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東京地方裁判所 平成19年(行ウ)444号 判決 2007年9月27日

補助参加申出人

全統一労働組合

異議申立人(基本事件原告)

社団法人東京自動車整備振興会

基本事件被告

処分をした行政庁

中央労働委員会

主文

1  基本事件について,補助参加申出人が被告を補助するために訴訟に参加することを許可する。

2  補助参加の申出に対する異議の申立てによって生じた費用は,異議申立人の負担とする。

理由

1  事案の概要

(1)  補助参加申出人は,平成14年5月15日,東京都労働委員会に対し,原告を被申立人として不当労働行為救済申立てを行ったところ,同委員会は,平成18年3月22日,原告に不当労働行為があったと認めて救済命令を発した。原告は,これを不服として,同月31日,中央労働委員会に対し再審査の申立てをしたが,同委員会は,平成19年5月23日,原告の再審査の申立てを棄却した(本件命令)。原告は,本件命令を不服として,同年7月10日,その取消を求める訴訟を提起した(基本事件)。

(2)  基本事件について,補助参加申出人は,被告を補助するため,民事訴訟法42条に基づき補助参加の申出をしたが,原告がこれについて異議を述べた。補助参加申出及び異議申立ての理由は,別紙1(省略)及び2(省略)各記載のとおりである。

2  当裁判所の判断

(1)  民事訴訟法42条所定の補助参加が認められるのは,訴訟の結果について法律上の利害関係を有する場合,すなわち当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合である。

本件についてみると,基本事件において,仮に本件命令を取り消す旨の判決が確定した場合,補助参加申出人の申立てにより発せられた救済命令が,当該判決の拘束力(行政事件訴訟法33条)によって取り消される可能性があるから,補助参加申出入が基本事件の結果について法律上の利害関係を有することは明らかである。原告は,この判断に反する主張を展開するが,いずれも全く失当なものであり,上記判断を左右する余地のない主張である。

(2)  なお,一件記録によれば,補助参加申出人は法人登記をしていることが認められ,労働委員会から労働組合法の規定に適合する旨の証明を受けたことは明らかであり(労働組合法11条1項),同法に適合する労働組合に該当するものである。

(3)  原告のその余の主張は,いずれも補助参加の許否の判断に何ら影響を与えるものではない。

(4)  以上によれば,本件補助参加の申出には理由があるから,これを許可する。

東京地方裁判所 民事第36部

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