東京地方裁判所 平成6年(特わ)341号 判決
主文
被告人小川石材工業株式会社を罰金五〇〇〇万円に、
被告人小川清次を懲役一年六か月に処する。
被告人小川清次に対し、この裁判が確定した日から三年間、右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人小川石材工業株式会社(以下「被告会社」という)は、東京都豊島区長崎六丁目二七番四号に本店を置き、一般石材工事の請負等を目的とする資本金三〇〇〇万円の株式会社であり、被告人小川清次(以下「被告人」という)は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空原材料仕入高を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、
第一 昭和六三年八月一日から平成元年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億〇八五四万一六一〇円(別紙1-1修正損益計算書及び別紙1-2修正製造原価報告書参照)であったにもかかわらず、平成元年九月二五日、東京都豊島区西池袋三丁目三三番二二号所轄豊島税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億〇三九五万三一〇七円で、これに対する法人税額が三八九一万七七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額八二八一万三八〇〇円と右申告税額との差額四三八九万六一〇〇円(別紙4ほ脱税額計算書参照)を免れ、
第二 平成元年八月一日から平成二年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四億五六二五万九〇三六円(別紙2-1修正損益計算書及び別紙2-2修正製造原価報告書参照)であったにもかかわらず、平成二年九月二五日、前記豊島税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億五七六六万七九五八円で、これに対する法人税額が五八八四万九三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一億七八二七万二八〇〇円と右申告税額との差額一億一九四二万三五〇〇円(別紙5ほ脱税額計算書参照)を免れ、
第三 平成二年八月一日から平成三年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億八七三九万四六六五円(別紙3-1修正損益計算書及び別紙3-2修正製造原価報告書参照)であったにもかかわらず、平成三年九月二四日、前記豊島税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億四一三二万一四九五円で、これに対する法人税額が四七七一万四二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一億〇二四九万一六〇〇円と右申告税額との差額五四七七万七四〇〇円(別紙6ほ脱税額計算書参照)を免れ
たものである。
(証拠)
(注)括弧内の番号は、証拠等関係カード記載の検察官請求番号を示す。但し、押収番号は除く。
判示全部の事実について
・被告会社代表者兼被告人の公判供述
・被告会社代表者兼被告人の検察官調書八通
・小川恵美子、石川良子、松本和子及び上野光男の各検察官調書
・売上調査書、期首原材料棚卸高調査書、原材料仕入高調査書、期末原材料棚卸高調査書、外注加工費調査書、取付工事費調査書、供給手当調査書、租税公課調査書、交際接待費調査書、受取利息調査書、雑収入調査書、支払利息調査書、雑損失調査書、損金不算入利子割調査書、役員賞与損金不算入調査書、交際費等の損金不算入額調査書及び事業税認定損調査書
・検察事務官作成の報告書(甲一八、二三)
・登記簿謄本
判示第一及び第三の各事実について
・検察事務官作成の報告書(甲一二)
判示第一の事実について
・法人税確定申告書一袋(平成六年押第六五三号の1)
判示第二の事実について
・雑費調査書
・法人税確定申告書一袋(同号の2)
判示第三の事実について
・貸倒引当金繰入超過額調査書
・検察事務官作成の報告書(甲一四)
・法人税確定申告書一袋(同号の3)
(法令の適用)
被告会社の判示各事実は、いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項(判示第一及び第二の各事実についての罰金刑の寡額については、刑法六条、一〇条により、平成三年法律第三一号による改正前の罰金等臨時措置法二条一項による)に該当するところ、情状によりそれぞれ法人税法一五九条二項を適用し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪について定めた罰金の合計額の範囲内で被告会社を罰金五〇〇〇万円に処し、被告人の判示各所為は、いずれも法人税法一五九条一項(判示第一及び第二の各所為についての罰金刑の寡額については前に同じ)に該当するところ、所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役一年六か月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。
(検察官 加藤昭、弁護人 関野昭治 各出席)
(求刑 被告会社に対し罰金七〇〇〇万円 被告人に対し懲役一年六か月)
(裁判官 堀内満)
別紙1の1 修正損益計算書
<省略>
別紙2の1 修正損益計算書
<省略>
別紙3の1 修正損益計算書
<省略>
別紙4 ほ脱税額計算書
<省略>
別紙5 ほ脱税額計算書
<省略>
別紙6 ほ脱税額計算書
<省略>