大判例

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東京地方裁判所 昭和27年(ワ)9508号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実〕原告は、昭和二十三年九月二十日訴外Aから本件土地を買受けて所有権取得登記を経たが、本件土地については、被告が終戦後間もない頃前主Aから、要求あるときは何時でも建物を收去して明渡すとの条件の下に一時使用の目的で無償で借受使用し、本件建物を建築居住しているとして、被告に対し右建物を收去して本件土地を明渡すことを求めた。被告はこれに対し、被告の亡夫はもと本件土地を含む六〇坪の土地上にあつた建物の賃借権者であつたが、戦時中右建物は強制疎開のため除却されたので、戦後罹災都市借地借家臨時処理法九条、二条の規定に基いて、右建物敷地の所有者Aに賃借申出をして承諾を得たところ、右敷地の大部分を不法に占有していた者があつたので、その西隣に接着する本件土地をAから賃借することになつた、そして昭和二十一年末頃本件家屋を建築し、昭和二十六年四月七日その所有権保存登記を経た。かように被告は本件土地について臨時処理法九条、二条による賃借権を取得し、かつその地上に登記ある本件家屋を所有しているから、本件土地譲受人たる原告には当然対抗できると抗争した、なお、被告が使用していた疎開建物の敷地の範囲及びそれが本件土地に一部含まれるとみるべきかについても、当事者間に争いがある。

〔判断〕判決は、仮りに被告が本件土地について臨時処理法上の賃借権を取得したとしても、それは現に原告に対抗することができないことを説明して、本件土地につき使用貸借上の借主たる地位を有するにすぎない被告は本件士地を明渡さなければならない、と判示した。即ち、

「仮に本件土地が被告の罹災前の賃借家屋の敷地であつて、被告がその主張のように処理法九条、二条により前地主訴外Aに対し賃借の申出をなし、その主張のように本件土地を含む建物敷地を賃借したとしても、右賃借権の登記があつたという点については被告は何等の主張も立証もしていないし、又被告所有の家屋の保存登記のなされた日が原告の本件土地所有権取得の日の後である昭和二十六年四月七日であることは被告の自陳するところである。しかして処理法二条に基く賃借権は、右賃借権者が該地上に建物を建築しえない場合においては当然対抗力を有し、右賃借権設定後その土地につき所有権取得の登記をした第三取得者に対抗し得るものと解すべきことは、右借地権の性質上もとより当然であるが、右賃借権者が借地上に建物を建築した場合においては、右借地権者は何時にても該建物の保存登記をなし得るが故に、一般の土地賃借権の場合と同様第三取者の所有権取得登記の時との前後によつて、対抗力の有無を決するを相当と解するところ、被告のなした建物の保存登記が原告の所有権取得登記の日の後であること前段認定のとおりであるから、被告の賃借権は原告に対抗し得ないこと明白である…。」

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