大判例

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東京地方裁判所 昭和25年(ワ)6239号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(事實)

原告は訴外村山某の勧誘により、昭和二十四年九月中旬、同人に金十万円を渡し、同人が予め銀行から持参した印鑑票紙に原告の印を押捺して交付し、数日后同人から無記名定期予金証書を受取つたと主張し、予入金十万円とその利息金の支払を訴求した。被告銀行は本件予金は訴外村山の予入れに係るもので、同人に対する手形金債権と相殺したと抗爭した。

(判断)

判決は証拠によつて、本件予金が訴外村山によつて、同人の名に於て予金された、という事実を認定し、予金証書が原告の手中にあるという当事者間に爭のない事実に拘らず、被告勝訴の言渡をした。その理由中で無記名定期予金債権の法律上の性質についてつぎのように説明している。

「ところで、甲第一号証によれば、本件予金についてはその讓渡質入が禁止されており、……証言によれば、この種の予金は予金証書と予め屈出の印鑑を所持しない者に対してはその払戻を拒絶できることが認められるから、本件予金債権は通常の指名債権であつて、唯その債権証書に債権者の表示をしないにすぎないものということができ、甲第一号証裏面第二項の文言も払戻にあたり前記の手続によつて請求した者に支払をした場合に被告のため免責的効力を生ずることを明かにしたに止まることは云うまでもない。故に本件予金の予入当時何人の名において予金契約がなされたかによつて本件債権が原告に属するか否かが決せられるものというべく、債権証書が原告の手中にあることは右事実の確定に有力ではあるが権利の歸属を決定的ならしめるものではない。」

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