東京地方裁判所 平成19年(ワ)19106号 判決 2008年2月27日
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 <以下略>
原告
ガボラトリー インク
同訴訟代理人弁護士
中川康生
同
入野田泰彦
アメリカ合衆国 ネバダ州 <以下略>
被告
ガボール インコーポレーテッド ユーエスエー
主文
1 被告は,文書又は口頭で,原告が輸入又は販売するシルバーアクセサリー製品が,別紙訴状(全文訂正)写添付別紙商標目録(1)ないし(13)の商標権を侵害し又は侵害するおそれがある旨を告知し又は流布してはならない。
2 被告は,原告に対し,300万円及びこれに対する平成20年(2008年)1月15日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,これを2分し,その1を被告の,その余を原告の各負担とする。
5 原告及び被告のために,この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。
事実及び理由
第1請求
1 被告は,文書又は口頭で,原告が輸入,販売又は使用するシルバーアクセサリー製品が,別紙訴状(全文訂正)写添付別紙商標目録(1)ないし(13)の商標権を侵害し又は侵害するおそれがある旨を告知し又は流布してはならない。
2 被告は,別紙訴状(全文訂正)写添付別紙謝罪広告目録記載の広告文を同目録記載の条件で掲載せよ。
3 被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成20年(2008年)1月15日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
第2請求原因
別紙訴状(全文訂正)写記載のとおり
第3当裁判所の判断
1 擬制自白
被告は,適式の呼出しを受けたが(民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約8条1項,日本国とアメリカ合衆国との間の領事条約17条(1)(e)(ⅰ)),本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面も提出しないから,請求原因事実を争うことを明らかにしないものと認め,これを自白したものとみなす(民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約15条1項,民事訴訟法159条3項本文,1項)。
2 判断
上記請求原因事実により,次のとおり判断する。
(1) 原告の差止請求(不正競争防止法2条1項14号,3条1項)は,「使用する」とある点を除いて理由があるから主文第1項の限度で認容し,その余は棄却する。
(2) 原告の損害賠償請求(不正競争防止法2条1項14号,4条)は,損害賠償金300万円及びこれに対する不法競争行為後である平成20年(2008年)1月15日から支払済みまで民法所定の年5%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,主文第2項のとおり一部認容し,その余は理由がないから棄却する。
(3) 原告の信用回復措置請求(不正競争防止法2条1項14号,14条)は,認容された損害賠償の額や認定された事実に照らして,その必要性を認めるに至らないから,これを全部棄却する。
3 結論
よって,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条,64条本文を適用し,仮執行宣言は相当でないからこれを付さないこととし,付加期間の定めについて同法96条2項を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 市川正巳 裁判官 中村恭 裁判官 宮崎雅子)