東京地方裁判所 昭和25年(ワ)6280号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事實)
原告らは、家屋の所有權に基いて、その占據者たる被告に對してその明渡を求めたが、被告は本件家屋の賃借人である訴外Aの留守番としてこれに居住する旨を主張した。
(判斷)
裁判所は被告の本件家屋に對する使用關係は、Aの留守番にあらずして、轉借に該當するとして、被告の抗辯を排斥して原告の請求を認容した。
「………によれば、金谷(A)は昭和二十二年六月頃藤澤(原告らの被相續人)から右建物の階下六疊一室を借り受けて弟夫婦と一緖に居住していたが、二箇月位經つてその近所の家を買い受けて移轉し、弟夫婦を本件家屋に住はせていたが、昭和二十五年七月に弟夫婦も近所の家に移轉したので、金谷はその雇人である訴外土田勇二をそのあとに居住させることにしたので同人の兄である被告が一緖に本件家屋に居住するに至つたこと、金谷はその頃飴の製造を始めることになり、被告の妻(被告は大工である)と土田に本件家屋で飴を製造させることにしたこと、金谷は本件家屋にラジオ、火鉢、衣類、家具一組を置いているだけでその他の家財道具は移轉先に運んで本件家屋には寢泊りせず、ここに何時歸るか決めていないことが認められる。この認定事實と辯論の全趣旨を綜合すれば、被告は本件建物のその使用部分を自己の生活場所として自己のために使用するものであつて、これを金谷より轉借したものと認むべきである。」