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東京地方裁判所 平成8年(ワ)23131号 判決 1998年11月26日

東京都港区南麻布一丁目八番二二号

原告

株式会社武内工業所

右代表者代表取締役

武内昭一

右訴訟代理人弁護士

寒河江孝允

武藤元

東京都荒川区東日暮里二丁目四番一号

被告

サンオート株式会社

右代表者代表取締役

廣井健二郎

右訴訟代理人弁護士

長畑裕三

吉原省三

小松勉

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  被告は、別紙物件目録(イ)記載の自動車用表示灯を製造、販売してはならない。

二  被告は、原告に対し、金五〇〇万円及びこれに対する平成八年一二月一五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、原告が、自己の製造、販売するタクシー用表示灯の形態が原告の商品表示として取引者・需要者の間で周知となっていると主張し、被告の製造、販売するタクシー用表示灯が、原告の商品と同一の形態を有し、混同のおそれがあるとして、被告に対し、(1)不正競争防止法三条一項、二条一項一号に基づき、被告の商品の製造・販売の差止め、(2)<1>不正競争防止法四条、二条一項一号に基づく損害賠償、又は<2>形態模倣による不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

一  基礎となる事実

1(一)  原告は、各種タクシー用表示灯の製造、販売を業とする株式会社であるところ、昭和三八年ころから、別紙物件目録(A)記載のタクシー用表示灯(以下「原告製品」という。)を製造し、これに納入先のタクシー会社の名称やマークを付して、販売している(甲第四号証ないし第二六〇号証、第二六三号証、第二六九号証)。

(二)  原告製品は、表示灯本体部分、台座部分及び台座部底面部分から成るところ、各部の具体的構成態様は以下のとおりである(当事者間に争いがない)。

(1) 表示灯本体部分は、完全球形状である。

(2) 台座部分は、球形状の表示灯本体部分を載置固定し、上縁部は球形状本体部分の弧状と同一の弧状にて湾曲して形成され、正面及び左右各側面から観て台形状を呈する四角錐台形状の台座を構成し、各側面部(ただし、一面を除く。)にはその下部中央に台座部底面部分と結合させるためのネジ頭部が存在する。

(3) 台座部底面部分は、底面から観て正方形を呈し、その四隅部には円形の固定具、中央部には配線用の円形穴部が形成されている。

2(一)  被告は、タクシー用品の製造、販売を業とする株式会社であるところ、平成七年五月ころから、別紙物件目録(イ)記載のタクシー用表示灯(ただし、底面部には、右目録の底面図には表示されていない格子状のリブが設けられている。以下「被告製品」という。)を製造し、これに納入先のタクシー会社の名称やマークを付して、日本交通株式会社、帝都自動車交通株式会社及び大和自動車交通株式会社に販売している(当事者間に争いがない)。

(二)  被告製品は、表示灯本体部分、台座部分及び台座部底面部分から成るところ、各部の具体的構成態様は以下のとおりである(当事者間に争いがない)。

(1) 表示灯本体部分は、完全球形状である。

(2) 台座部分は、球形状の表示灯本体部分を載置固定し、上縁部は球形状本体部分の弧状と同一の弧状にて湾曲して形成され、正面及び左右各側面から観て台形状を呈する四角錐台形状の台座を構成し、各側面部にはその下部中央に台座部底面部分と結合させるためのネジ頭部が存在する。

(3) 台座部底面部分は、底面から観て正方形を呈し、その四隅部には円形の固定具、中央部には配線用の円形穴部が形成されている。

3  原告製品の形態と被告製品の形態は、製造後に表示灯本体部分に付される納入先のタクシー会社の名称やマークを除き、同一性を有している(当事者間に争いがない)。

二  争点

1  不正競争防止法二条一項一号の不正競争の成否

(一) 原告製品の形態の周知商品表示性

(二) 原告製品と被告製品との混同のおそれ

2  形態模倣による不法行為の成否

3  原告の損害額

三  争点に関する当事者の主張

1  争点1(一)(原告製品の形態の周知商品表示性)について

(一) 原告の主張

原告製品の形態のうち、観者の目をひく特徴的な部分は、<1>表示灯本体部分が球形状であること、<2>台座部分の上縁部が湾曲していること、<3>台座部分が正面、左右各側面からみて台形状を呈する四角錐台形状であることである。

原告は、昭和三八年ころから、原告製品を東京都内の大手のタクシー会社である日本交通株式会社、国際自動車株式会社、帝都自動車交通株式会社及び大和自動車交通株式会社をはじめ、全国各地のタクシー会社に販売し、また、タクシー業界新聞における広告、テレビによる紹介放映、原告のカタログや説明書への掲載によって、原告製品の形態について広告・宣伝をしてきた。

その結果、遅くとも昭和五〇年ころには、原告製品の前記<1>ないし<3>のような特徴的形態は、原告固有の商品表示として、取引者・需要者の間で周知となった。

(二) 被告の主張

(1) 原告が原告製品の特徴的形態として主張する前記<1>及び<3>の形態については、同様の形態を有するタクシー用表示灯を昭和五〇年以前から被告が販売しており、また、原告と被告の間での当庁昭和五一年(ヨ)第二五三五号の仮処分事件において、被告が右形態の表示灯を販売することに原告が異議を述べない旨の和解が成立しているのであるから、原告が原告製品の特徴的形態として主張する前記<1>ないし<3>の形態のうち、原告製品に特有の形態といえるのは、前記<2>の形態のみであるところ、右形態のみでは、原告の商品表示となる形態とはいえない。

(2) 原告製品の形態は、球の下に底面が正方形の台を設けたものであり、ありふれた形状であって、特徴的なものではなく、商品表示となり得ない。

(3) 次のような各事実に照らせば、原告製品の形態は、原告の周知商品表示とは認められない。

<1> 原告製品は、表示灯本体部分が白地のまま販売されるものではなく、必ず表示灯本体部分に納入先のタクシー会社の名称やマークが付されて販売されるところ、このような場合に、販売される表示灯に共通する形状である別紙物件目録(A)の形状が、原告の周知表示とはなりにくい。また、原告は、原告がこれまで開発創作したタクシー表示灯の種類は二〇〇から三〇〇種類に及ぶと主張するところ、その中で原告製品の形状のみが原告の周知表示となっているとは考えられない。

<2> 原告製品と同様の球形状の表示灯は、昭和五〇年の前後を通じて原告のみが販売していたものではなく、前記(1)記載のとおり、被告も製造、販売していたものであり、競合製品が存在したのであるから、原告製品の右形状が原告の商品表示となることはない。

(4) 商品の形状が周知表示になり得るとしても、その形状が機能的理由によるものであるときは、周知表示として独占することは許されない。そして、この機能的形状とは、機械構造上の形状だけでなく、その形状が商品の目的との関係において一定の機能を有している場合も含むものというべきである。

本件で問題となるタクシー用表示灯は、その形状とそこに表示されたマークや社名によって、どこのタクシー会社又は組合に所属するタクシーであるかを表示するものであるから、その形状は、タクシー会社や組合が同一であれば、同一でないと機能を果たし得ない。したがって、このような機能的形状について、特定の製造業者が自己の周知表示として独占することは許されない。

2  争点1(二)(原告製品と被告製品との混同のおそれ)について

(一) 原告の主張

タクシー用表示灯は、ユーザーであるタクシー業者により直接注文されるだけでなく、自動車ディーラー、自動車用品・部品業者、自動車整備・修理業者、タクシーメーター業者を通じても販売されるのであり、これらの需要者・取引者の間において、原告製品の形状は広く知られている。

したがって、これらの需要者・取引者との関係において、原告製品と同一の形状を有する被告製品が、原告製品と混同されるおそれは十分にある。

(二) 被告の主張

タクシー用表示灯の需要者は、タクシー業者であり、タクシー業者からの注文に基づいて製造・販売されるものである。稀ではあるが自動車ディーラー、部品業者、タクシーメーター業者等が購入する場合にも、特定のタクシー業者からの注文を受けて、特定の形状の表示灯を購入するものである。

他方、タクシー用表示灯を製造・販売している業者は、原告と被告の二社しかなく、両者が別会社であることはタクシー業界に知られている。

したがって、タクシー用表示灯においては、取引者・需要者が被告製品を原告製品と誤認混同するおそれはない。

3  争点2(形態模倣による不法行為の成否)について

(一) 原告の主張

原告製品の形態は、原告の様々なアイデアと労力の中から創作・完成したものであるところ、被告製品は、原告製品の形態を完全に模倣した商品であり、被告は、これをタクシー業者に販売することによって、原告の営業を妨害している。被告の右行為は、不法行為に該当する。

(二) 被告の主張

不法行為を理由とする原告の損害賠償の請求には理由がない。

4  争点3(原告の損害額)について

(一) 原告の主張

被告は、平成七年五月一日から同九年一〇月末までの間に、被告製品を合計二五〇〇個販売し、これによって五〇〇万円の利益を得た。右金額は、原告の得べかりし利益の損失として、被告による被告製品の販売によって原告が被った損害となる。

また、原告は、被告による被告製品の販売によって会社としての信用を害されたことにより、二〇〇万円を下らない損害を被った。

したがって、被告の不正競争行為又は不法行為によって原告が被った損害は、七〇〇万円を下らない。

(二) 被告の主張

原告の主張を争う。

第三  当裁判所の判断

一  争点1(一)(原告製品の形態の周知商品表示性)について

1  商品の形態は、第一次的には商品本来の効用の発揮や美観の向上等のために選択されるものであり、商品の出所を表示することを目的として選択されるものではないが、特定の商品形態が他の業者の同種商品と識別しうる特徴を有し、かつ、右商品形態が、長期間継続的かつ独占的に使用され、又は短期間でも強力な宣伝が行われたような場合には、結果として、商品の形態が商品の出所表示の機能を有するに至り、商品表示としての形態が周知性を獲得することがあり得るというべきである。

そこで、原告が主張する原告製品の形態が、右のような周知な商品表示としての機能を獲得しているか否かについて検討する。

2  各文末に掲げる各証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の各事実が認められる。

(一) 原告製品のような形状の球型表示灯は、昭和三八年ころ、東京の大手四社のタクシー会社(日本交通株式会社、国際自動車株式会社、帝都自動車交通株式会社及び大和自動車交通株式会社)の統一的な表示灯デザインとして開発され、当時二社あったタクシー用表示灯の製造業者のうち、原告が日本交通株式会社及び帝都自動車交通株式会社に対して、日立興業株式会社が国際自動車株式会社及び大和自動車交通株式会社に対して、それぞれ右球型表示灯を製造して販売するようになった(甲第二六〇号証、第二六三号証、第二六九号証、乙第一六号証)。

その後、昭和四〇年代ころには、右日立興業株式会社が廃業するに至り、タクシー用表示灯の製造業者は原告のみとなった(乙第一五号証)。

(二) 他方、被告は、昭和四〇年ころから、原告から仕入れたタクシー用表示灯を販売していたが、同四五年ころから、自らタクシー用表示灯を製造して販売するようになり、同四六年ころからは、別紙物件目録(B)記載の形状の球型表示灯(以下「球型表示灯B」という。)を東京の大手四社のうちの大和自動車交通株式会社に販売するようになった(甲第二六三号証、第二六九号証、乙第七号証ないし第一一号証、第一五号証)。

(三) 原告は、原告製品を、昭和三八年ころに発売して以来、東京の大手四社のうちの日本交通株式会社、国際自動車株式会社及び帝都自動車交通株式会社をはじめ全国各地のタクシー業者に販売しており、現在では、全国二八三社合計八二〇〇台程度のタクシーに表示灯として装着されるに至っている。原告製品は、現在、二〇〇種程度ある原告のタクシー用表示灯の中で、年間販売数が全体の五パーセントを占め、三〇年間連続して出荷数が上位から三ないし四番目以内に入る売れ筋商品である。(甲第二六三号証、第二六九号証)

また、原告製品は、昭和四〇年ころから最近に至るまで、各年度の原告の商品カタログに、他の多数のタクシー用表示灯とともに写真付きで掲載され(甲第四号証ないし第二三号証)、昭和五〇年ころから最近に至るまで、タクシー業界の業界紙である「東京交通新聞」に、他の多数のタクシー用表示灯とともにイラスト付きの広告が頻繁に掲載されている(甲第二四号証ないし第二五九号証)。

(四) 他方、被告は、球型表示灯Bを、昭和四六年ころに発売して以来、東京の大手四社のうちの大和自動車交通株式会社をはじめとするタクシー業者に販売するとともに、球型表示灯Bを被告の商品カタログに写真付きで掲載してきた(甲第二六三号証、第二六四号証、第二六九号証、乙第一一号証ないし第一三号証、第一五号証)。被告による球型表示灯Bの販売先、販売数については、これを正確に認定する証拠はないものの、右のとおり東京の大手四社の一つである大和自動車交通株式会社に継続的に納入されていることのほか、同じく東京の大手四社の一つである国際自動車株式会社にも納入されていた時期があったこと(乙第一一号証、第一五号証)、原告側の調査でも少なくとも全国各地の六社のタクシー会社に販売された実績があること(甲第二六四号証、第二六九号証六ないし七頁)などに照らし、相当数の販売実績があることがうかがわれる(なお、この点原告側の推定によれば、現在被告の球型表示灯Bを装着しているタクシーの台数は一〇〇〇台位であるとされており(甲第二六三号証、第二六九号証)、源告製品を装着しているタクシーの台数が八二〇〇台程度であることと比較しても、市場において無視できない数の販売実績があることがうかがわれる。)。

(五) この間、昭和五二年一〇月二一日には、原告を債権者、被告を債務者とする当庁昭和五一年(ヨ)第二五三五号仮処分申立事件において、原告・被告間に和解が成立しているところ、そのなかでは、<1> 被告は、原告に対し、原告の登録第二五五七〇五号の意匠権の存続期間中(すなわち、昭和五六年一月一〇日まで。甲第三号証)、原告製品のような形状(球型、台部上縁が弧状のもの)の製品を製造・販売しない旨、<2> 原告は、被告に対し、日本交通株式会社及び帝都自動車交通株式会社が使用する製品を除き、被告が、球型表示灯Bのような形状(球型、台部上縁が水平のもの)の製品を製造・販売することにつき異議を述べない旨の合意がなされている(甲第一号証)。

3  以上の経過事実によれば、原告は、原告製品を昭和三八年ころから現在に至るまで自己の主力商品の一つとして継続的に販売するとともに、カタログや業界紙を通じて宣伝・広告を行ってきたことが一応認められる。しかしながら、他方において、原告製品の発売当初である昭和三八年ころから、原告のほか、競合業者である日立興業株式会社も(すなわち、我が国におけるタクシー用表示灯の全製造業者が)同様の球型表示灯を製造・販売していたものであり、その後、日立興業株式会社が廃業してからは、原告のみが製造、販売することとなったものの、昭和四六年ころからは、被告が、原告製品と形態において明らかに類似する球型表示灯Bを製造、販売するようになり、原告も被告による右球型表示灯Bの製造・販売を昭和五二年に成立した訴訟上の和解においてこれを容認し、その後も被告は相当数の球型表示灯Bの製造・販売を継続してきたものである。このように、原告製品には、その発売以来、同一の形態又は明らかに類似した形態を有する競業他社の同種商品が存在し、相当数の販売が継続されてきたのであるから、原告製品は、その形態において、他の業者の同種商品と識別し得る明瞭な特徴を有するということはできず、また、原告が右形態を長期間独占的に使用してきたともいえない。しかも、原告による原告製品の宣伝・広告の内容は、一部の商品カタログで表紙の写真として使われた例があるものの、その大部分は商品カタログや業界紙の広告中において多数の同種商品の一つとして掲載されたという程度のものにすぎず、特に原告製品の形態を際立たせる強力な宣伝がなされたということもない。

そうすると、原告製品の形態については、その発売以来現在に至るまで、前記ような意味における商品の出所表示としての機能を有するに至ったことを認めることはできないというべきである。

なお、原告製品と被告の球型表示灯Bとでは、台座部分の上縁部の形状について、原告製品では球形の表示灯本体部の弧状と同一の弧状に湾曲しているのに対し、球型表示灯Bでは水平になっており、右部分において原告製品の形態は、球形表示灯Bにない特徴を備えており、商品表示性を認め得るとの反論も考えられなくはない。しかしながら、タクシー用表示灯は、そこに記載された名称やマークとともに、それぞれ独自の全体形状によって、各タクシーが所属するタクシー会社等を識別する標識となるものであるから、原告製品や球型表示灯Bのようなタクシー用表示灯において取引者・需要者の注意をひく部分は、本体部分及び台座部分から成る全体的な形状であるというべきであり、台座の一部分にすぎない上縁部の形状のごときは、格別観者の注意をひかない瑣末な構成部分というべきであるから、右部分の形状の独自性のみをもって、原告製品の形態につき、商品表示となり得る特徴を備えていると認めることはできない。

右によれば、不正競争防止法二条一項一号に基づく原告の差止請求及び損害賠償請求は、その余の点につき判断するまでもなく理由がない。

二  争点2(形態模倣による不法行為の成否)について

他人の製品とほぼ同一の形態を有する製品を製造・販売する行為が不正競争防止法上の不正競争に該当しない場合であっても、それが経済取引における自由競争として許される範囲を著しく逸脱し、これにより他人の営業上の利益を侵害するときには、例外的に民法七〇九条に規定する不法行為を構成することも、あり得ないわけではない。

そこで検討するに、前記一で認定したとおり、原告製品については、その発売当初である昭和三八年ころから日立興業株式会社も(すなわち、我が国におけるタクシー用表示灯の全製造業者が)同様の球型表示灯を製造・販売していたほか、昭和四六年ころからは被告が球型表示灯Bを継続的に製造・販売していたものであり、昭和五二年の原告・被告間の訴訟上の和解においては、原告も被告の球型表示灯Bの製造・販売を容認する旨の合意をしているところ、原告製品と球型表示灯Bとは、台座部分の上縁部の形状が異なる以外はほぼ同一の形態である(台座上縁部の形状は、前記一3で説示したとおりタクシー用表示灯において、観者の注意をひかない瑣末な構成部分にすぎない。)。そうすると、右のような経緯に照らせば、その後の平成七年五月に至って被告が被告製品を製造・販売した行為をもって、経済取引における自由競争として許される範囲を著しく逸脱したものとは認めることができない。

したがって、形態模倣を理由として不法行為に基く損害賠償を求める原告の請求は、その余の点につき判断するまでもなく理由がない。

三  結論

よって、原告の本訴請求は、いずれも理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法六一条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 三村量一 裁判官 長谷川浩二 裁判官 大西勝滋)

物件目録(イ)

<省略>

物件目録(A)

<省略>

物件目録(B)

<省略>

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