大判例

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東京地方裁判所 昭和27年(モ)11934号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(事実と判断)債権者等は昭和二十七年八月七日予て東京地方裁判所に繋属中の債権者等債務者等間の訴害行為取消請求訴訟事件の処理につき、債権者等の代理弁護士と債務者等との間に、債務者等は債権者に対し示談金として三百七十五万円を支払う、但し内金百万円は小切手五通で即時払、残金は約束手形六十二通により十二カ月賦払とすることを約して示談契約をしたが、その際右小切手及び約束手形が一通でも不渡の際は債務者等は債権者等に対し連帯して違約金九千万円を支払うことを特約し、同日右小切手及び約束手形を受領した。然るに同月十一日金額七万八千八百円の小切手一通が不渡りとなつたので債務者等は連帯して債権者に対し違約金九千万円を支払う義務があるから既に小切手及び約束手形により支払を受けた三百六十七万一千二百円を控除した残額八千六百三十二万八千八百円の支払を求めるため東京地方裁判所に出訴し、その執行保全のため本件各差押命令の申請をした。債務者等は右特約は違約の態様に比し不当に多額の違約金を定めたもので公序良俗に反し無効であると主張した。(他の抗弁省略)判決は右抗弁を容れ債権者等申請の仮差押を取消た。曰く。

「そもそも右のように金三百七十五万円の支払を遅滞したときは直に九千万円の莫大な損害を支払うべき債務が発生するような苛酷なる約束は特段の事情がない限り有効に締結されたものとは解し難い。……中略……○○○○の私言等によれば、債務者茶谷は三百七十五万円に相当する小切手、約束手形を持参して上京し債権者等の代理人たる◇◇弁護士と倉皇の間に会見しこれを交付した際、右坂井から初めて領収書と題する書面中に本件違約金に関する条項を示され、深く思慮することなく債務者等の代理人として右領収書に署名捺印したものであることが疏明せられる。然らば問題の右違約金の約束は結局債務者茶谷の軽率無思慮に乗じ債権者らに不当の利得を得せしめる契約と断ずべく、従つて右は民法第九十条により無効というべきである。」

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