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東京地方裁判所 平成3年(特わ)2018号 判決 1992年3月06日

本店所在地

東京都世田谷区八幡山三丁目一一番一四号

太陽興業有限会社

(右代表者代表取締役 飯村和夫)

本籍

茨城県つくば市大字上菅間四六四番地の一

住居

東京都世田谷区上北沢四丁目三三番一号 太陽マンション四階

会社役員

飯村和夫

昭和二二年五月二七日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官立澤正人出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人太陽興業有限会社を罰金二〇〇〇万円に、被告人飯村和夫を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人飯村和夫に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人太陽興業有限会社(以下、被告会社という)は、東京都世田谷区八幡山三丁目一一番一四号(平成元年一〇月一六日以前は、同区上北沢四丁目三三番一号)に本店を置き、土木建築工事の請負、施工等を目的とする資本金五〇〇万円の有限会社であり、被告人飯村和夫(以下、被告人という)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括している者であるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、雑収入の一部を除外し、労務費を水増計上して、これら簿外資金を仮名普通預金口座に蓄積するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和六二年六月一日から同六三年五月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七四四九万九三八六円であった(別紙1修正貸借対照表参照)のにかかわらず、同六三年七月三〇日、東京都世田谷区松原六丁目一三番一〇号所轄北沢税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三三二二万三一一〇円で、これに対する法人税額が一二九一万二二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成三年押第一三一二号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額三〇二四万八一〇〇円と右申告税額との差額一七三三万五九〇〇円(別紙4<1>脱税額計算書参照)を免れ

第二  昭和六三年六月一日から平成元年五月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一九四七万六四九九円であった(別紙2修正貸借対照表参照)のにかかわらず、同元年七月三一日、前記北沢税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五一一二万四〇七六円で、これに対する法人税額が二〇四四万五〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額四九一五万二九〇〇円と右申告税額との差額二八七〇万七九〇〇円(別紙4<2>脱税額計算書参照)を免れ

第三  平成元年六月一日から同二年五月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一三〇九万五三七一円であった(別紙3修正貸借対照表参照)のにかかわらず、同二年七月三〇日、前記北沢税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二七一五万四九七一円で、これに対する法人税額が九三七万六八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額四三七四万八七〇〇円と右申告税額との差額三四三七万一九〇〇円(別紙4<3>脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書(三通)

一  飯村坦子の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の現金調査書、預金調査書、短期貸付金調査書、過払源泉税調査書、代表者勘定調査書、預り金調査書、未納事業税調査書、役員賞与損金算入額調査書

一  収税官吏作成の領置てん末書

一  登記官作成の被告会社の商業登記簿謄本

判示第二及び第三の事実について

一  収税官吏作成の未払消費税調査書、損金の額に算入した住民税利子割調査書

判示第一の事実について

一  収税官吏作成の未払費用調査書

一  押収してある被告会社の昭和六三年五月期の法人税確定申告書一袋(平成三年押第一三一二号の1)

判示第二の事実について

一  押収してある被告会社の平成元年五月期の法人税確定申告書一袋(前同押号の2)

判示第三の事実について

一  収税官吏作成の建物調査書、建物付属設備調査書、器具備品調査書

一  検察事務官作成の平成三年九月二五日付(「代表者勘定」金額の異動について)、同四年二月一三日付(器具備品の内訳明細について)各捜査報告書

一  押収してある被告会社の平成二年五月期の法人税確定申告書一袋(前同押号の3)

(法令の適用)

一  罰条 被告会社

判示各所為について、法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(情状による)

被告人

判示各所為について、法人税法一五九条一項

二  刑種の選択 被告人

判示各罪について、懲役刑選択

三  併合罪の加重 被告会社

刑法四五条前段、四八条二項

被告人

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)

四  刑の執行猶予 被告人

刑法二五条一項

よって、主文のとおり、判決する

(裁判官 西田眞基)

別紙1

修正貸借対照表

<省略>

別紙2

修正貸借対照表

<省略>

別紙3

修正貸借対照表

<省略>

別紙4

脱税額計算書

<1> 自 昭和62年6月1日

至 昭和63年5月31日

<省略>

<2> 自 昭和63年6月1日

至 平成元年5月31日

<省略>

脱税額計算書

<3> 自 平成元年6月1日

至 平成2年5月31日

<省略>

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