大判例

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東京地方裁判所 昭和28年(ワ)3467号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕原告の所有権に基く登記抹消の請求に対し、被告は、訴外三谷を代理人として原告は訴外今井に対し本件建物を右三谷の債務のため売渡担保とし、三谷に於て一定期日までに右債務を弁済したときは所有権を原告に復する契約を締結し本件建物の権利証、白紙委任状、家屋明渡令書等を交付した。被告は今井の求めにより右債務の弁済をして本件建物について今井の持つていた権利を譲受け前記書類の交付を受けて所有権取得の登記をしたと抗争した。判決は証拠によつて原告は訴外今井に対し本件建物を訴外三谷の債務の担保に供することを承諾したに過ぎないと認定し被告の主張を排斥した。曰く。

「右認定事実からすると原告は三谷が今井に対し負担する債務につき本件建物を担保とすることを承諾したものと認めるを相当とする。しかして通常他人の債務につき不動産を以つて担保とするということは特段の事情がない限り不動産に抵当権を設定することを指すのであつて売渡担保とするには特にその旨の意思表示を要するものと解するを相当とするところ、被告提出の全証拠を以つてしても売渡担保としたことを認めるに足る証拠はない。従つて原告は今井に対し本件建物につき抵当権を設定したものと認めるを相当とする。もつとも乙第三、第四号証には「昭和二十八年一月三十日迄に返済せざる場合は何時でも貴要求に応じ拙宅明渡します」「火災保険は万一被災の節保険金を受取つたものは貴殿への弁済に差入れます」との文言の記載のあることは認められるが、これは抵当権設定の場合にも用いられる文言であつてこの文言の記載のあることを以つて直に本件担保の意味が売渡担保を指称するものであるとすることはできない……以下略。」

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