東京地方裁判所 昭和24年(ワ)2623号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事實)
原告は「被告は原告所有の建物をその轉借人から更に轉借したが、右各轉貸借はいずれも原告の承諾を得ないでなされたものであるから、原告はこれを理由として原告と最初の賃借人との間の賃貸借契約を解除した。」と主張して建物の明渡を求めた。
被告は「單に同居しているので轉借の事實はない。」と主張した。
(判斷)
裁判所は轉貸の事實を認めて原告の請求を認容し、つぎのように判示した。
「一般に同居の關係にあるものを轉貸なりとしこれを理由として賃貸借契約を解除することが許されないというのは、同居人が賃借人と身分關係その他特別の關係があつてその占有が賃借人の占有に包含せられる場合とか、或は同居人を置くことがその時の住宅事情その他生活環境等を考慮に入れて信義の原則上賃借人として賃借人に對して背信的の行爲ということができない場合等に該當するからである。これを本件についてみるに前認定のように被告が賃借人と何等特別の關係なく、敷金名義の金員を支拂つて使用を始め、然も賃借人において賃借物を自ら使用しないで他の者に使用させ、なおその後昭和二十三年春頃からは被告だけが使用している事實等に徴し被告は同居人でなく轉借人に該當することは明である。」