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東京地方裁判所 平成6年(特わ)1729号 判決 1995年1月13日

本店所在地

東京都中野区沼袋四丁目三一番一五号

株式会社青山工務店

(右代表者代表取締役 青山芳樹)

本籍

岩手県釜石市浜町一丁目二番地

住居

東京都練馬区豊玉南二丁目九番一六-一〇一号

会社役員

青山芳樹

昭和一六年三月二八日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官金澤勝幸、主任弁護人山田有宏各出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社青山工務店を罰金二〇〇〇万円に、被告人青山芳樹を懲役一年に処する。

被告人青山芳樹に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社青山工務店(以下、「被告会社」という)は、東京都中野区沼袋四丁目三一番一五号(平成三年八月三日以前は同区江古田四丁目四三番二五号)に本店をおき、建築工事の設計施工等を目的とする資本金一〇〇〇万円の株式会社であり、被告人青山芳樹(以下「被告人」という)は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、材料仕入高や外注費を水増し計上するなどの方法により所得を秘匿した上、

第一  平成元年四月一日から平成二年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億七〇一五万七九九三円(別紙1修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同二年五月三一日、東京都中野区中野四丁目九番一五号所轄中野税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八〇一〇万九二〇一円で、これに対する法人税額が三一一一万二二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成六年押第一五〇八号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額六七一三万一四〇〇円と右申告税額との差額における正規の法人税額六七一三万一四〇〇円と右申告税額との差額三六〇一万九二〇〇円(別紙4ほ脱税額計算書参照)を免れ、

第二  平成二年四月一日から平成三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億五〇九五万二五八六円(別紙2修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同三年五月三一日、前記中野税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億五〇四六万八二三五円で、これに対する法人税額が五五五七万四四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額九三二五万五九〇〇円と右申告税額との差額三七六八万一五〇〇円(別紙5ほ脱税額計算書参照)を免れ、

第三  平成三年四月一日から平成四年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億二〇六二万九五七九円(別紙3修正損益計算書参照)であったにもかかわらず、同四年五月二九日、前記中野税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六五七〇万〇五〇九円であり、これに対する法人税額が二三二一万〇五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額四三八〇万八八〇〇円と右申告税額との差額二〇五九万八三〇〇円(別紙6ほ脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書(四通)

一  青山晃枝、千葉文義、大須賀洋子、中村貞夫(本文二〇丁綴りのもの)及び高橋雄三の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の材料仕入高調査書、外注費調査書及び事業税認定損調査書

一  検察事務官作成の捜査報告書

一  登記官作成の登記簿謄本及び閉鎖登記簿謄本

判示第一及び第三の各事実について

一  大蔵事務官作成のその他所得より調査書

判示第二及び第三の各事実について

一  大蔵事務官作成の割引債券償還益調査書

判示第一の事実について

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成六年押第一五〇八号の1)

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の寄付金損金不算入額調査書

一  押収してある法人税確定申告書一袋(同号の2)

判示第三の事実について

一  中村貞夫の検察官に対する供述調書(本文五丁綴りのもの)

一  大蔵事務官作成の期末仕掛品たな卸調査書及び貸付金利息調査書

一  押収してある法人税確定申告書一袋(同号の3)

(法令の適用)

被告会社の判示各事実は、いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項(判示第一及び第二の各事実についての罰金刑の寡額については刑法六条、一〇条、平成三年法律第三一号による改正前の罰金等臨時措置法二条一項による)に該当するところ、情状によりそれぞれ法人税法一五九条二項を適用し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪について定めた罰金の合計額の範囲内で被告会社を罰金二〇〇〇万円に処し、被告人の判示各所為は、いずれも法人税法一五九条一項(判示第一及び第二の各所為についての罰金刑の寡額は前に同じ)に該当するところ、いずれも所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役一年に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

(求刑 被告会社・罰金二五〇〇万円、被告人・懲役一年)

(裁判官 堀内満)

別紙1 修正損益計算書

別紙2 修正損益計算書

別紙3 修正損益計算書

別紙4 ほ脱税額計算書

別紙5 ほ脱税額計算書

別紙6 ほ脱税額計算書

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