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東京地方裁判所 平成4年(ワ)11071号 判決 1992年9月16日

主文

一  被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の建物(ただし、持分四分の一)につき、別紙登記目録記載の根抵当権設定登記及び付記登記の抹消登記手続をせよ。

二  訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

一  原告は、主文と同旨の判決を求め、請求原因として次のとおり述べた。

1  原告は、平成三年三月一三日、別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)のうち堤亘正持分四分の一及び堤久和持分四分の一につき、譲渡担保権(被担保債権は、平成三年五月三一日付金銭消費貸借契約に基づくショウワプラ株式会社に対する貸金一八○○万円である。)を取得し、同年三月二七日、持分全部移転登記を経由した。

2  株式会社東京プロダクツ(以下「訴外会社」という。)は、本件建物のうち堤亘正持分四分の一につき、昭和五八年一一月二二日、根抵当権(極度額 五〇〇万円、債権の範囲 売買取引・金銭消費貸借取引・保証取引・手形債権・小切手債権、債務者 ショウワプラ株式会社)の設定を受け、別紙登記目録1記載の根抵当権設定登記を経由した。

3  訴外会社は、右根抵当権に基づき、本件建物(原告持分四分の一)につき東京地方裁判所に不動産競売の申立てをした。同裁判所は、右申立てに基づき、平成三年一二月九日、競売開始決定をし、同月一六日、差押登記がされた。

4  被告は、平成四年五月二〇日、訴外会社から右根抵当権及び被担保債権を譲り受け、別紙登記目録2記載の付記登記を経由した。

5  原告は、平成三年一〇月二一日、訴外会社及び本件建物に根抵当権を有する朝日信用金庫に対し、代金を堤亘正、堤久和がそれぞれ有していた持分四分の一につき各九〇〇万円と定め、一か月内に増価競売を請求しないときは右代金を債権の順位に従って弁済又は供託する旨のほか、権利取得の原因等法定の要件を記載した書面により、根抵当権を滌除する旨通知した。右通知は、そのころ訴外会社及び朝日信用金庫に到達した。

6  訴外会社は、右通知の到達後一か月内に増価競売の申立てをしなかった。

7  原告は、平成三年一一月二七日、東京法務局に対し、前記代金合計一八○○万円を債権の順位に従って供託した。

8  よって、原告は、被告に対し、本件建物(持分四分の一)につき、別紙登記目録記載の根抵当権設定登記及び付記登記の抹消登記手続をすることを求める。

二  被告は、適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しない。したがって、被告において請求原因事実を明らかに争わないものとして、これを自白したものとみなす。

三  右の事実によれば、原告の請求は理由がある。よって、これを認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(別紙)

物件目録

所在    東京都墨田区千歳二丁目一二番地八

家屋番号  一二番八の一

種類    共同住宅車庫事務所作業所

構造    木造及び軽量鉄骨造亜鉛メツキ鋼板葦三階建

床面積   一階 一五八・二五平方メートル

二階 一四二・一四平方メートル

三階 二〇・六五平方メートル

(別紙)

登記目録

1 堤亘正持分に対する根抵当権設定登記

東京法務局墨田出張所昭和五八年一一月二四日受付第五四二四四号

昭和五八年一一月二二日設定

極度額    金五〇〇万円

債権の範囲  売買取引、金銭消費貸借取引、保証取引、手形債権、小切手債権

債務者    墨田区千歳二丁目一番八号 シヨウワプラ株式会社

2 右根抵当権移転の付記登記

東京法務局墨田出張所平成四年五月二一日受付第一九〇四八号

平成四年五月二〇日債権譲渡

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