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東京地方裁判所 平成16年(ワ)8391号 判決 2004年8月25日

原告

セイコー株式会社

同訴訟代理人弁護士

堤淳一

石田茂

石黒保雄

新有道

被告

株式会社セイコープランニング

主文

1  被告は,「株式会社セイコープランニング」との商号を使用してはならない。

2  被告は,雑誌などの広告媒体において,「セイコーローン」,「セイコープランニング」,「SEIKOプランニング」,「SEIKO PLANNING」その他「セイコー」又は「SEIKO」を含む標章を使用してはならない。

3  被告は,東京法務局新宿出張所平成14年11月29日受付でされた被告の組織変更による設立登記中,商号「株式会社セイコープランニング」の抹消登記手続をせよ。

4  訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第1請求

主文同旨

第2請求原因

1  原告の商品等表示

(1)  原告は,大正6年10月29日,「株式会社服部時計店」との商号で設立され,昭和58年8月1日「株式会社服部セイコー」に,平成9年7月1日「セイコー株式会社」にそれぞれ商号を変更した(以下,「セイコー株式会社」を「原告商号」という。)。

(2)  原告は,次の商標権を有している(以下,2つを併せて「本件商標」という。)。

ア 登録番号  第175840号

登録年月日  大正14年12月2日

商品の区分  第21類(大正10年法分類)

指定商品  時計並其各部及附属品

登録商標  別紙原告商標目録1のとおり

イ 登録番号  第1997404号

登録年月日  昭和62年11月20日

商品の区分  第23類(昭和34年法分類)

指定商品  時計,眼鏡,これらの部品および附属品

登録商標  別紙原告商標目録2のとおり

2  原告の商品等表示の周知性,著名性

(1)  原告の連結売上高は,次のとおりであった。

平成12年3月期 2762億4900万円,

平成13年3月期 2607億0700万円,

平成14年3月期 2311億8500万円

(2)  また,原告は,オリンピック,世界陸上選手権大会,世界水泳選手権大会等に協賛して公式計時を担当するなどした。

(3)  その結果,原告商号及び本件商標は,日本全国において,原告の営業又は商品を表示するものとして著名であり,少なくとも需要者の間に広く認識されている。

3  被告の類似表示の使用及び混同のおそれ

(1)  被告は,金融業等を目的とする株式会社であり,東京法務局新宿出張所平成14年11月29日受付をもって,有限会社ローンズ五輪からの組織変更により設立登記された。

(2)  被告は,その営む金融業の営業表示として,登記された商号である「株式会社セイコープランニング」を使用し,雑誌広告やインターネットのウェブサイトにおいて,「セイコーローン」,「(株)SEIKOプランニング」,「SEIKOプランニング」又は「SEIKO PLANNING」を使用している(以下,これらを「被告使用表示」という。)。

(3)  これらの使用状況によれば,被告は,被告使用表示以外にも,「セイコー」又は「SEIKO」を含む標章を使用するおそれがある。

(4)  被告使用表示並びに「セイコー」又は「SEIKO」を含む標章は,原告の商品等表示である原告商号及び本件商標と類似している。

(5)  そのため,被告と取引する者は,被告が原告の子会社又は一部門であると誤認するおそれがある。

4  営業上の利益の侵害

被告使用表示等の使用により,原告は,営業上の利益が侵害され,又は侵害されるおそれがある。

5  まとめ

よって,原告は,不正競争防止法2条1項1号又は2号,3条1項及び2項に基づき,請求欄記載の侵害の停止及び予防並びに必要な措置を求める。

第3被告の応答

被告は,公示送達による呼出しを受けたが,本件口頭弁論期日に出頭しない。

第4当裁判所の判断

1(1)  証拠(甲1の1,3及び4,2の1及び2,6)並びに弁論の全趣旨によれば,請求原因1(原告の商品等表示)が認められる。

(2)  証拠(甲6)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因2(1)及び(2)(原告の売上高,世界選手権等協賛)が認められる。

これらの事実によれば,原告商号及び本件商標は,日本全国において,原告の営業又は商品を表示するものとして,少なくとも需要者の間に広く認識されているものと認められる。

2  証拠(甲3~5)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因3(被告の類似表示の使用及び混同のおそれ)が認められる。

3  弁論の全趣旨によれば,請求原因4(営業上の利益の侵害)が認められる。

4  以上によれば,不正競争防止法2条1項1号,3条1項及び2項に基づき,主文第1ないし第3項と同旨の侵害の停止及び予防並びに必要な措置を求める原告の請求は,いずれも理由がある。

よって,原告の請求をすべて認容することとし,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 市川正巳 裁判官 賴晋一 裁判官 高嶋卓)

別紙 原告商標目録(省略)

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