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東京地方裁判所 平成9年(ワ)8169号・平9年(ワ)10032号・平9年(ワ)6819号 判決

平成九年(ワ)第六八一九号 建物明渡請求事件(甲事件)

平成九年(ワ)第八一六九号 建物明渡請求事件(乙事件)

平成九年(ワ)第一〇〇三二号 建物明渡請求事件(丙事件)

甲・乙・丙各事件原告 松岡地所株式会社

右代表者代表取締役 松岡満喜子

右訴訟代理人弁護士 斎喜要

甲事件被告 江原信元

甲事件被告 有限会社三木商事

右代表者代表取締役 三木修二

乙事件被告 株式会社ケーイー山崎

右代表者代表取締役 山崎榮二

右訴訟代理人弁護士 高谷進

同 小林哲也

同 小林理英子

丙事件被告 菅原婦貴

右訴訟代理人弁護士 中林隆博

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は、原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求

1  甲事件

被告江原信元及び同有限会社三木商事は、原告に対し、別紙物件目録一記載の建物部分を明け渡せ。

2  乙事件

被告株式会社ケーイー山崎は、原告に対し、別紙物件目録二記載の建物部分を明け渡せ。

3  丙事件

被告菅原婦貴は、原告に対し、別紙物件目録三記載の建物部分を明け渡せ。

第二事案の概要

一  本件は、被告らに建物部分を賃貸している原告が、建物の朽廃や、期間満了による各賃貸借契約の終了を理由として、各建物部分の明渡しを求めた事案である。

二  当事者間に争いがないか、又は証拠により容易に認められる事実(後者については証拠を認定の後の括弧内に掲示した。)

1  原告は、昭和六〇年七月一日、甲事件被告江原信元(以下「被告江原」という。)に対し、別紙物件目録一記載の建物部分(以下「別紙建物部分一」という。)を、使用目的を店舗(ゲームコーナー店の営業)、賃貸期間を昭和六〇年七月一日から昭和六五(平成二)年六月三〇日までの満五年間、賃料を月額五五万円の約定で貸し渡し(以下「本件第一契約」という。)、甲事件被告有限会社三木商事(以下「被告三木商事」という。)は、右同日、被告江原の本件第一契約を連帯保証した。本件第一契約は、平成二年七月一日及び平成七年七月一日に、賃料を除いて同一条件で更新された。本件第一契約による賃料は、平成七年七月一日から一か月あたり八三万四〇八〇円に改定された。別紙建物部分一は、被告江原及び被告三木商事(以下「両名を合わせて「被告江原ら」という。)が共同して占有している。

2  原告は、昭和五六年七月一八日、乙事件被告株式会社ケーイー山崎(以下「被告ケーイー山崎」という。)に対し、別紙物件目録二記載の建物部分(以下「別紙建物部分二」という。)を、使用目的を飲食店の経営、賃貸期間を昭和五六年八月一日から昭和五九年七月三一日までの満三年間、賃料を月額六八万四〇〇〇円の約定で貸し渡し(以下「本件第二契約」という。)、本件第二契約は、昭和五九年八月一日、昭和六二年八月一日、平成二年八月一日及び平成五年八月一日に、賃料を除いて同一条件で更新され、さらに、平成八年八月一日に法定更新された。本件第二契約による賃料は、平成三年八月一日から一か月あたり一〇五万一六〇〇円に改定された。

3  原告は、昭和三三年八月二七日、丙事件被告菅原婦貴(以下「被告菅原」という。)に対し、別紙物件目録三記載の建物部分(以下「別紙建物部分三」という。)を、使用目的を店舗、賃貸期間を昭和三三年八月二七日から昭和三八年八月二六日までの満五年間、賃料を月額一万五〇〇〇円の約定で貸し渡し(以下「本件第三契約」といい、本件第一、第二及び第三の各契約を総称して「本件各契約」という。)、本件第三契約は、賃料を除いて同一条件で自動更新され、平成一〇年八月二六日に法定更新された。本件第三契約による賃料は、平成八年四月一日から一か月あたり一二万三九〇〇円に改定された。

4  原告は、被告らに対し、平成九年二月六日発送の内容証明郵便で、被告江原及び被告三木に対しては本件第一契約書一一条に基づいて、被告ケーイー山崎に対しては本件第二契約書一一条に基づいて、被告菅原に対しては本件第三契約書八条に基づいて、それぞれ本件各契約を解除する旨の意思表示をし、右意思表示は、被告江原及び被告三木商事に対し平成九年二月八日に、被告ケーイー山崎に対し同月一〇日に、被告菅原に対し同月一二日に、それぞれ到達した(甲六、七、八(それぞれ枝番も含む)、弁論の全趣旨)。

三  争点

1  本件各契約は、本件建物の朽廃又は朽廃に準ずる事由により終了したか。

2  本件各契約は、解約期間の満了により終了したか。

3  被告らは、原告の本件建物の修繕のために本件建物を明け渡す義務があるか。

四  争点に対する当事者の主張

1  争点1(本件各契約は、本件建物の朽廃又は朽廃に準ずる事由により終了したか)について

(一) 原告

(1)  別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)は、建築後五〇年を経過した木造建物であって、土台はもとより、基礎、屋根、床、梁その他全体において腐食するなどしており、平成九年二月八日までには朽廃するに至った。

(2)  仮に朽廃したと認められないとしても、本件建物の修繕のためには、新築するのに等しい費用と期間を必要とすることから、朽廃に準じて、本件各契約は終了したものと認められる。

(二) 被告ら

(1)  本件建物は、相当な修繕を行えば建物自体の効用を保つことができることから、朽廃に至っていない。

(2)  また、本件建物は、大修繕をする必要もないし、被告らは、長年にわたり本件建物部分において飲食店やゲーム店を経営しており、被告らが本件建物部分を退去し原告に明け渡すことになれば、被告らは、著しい損害を被る。

2  争点2(本件各契約は、解約期間の満了により終了したか)について

(一) 原告

(1)  本件第一及び第二契約書一一条には、「都合により賃貸借期間内にこの契約を解除しようとする場合は、六か月前までに相手方に文書でその予告をしなければならない」旨の規定されているところ、原告は、被告江原ら及び被告ケーイー山崎に対し、平成九年二月六日発送の内容証明郵便で、右各契約書一一条に基づき、右各契約を解除する旨の意思表示をした。右意思表示は、被告江原らに対し同月八日に、被告ケーイー山崎に対し同月一〇日にそれぞれ到達した。

(2)  本件第三契約書八条には、「貴殿の都合に依り此契約を解除せんとする時は六ヶ月以前に通知する事通知期間満了と同時に該建物明渡可致」と規定されているところ、原告は、被告菅原に対し、同月六日発送の内容証明郵便で、本件第三契約書八条に基づき、本件第三契約を解除する旨の意思表示をした。右意思表示は、被告菅原に対し同月一二日に到達した。

(3)  右各契約に基づく解約が認められないとしても、本件建物は、朽廃に近い状況にあり、通常の修繕では建物の存続を維持することは不可能である。また、原告は、不動産の賃貸等を主たる業とする会社であるところ、本件建物を建て替えて他に賃貸する必要がある。そこで、原告の被告らに対する、解約の意思表示は、借家法(大正一〇・四・八法五〇号)三条に基づく意思表示として有効である。

(4)  したがって、原告と被告らとの本件各契約は、原告の、被告らに対する契約解除の意思表示が到達した日から六か月間が経過した日に解除された。

(二) 被告ら

(1)  本件第一及び第二契約書一一条は、賃借人である被告らからの解約権を認めた規定であり、原告の解約の根拠とできる規定ではないことから、原告の主張は失当である。

(2)  さらに、建物の賃貸人は自ら使用することを必要とする場合その他正当の事由がある場合でなければ賃貸借の解除の申込を為し得ない(借家法一条の二)ところ、原告には、本件建物を自ら使用することを必要とする事情もないし、その他何らの正当事由もない。これに対し、被告らは、それぞれ賃借中の建物部分で、被告江原及び三木商事は、昭和六〇年七月ころから現在までゲーム店の営業を、被告ケーイー山崎は、昭和五六年七月ころから現在まで大衆酒場の営業を、被告菅原は、昭和三三年八月ころから現在までスタンドバーの営業を行っており、被告らには相当な転居先もないこと、仮に、転居する場合には相当な費用の支出が必要となること、転居先で営業が継続できるかどうか分からないことから、本件各建物部分を明け渡すことになれば営業を廃止することにもなりかねないことなど被告らに著しい損害を及ぼすことになってしまう。したがって、原告の本件第三契約及び借家法三条に基づく本件各契約の解除には正当理由がない。

3  争点3(被告らは、原告の本件建物の修繕のために本件建物を明け渡す義務があるか)について

(一) 原告

本件建物が仮に朽廃していると言えないとしても、朽廃に近い状態にあることから、原告は、本件建物に新築同然の大修繕を行う必要がある。被告らは、原告のする修繕工事に協力する義務があり、工事の期間中、原告に対し、本件各建物部分を明け渡す義務がある。

したがって、原告は、被告らに対し、本件各建物部分の明け渡しを求める。

(二) 被告ら

本件建物の修繕は、被告らが退去して行う必要はないし、仮に被告らが退去して行う必要があるとしても、被告らは、営業の廃止等の著しい不利益を被る。

第三争点に対する判断

一  争点1(本件各契約は、本件建物の朽廃又は朽廃に準ずる事由により終了したか)について

1  鑑定人泉宏による本件鑑定の結果によれば次の事実が認められる。

(一) 建物が朽廃しているかどうかは、建物の主要構造躯体である小屋組、床組壁体(土台、柱、梁材)が腐敗したり、虫害等によりその過半近くを取り替えたり、老朽箇所の補修工事費が建て替え費用を上回る状況に至ったと見られるとき、また、その建物を使用することが地震など不測の事態にあたり危険であると予想されるとき、危険予防の見地から朽廃に至ったとされている。

(二)(1)  本件建物を見ると、屋根葺材のカラー鋼板波板材の表面塗装の効力は失われ錆が発生している。道路側化粧屋根瓦には防災シートが掛けられて脱落を防いでいる状態で甚だ危険であり、老朽化は激しく雨漏りの原因になると思われる。外壁廻りについては、建物北側と西側の外壁は、二重壁の状態になっていること、その下部の古い土台と柱の根元の朽廃が激しく、また、東側外壁の隣地側より内部床に雨降りごとに水が侵入してくることから、土台等の腐朽が推測され、南側外壁を除いて他の三面の外壁の下部はほとんど腐食により朽廃に達している。一階の土台廻りは、朽廃に瀕しているが、それ以外は老朽化が進んでいるが朽廃に至っているとは認めがたい。小屋組と二階床組みは、一部を除いて主要部材に構造的に欠陥を窺わせるものはない。

(2)  以上のことから、本件建物は、土台廻りの朽廃、屋根の一部等に朽廃に瀕している箇所が見られるが、その他の主要構造材の保有耐力は残っていると判断される。そこで、土台廻りと屋根の葺き替えをするなど、適正な補修や保守を行えばかなりの期間の耐用年数(残存耐用年数)の延長をはかること可能であると認められる。

(3)  これに対し、甲九、一〇、一二、一三、一四ないし一六によれば、本件建物は、相当程度老朽化が進んでいることが認められ、防災上の面からも修繕が必要であることが認められるが、右証拠のみでは、本件鑑定の結果を覆すことはできず、本件全証拠によっても本件建物が朽廃しているとまでは認めることができない。

(三) したがって、本件建物の朽廃を理由とする原告の主張は認められない。

2(一)  さらに、本件鑑定の結果によれば、本件建物の補修は、屋根の道路側立ち上がり壁の瓦等を一時的に取り外し、屋根全面カラー鋼板波板材に葺き替え工事、並びに本件建物の東西北側各壁下部の根絡みをした上でジャッキによる仮支持をし、内外部より土台の入れ替え、柱の根接を行った後に、内部の修復及びカラー鋼板波板による外壁の修復工事をすることにより行い、右工事期間は約六〇日間とする。そして、右補修工事費用は、平成一〇年前期版の経済調査会積算資料により五三六万九七〇〇円と算定される。

(二)  これに対し、原告が建築業者二社に本件建物の修繕の見積を依頼した際、右建築業者らは、原告に対し、本件建物の補修をすることは、建物を新築するのに等しい費用と期間を必要とすると述べたこと、また、本件建物の補修をする前提の調査費用が一〇〇万円前後必要である旨の見積書を提出したことが、それぞれ認められる(甲一七、一八、証人芝本)。

(三)  しかし、原告の建設業者に対する見積依頼は、本件鑑定の結果が出された後に行われたにもかかわらず、建築業者に、本件鑑定の結果による補修に必要な項目、補修に要する費用及び期間を明らかにせずに依頼された結果出されたもので(証人芝本)、右建築業者の話や見積書のみでは、本件鑑定の結果を覆すことはできない。

3(一)  さらに、本件鑑定の結果によれば、建築物の固定資産税法上の耐用年数や、区画整理事業等による残存耐用年数、建築学会の老朽化建物の評価基準では、一般的な木造建築の社会的耐用年数は約三〇年とされることが多いこと、本件建物は、昭和二三年ころ建築され、建築から約五〇年を経過していること、本件建物は未だ朽廃に達しているとは認められないが、老朽化は相当程度進んでいると見られることなどから、本件建物の社会的耐用年数は終わったと見るべきであること、本件建物は、商業地域内における家屋密集地の中の木造建物であり、建物の使用状況から防災上不適格な建物と見られること、さらに、建物所在地の土地の有効利用の面から敷地面積の五倍以上の建物を建築することが可能であることが、それぞれ認められる。

(二)  右によれば、原告には、本件建物を建て替える必要性があるとも考えられる。しかし、被告らは、それぞれ賃借中の各建物部分で、被告江原らは、昭和六〇年七月ころから現在まで「ミッキー」という屋号でゲーム店の営業を、被告ケーイー山崎は、昭和五六年七月ころから現在まで「酔の助」という屋号で大衆酒場の営業を、被告菅原は、昭和三二年八月ころから現在まで「かんとりい」という屋号でスタンドバーの営業を行っており、本件各建物部分における営業が、それぞれの生活の基盤となっていることから、被告らは、本件各建物部分を使用する必要性が強いものと認められる(甲一〇、弁論の全趣旨)。そこで、原告が本件建物を建て替えるため、被告らを本件各建物部分から退去させるとすれば、被告らは、長年続けてきた本件各建物部分での営業を廃止したり、店舗移転のために多額の費用を支出する必要があるなど著しい不利益を被るおそれが強いと認められる(弁論の全趣旨)。

(三)  そうすれば、仮に本件建物が社会的耐用年数が終わったと解されることや、防災上不適格な建物であり、建て替えることが望ましいと見られるとしても、本件建物は、適正な補修や保守を行えばかなりの期間の耐用年数の延長をはかることが可能であることや、被告らの本件各建物部分使用の必要性が強いこと、被告らが本件各建物部分を明け渡すことによって被る不利益に対する補償がされていないことを顧慮すれば、被告らに本件各建物部分の明け渡しを命ずることは相当でないと認められる。

(四)  したがって、本件建物が朽廃に準ずる事由により本件各契約は終了したとの原告の主張は理由がない。

二  争点2(本件各契約は、解約期間の満了により終了したか)について

1(一)  原告は、被告江原ら及び被告ケーイー山崎に対し、本件第一契約及び本件第二契約書一一条に基づき解約の予告をしたことから、六か月後に相当する日に本件各契約は解除された旨の主張をする。

(二)  しかし、右各契約書一一条は、「乙(賃借人である被告ら)がその都合により、賃貸借期間内にこの契約を解除しようとする場合は・・・」と規定しており、右規定は、賃借人(被告ら)の都合により契約期間内に契約を解除する場合の規定であることは明らかであり、原告の右各規定による本件各契約の解除の主張は失当である。

2(一)  原告は、被告菅原に対し、本件第三契約書八条に基づき、さらに、被告らに対し、借家法三条に基づき解約の予約をしたことから、六か月後に相当する日に本件各契約は解除された旨の主張をする。

(二)  しかし、原告が賃貸借契約を解除する場合は、原告に自己使用の必要その他の正当事由が必要であると解されるところ、原告の主張する正当事由に該当する事実は、本件建物が朽廃に準ずること、原告は不動産会社であることから、本件建物を建て替えて他に賃貸する必要があることに尽きるものと解される。

(三)  確かに、本件鑑定の結果によれば、本件建物は、未だ朽廃に達しているとは認められないが、老朽化は相当程度進んでいると認められること、本件建物の社会的耐用年数は終わったと見るべきであること、さらに、建物所在地の土地の有効利用の面から敷地面積の五倍以上の建物を建築することが可能であることが、それぞれ認められる。しかし、一方、本件建物は、土台廻りと屋根の葺き替えをするなど、適正な補修や保守を行えばかなりの期間の耐用年数(残存耐用年数)の延長をはかることが可能であること、被告らは、本件各建物部分の使用の必要性が強いこと、被告らは、本件各建物部分を明け渡すことにより著しい不利益を被ることが、それぞれ認められるが、原告が、被告らに対し、代わりの建物の提供をするなど、被告らの不利益に対する補償の申し出をしたなどの事実は認められない。

3  そうすれば、右に認定した事実のもとにおいては、原告に本件各契約を解約することに正当な事由があるとは認められず、原告の主張は理由がない。

三  争点3(被告らは、原告の本件建物の修繕のために本件建物を明け渡す義務があるか)について

1  原告は、本件建物の状態からして、修繕を行うとすれば新築同然の大修繕をすることになることから、右修繕の工事期間中、被告らが自費をもって一時他に移転し、これに協力する義務があると主張する。

確かに、賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要なる修繕を為す義務を負うとともに、賃貸物の保存に必要なる行為をするときは、賃借人はこれを拒むことができない(民法六〇六条)ことから、賃借建物の修繕の必要性、その範囲、程度によっては、賃借人は、建物の修繕のために一時的にせよ賃借建物を明け渡す必要がある場合もある。

2  しかし、本件鑑定の結果によれば、本件建物の老朽化は相当程度進んでいることから、予防的見地から建物の土台廻りや屋根の葺き替え等の補修工事を行う必要があることが認められ、その費用は五三六万九七〇〇円、補修期間は約六〇日と算定されるが、これによれば、本件建物の修繕は、原告の主張するような新築同然の大修繕になるとまでは言えない。さらに、原告は、本件建物の修繕の内容、その期間等について何らの特定もしていない。

3  そうすれば、原告が本件建物の修繕をする必要があり、被告らがこれに協力する義務があるとしても、それだけで被告らが本件各建物部分を明け渡す義務があると認めることはできず、したがって、原告の主張は理由がない。

四  以上によれば、原告の被告らに対する各請求は、いずれも理由がないことからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。

(裁判官 城内和昭)

物件目録

所在 千代田区神田神保町一丁目一六番地四

家屋番号 一六番八

種類 事務所

構造 木造亜鉛メッキ鋼板葺・地下付二階建

床面積 一階 二二七・二七平方メートル

二階 二二七・二七平方メートル

地下階 三五・五三平方メートル

のうち、

一、 一階 五五・七〇平方メートル

二階 二二七・二七平方メートル

(位置関係は、別紙図面(1) の斜線部分)

二、 一階 一八八・四二平方メートル

(位置関係は、別紙図面(2) の斜線部分)

三、 一階 一九・八三平方メートル

(位置関係は、別紙図面(3) の斜線部分)

以上

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