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東京地方裁判所 平成3年(特わ)1473号〔2〕 判決 1992年3月12日

本店所在地

東京都新宿区北新宿一丁目二三番一九号

日本建物株式会社

(代表者代表取締役 椎名徹)

本籍

東京都新宿区北新宿一丁目三八三番地

住居

同都同区北新宿一丁目二三番一九号

会社役員

椎名徹

昭和一六年七月一日生

右の者らに対する、法人税法違反被告事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

検察官 立澤正人 出席

主文

被告人日本建物株式会社を罰金八〇〇〇万円に、被告人椎名徹を懲役一年一〇月にそれぞれ処する。

被告人椎名徹に対しこの裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告会社日本建物株式会社は、東京都新宿区北新宿一丁目二三番一九号に本店を置き、土木・建築等の施工及び営繕などを目的とする資本金五〇〇〇万円(平成二年二月二七日以前の資本金は二〇〇〇万円、昭和六一年六月三日以前の資本金は一〇〇〇万円)の株式会社であり、被告人椎名徹は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人椎名は、分離前の相被告人丸山維彦と共謀の上、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、被告会社において購入した不動産の仕入価格を水増計上するとともに、架空の支払い手数料を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、昭和六一年四月一日から同六二年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七億二三万三三四三円(別紙1の修正損益計算書参照)、課税土地譲渡利益金額が一一億八三四二万四〇〇〇円であったのにかかわらず、同年五月二八日、同都同区北新宿一丁目一九番三号所轄淀橋税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が九九九四万八六九四円で、課税土地譲渡利益金額が五億五一四〇万一〇〇〇円であり、これに対する法人税額が一億五一八三万一一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成三年押第九六八号の1)を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額五億三七六一万二三〇〇円と右申告税額との差額三億八五七八万一二〇〇円(別紙2の脱税額計算書参照)を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人椎名の当公判廷における供述

一  被告人椎名の検察官に対する各供述調書(平成三年七月一九日付《二枚綴りのもの》を除く六通)

一  丸山維彦の検察官に対する各供述調書(平成三年七月五日付、同月七日付《二通》、同月八日付《二通》、同月九日付《二通》、同一〇日付《二通》、同月一一日付《本文五枚綴りのものを除く三通》、同月一二日付《本文二枚綴りのものを除く二通》、同月一三日付、同月一四日付)

一  大久保正子(二通)、静間順二、前原宇市、重七海男、山本修三、大谷幸徳、新井徳二、小松達郎(四通)、小田嶋克己、藤原一男、近藤正信、田中守こと金海守、武藤武夫、鈴木君代の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の当期建設原価(材料費)調査書、当期建設原価(支払手数料)調査書、当期建設原価(雑費)調査書、給料調査書、福利厚生費調査費、交際接待費調査書、販売手数料調査書、寄附金調査書、受取利息調査書、交際費超過調査書、みなし犯則損調査書

一  検察事務官作成の当期建設原価(支払手数料)の金額について、当期建設原価(雑費)の金額について、課税土地譲渡利益金額について、控除所得税額の金額についてとそれぞれ表題にある各捜査報告書

一  検察事務官作成の捜査報告書(平成三年一〇月一一日付)

一  大蔵事務官作成の領置てん末書(昭和六三年五月一一日付)

一  登記官作成の登記簿謄本及び閉鎖登記簿謄本(二通)

一  押収してある法人税確定申告書(六二/三期)一袋(平成三年押第九六八号の1)

(適用法令)

罰条 被告会社関係

法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

被告人椎名関係

法人税法一五九条一項、刑法六〇条(懲役刑選択)

執行猶予 被告人椎名関係 刑法二五条一項

(求刑 被告会社・罰金一億二〇〇〇万円、被告人椎名・懲役二年)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 松浦繁)

別紙1

修正損益計算書

<省略>

別紙2

脱税額計算書

<省略>

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