈が相当である。
このように解しても、本件において、原告が、丙に対し、遺産全体に対する自己の相続分に応じた価格相当分から既に分割を受けた遺産の価格を控除した価格相当分について、その権利を主張することができるという実体上の権利関係に何ら影響を及ぼすものではないし、後に未分割の財産が分割され、原告が当該分割により取得した財産に係る課税価格が上記の「穴埋め説」により計算された課税価格と異なることとなった場合には、原告は更正の請求(相続税法32条)等の手段をとることができるのであるから(相続税法55条1項ただし書)、原告に特段の不利益が生じるものではない。したがって、本件においては「積上げ説」が採用されなければならないとする原告の主張は、理由がない。
5 争点(5)(過少申告加算税に係る「正当な理由」)について
国税通則法65条1項の過少申告加算税は、申告納税方式による国税において、納税者の申告が納税義務を確定させるために重要な意義を有するものであることにかんがみ、申告納税義務を怠り納付すべき税額を過少に申告した者に対して、制裁として経済的負担を課することにより、適正な期限内申告の実現を図ろうとするものと解される。
そして、同条4項は、申告に係る納付すべき税額が過少であった場合でも、それについて正当な理由があると認められる場合には、過少申告加算税を課さないものとしているが、上記のような過少申告加算税の趣旨に照らすと、同項の正当な理由があるといえるためには、申告に係る納付すべき税額が過少となったことについて納税者の責めに帰することができない客観的な事情があることを要するものと解するのが相当である。
これを本件についてみると、原告は、未分割相続財産の大部分が丙によって隠匿管理されていたことから、その未申告について原告の責任を問うことは著しく酷であると主張するのであるが、共同相続人は、本来、共同して遺産の内容を調査把握し、適正な申告をすべき義務を負っているものと解されるところ、本件における未分割相続財産の明細は、別表6、同7、同11に記載されたとおりであって、そのほとんどは、亡乙の取引金融機関等に対して調査を行えば、その存在を把握することが十分に可能であったと考えられるから、原告において、調査義務を尽くしたにもかかわらず、これらの存在を把握することができなかったことを認めるに足りる事情を見出すことはできない以上、原告の主張をそのまま採用することは困難であるというほかはない(原告は、仮にこれらの財産の存在を認識することができたとしても、財産の隠匿を画策していた丙が、その遺産該当性を否定し、抗争することが十分に考えられたのであるから、結局、それらを遺産として認識することは困難であったと主張するかもしれない。しかしながら、原告には、遺産の内容の調査不十分という基本的義務の違反がある以上、その点において、もはや正当な理由を肯定することは困難であるのみならず、丙の側が、原告が遺産該当性の主張を断念せざるを得ないと考えるのがもっともであるといえるような、客観的かつ明確な根拠に基づいて遺産該当性を否定していたと認められるような事情も存在しない以上、原告の主張を上記のように理解するとしても、やはり、その主張を採用することはできないものといわざるを得ない。)。そして、過少申告加算税が経済的制裁を課することによって適正な期限内申告の実現を図ろうとする趣旨の中には、当初から適法に申告、納税した者とこれを怠った者との間に生ずる不公平を是正するという意味合いも含まれているものと解されることをも考慮すると、原告が主張するような事情は、過少申告の責めを納税者に帰することができない客観的な事情には当たらないというべきである。
また、証拠(甲1)によれば、本件更正処分によって納付すべき税額が増額となった理由の中には、土地が過少評価となっていたことなど丙による未分割遺産の隠匿管理とは無関係のものや、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産の価額で相続税の課税価格に加算すべきもの(別表2⑦原告欄)の当該加算がされていなかったことなど原告の責めに帰すべきことが明らかなものが含まれていたことが認められるところであり、これらについて原告に正当な理由があるものということができないことは明らかである。
もっとも、丙の課税価格に加算される贈与財産(別表2⑦の合計欄と原告欄との差額)については、原告が丙と共同して調査把握すべき義務を負っていたものとは解されないから、これが加算されていなかったことは、専ら丙の責めに帰すべき事情であり、原告の責めに帰することができない客観的な事情に当たるというべきである。
したがって、原告には、この点に限り、国税通則法65条4項の正当な理由があるということができる。
6 本件各処分の適法性について
以上によれば、本件相続に係る原告の相続税の課税価格及び納付すべき相続税額は、別表8記載のとおり(課税価格11億7305万9000円、納付すべき税額6億0205万1800円)となり、本件更正処分の課税価格及び納付すべき税額は、上記金額の範囲内であるから、本件更正処分は適法である。
そして、本件更正処分の結果、これに先立ち原告の更正の請求に基づいて行われた減額更正処分に係る納付すべき税額が過少となったことから、被告は、本件更正処分によって原告が新たに納付すべきこととなった税額から、国税通則法65条4項の正当な理由があると認められる事実(丙の課税価格に加算される贈与財産の加算がされていなかったこと)に基づく税額を差し引いた金額を基礎として、これに同条1項の規定を適用して算出した金額の過少申告加算税を賦課することとしたものであるから、本件賦課決定処分も適法である。
第4結論
以上の次第で、原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 鶴岡稔彦 裁判官 古田孝夫 裁判官 潮海二郎)
別表1 課税処分等の経緯
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別表2 課税価格及び納付税額の計算明細表
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別表3 税額算出表
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別表4 課税価格の計算の基礎となる具体的相続分の価額
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別表5 有価証券の明細
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別表6 現金,預貯金等の明細
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別表7 その他の財産の明細
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別表8 課税価格及び納付税額の計算明細表
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別表9 税額算出表
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別表10 課税価格の計算の基礎となる具体的相続分の価額
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別表11 有価証券の明細
file_33.jpgod = G 40 ° | 210 @ @ 365 1,929,475 oli 22,000 ° ol 5,000 505,000 [505,000 ° @ v1i2[ 4,483,944 [ 4,489, 944 @ | ar 0 165, 060, of 165,080 ot 138 24,564 24,564 ° ® | Rs cemsIEMoe #4204077 | _ 29,400, 00 | 2,400, 000 @ [Rs cmmsIEMORe #4952507 | 52,600, 00 | 32,500, 000 @ [es cma ‘seimi21607%[ 21, 600,000 | 21,600, 000 @ [Re smmaimmie 21265075 | 24,729, 800 o| 24,729, 300 @ | Re samsEMO 166077 o| 1,658, 780 @ | so samsemoe #2045207 | 40,240, 800 | 40,240, 800 @ [io emsieme #4190007 | 83,895, 00 | 85,835, 000 @ | 0 4 masIaME wa 55075 | 5,069,900 | 5, 069, 900 0 @ [81 0 SmaI FaMC i 15075 1,391, 650 o @ | 0 omimsiramcie seimis7e07s [44,550,160 44,559, 160 ° @ [m1 o Timms wemn00657 | 7,412, 910[ 87,412,910 ° @ [1 1 OmTmaIFEMCE wan 40075 [ 3,750,000 | 3, 750, 000 @ @ | Reisen (Cae) 40,902,543 | 40, 922, 543. ° alu won! siog