東京地方裁判所 平成16年(モ)53839号 決定 2004年8月04日
主文
債権者と債務者らとの間の当庁平成16年(ヨ)第2658号情報提供又は協議禁止仮処分命令申立事件について、当裁判所が同年7月27日に発した仮処分決定を認可する。
理由
1 被保全権利について
債権者と債務者らとの間で締結された平成16年5月21日付基本合意書(本件基本合意書)中の独占交渉義務を定めた条項(本件条項)は、独占交渉義務の趣旨、本件条項の文言、締結の経緯等に照らして、法的拘束力を有するものと認められる。
また、本件条項は、当事者に不作為義務を課する内容の契約であり、債権者は、これに基づき、債務者らの違反行為の差止めを裁判上求めることができる。
そして、本件条項が、その締結後の事情により失効したものとは認められない。
2 保全の必要性について
債務者らの本件条項に違反する行為によって債権者の受ける可能性のある損害ないし危険は極めて大きいと認められ、債務者らが本件仮処分によって被る可能性のある不利益を考慮しても、本件仮処分を発令する必要性(保全の必要性)を肯定することができる。
3 したがって、債権者の本件仮処分命令の申立ては理由があり、これを認容した原決定は相当である。
(裁判長裁判官 大橋寛明 裁判官 川淵健司 目黒大輔)