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東京地方裁判所 昭和28年(行)24号 判決

原告 日本労働組合総評議会

被告 厚生大臣

一、主  文

原告の請求を却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

二、事  実

原告訴訟代理人は、「原告が昭和二十八年一月三十日附でなした昭和二十八年五月一日メーデーのための皇居外苑使用許可申請に対して被告が同年三月二十三日に為した不許可処分を取消す。訴訟費用は被告の負担とする。」旨の判決を求めると申立て、請求の原因として、

「原告は、別紙目録記載の労働組合、職員組合を以て組織されて居る法人格なき社団であつて、議長を以て代表者とする定めとなつて居るものであるが、昭和二十八年五月一日皇居外苑において中央メーデー式典を主催するについて、国民公園管理規則(以下規則と略称)第四条に基き、昭和二十八年一月三十日被告に対し昭和二十八年五月一日メーデーのための皇居外苑使用許可申請をなしたところ、被告は同年三月二十三日これを許可しない旨決定して原告に通知して来た。然しながら被告のなした不許可処分は違法なものであるからその取消を求めるため本訴に及んだ。」と述べ、

被告の主張に対し、

「被告主張事実中皇居外苑が国の所有であり、公共福祉用財産として国が設置した国民公園の一つであり、被告が規則に基いてこれを管理して居ること、皇居外苑について昭和二十二年十二月二十七日被告主張の如き閣議決定があり、昭和二十四年四月二十日旧皇室苑地運営審議会より被告主張の如き答申がなされたこと、昭和二十一年より昭和二十五年迄皇居外苑のメーデーのための使用が許可され、メーデー式典が挙行されたこと原告が我国最大の勤労者の団体であり、原告の主催するメーデーが我国メーデーの代表たる資格を有すること、二重橋前広場の面積が被告主張の通りであることは認めるがその余の事実は争ふ。

皇居外苑は公共福祉用財産として一般公衆の共同使用に開放された国民公園であり、その管理について定められた規則は専ら皇居外苑の維持、管理の円滑を期する為のものであつて、規則第四条の許可も亦その趣旨を出でざるものであり、維持、管理の必要上集会等の為にする使用を一応制限したにすぎないものであつて、被告主張の如き公共物使用の特許ではなく、維持、管理に支障のない範囲内においては必ずなさねばならぬ許可なのである。(若しその限度を超える権限を被告に保留する趣旨であるならば、憲法に違反する無効のものと言ふ外はないことになろう。)皇居外苑は広大な広場を有し、国民広場として国民的行事としての集会等に使用せらるることをその本来的用途とするものであり、前述のメーデーその他各種の行事が行はれて来たのである。原告の主催する中央メーデー式典が我国メーデーの代表たる地位を有することは前述の通りであり、五月一日に行はれるメーデーは日本は勿論全世界の勤労者にとつての祭典であり団結権、団体行動権の象徴ともなるものであるから、中央メーデー式典が相当の規模と整然たる秩序とを以て行はれることは勤労の尊厳を示し、勤労者の自覚を促すものであつて、我国の文化的水準を示す国民的行事と言うべきものである。皇居外苑の国民広場としての性質が前述の通りである以上、中央メーデー式典の為にこれを使用することは至当のことであり、原告の右使用は五月一日の中限られた時間においてであり、中央メーデー実行委員会において、右使用によつて皇居外苑を汚損することなき様万全の準備を整へて居り、又過去においても中央メーデー式典会場を著しく汚損し、公衆に甚しい迷惑をかけた事実はない。以上の事実よりして、原告の中央メーデー式典の為にする皇居外苑の使用は、広場としてのその本来の用途に合致するものであり、且被告の管理に特に支障を来たすものでないことは明らかであるから、被告のなした本件不許可処分はその有する管理権を超え、規則第四条に違反する違法のものと言はなくてはならない。」と述べた。(証拠省略)

被告指定代理人は請求棄却の判決を求め、

「原告主張事実中、原告がその主張の通りのものであること、原告がその主張の通りに規則第四条に基き被告に対し皇居外苑のメーデーのための使用許可を申請し、被告がこれを許可しない旨決定して原告に通知したことは認める。」と述べ、

「皇居外苑は国の所有であり、国有財産法第三条第二項第二号の公共福祉用行政財産として国が設置した国民公園の一つであつて、被告の所管に属するものであり、被告は昭和二十四年五月三十一日厚生省設置法の公布施行と同時に規則を公布、同年六月一日より施行し現在之に基いて管理して居るものである。

一般に物が公共用物として公衆の共用に開放された場合、一般公衆はその反射的利益として平等にこれを使用し得る自由を享有するに至るがその使用し得る自由と言ふのは管理者がその管理権に基き自由に決定し得る制限された使用方法の範囲内で、然も他人の共用を妨げない限度で使用し得ると言ふ自由にすぎない。皇居外苑については昭和二十二年十二月二十七日の閣議決定を以て速かに文化的諸施設を整備しその恵沢を国民の慰楽、保健、教養等国民福祉のために確保し、平和的文化国家の象徴たらしめることとし、国が直接管理し、汎く一般国民の共有に供し、利用、運営及び文化的諸施設の整備については委員会を設置して綜合計画を樹立すること、差当り国民的利用に開放するため野外ステージを中心とする国民広場を設置し、各種行事、運動競技に使用せしめる旨が定められ、この趣旨に基き旧皇室苑地運営審議会は審議の結果、昭和二十四年四月二十日由緒ある沿革を尊重し努めて原状の回復、保存を図る、各苑地の特性を活かし国民生活に適合した整備運営を行う、その特性に照らし之と関連のない、施設は設けない国民広場として公開する、差当り照明、管理所、水呑場、便所等を整備する等を答申した。政府はこの答申中国民広場として公開するという点については別に方途を講ぜず(但し、東京都知事が管理して居た昭和二十一年から二十三年迄、及び被告の管理に属する様になつた昭和二十四年、二十五年については、メーデーのための使用がいづれも許可された)、単に普通の公園として公開して来たものである。而して公園とは自然的景観を有する地域を画してこれを公共の用に供し、公衆の保健、休養、慰楽、教化に資するために管理される地域であつて、この故に多く公園は地域内に園樹、池沼、花壇等を設け、苑路を廻らして公衆の遊歩を快適ならしめるのであつて時に広場を設けて大衆の集会用に供するにすぎないものである。皇居外苑は単なる広場ではなく、一見広場の様に見える空地も、広濶な皇居外苑全体との調和の為に設けられた幅員の広い苑路なのであつて、広大な縁地、濠等と調和して外苑特有のすぐれた景観を構成して居る一要素をなして居るのであるから、国民公園としての皇居外苑の本来の使用方法は公園としての美観と静穏とを害はぬ方法で国民一般の散策、休息、鑑賞、観光の用に供することにあり、集会の用に供せられることにあるのではない。右の如き本来の使用方法の程度を超える使用は所謂特別使用であつて、管理権を有する被告の許可を俟つて始めて許されるものである。規則第二条、第三条、第四条はこのことを示すものであるが、その許可は、これを与へられたものに権利を設定するに止まり、何人に対しても義務を課し、権利を剥奪するものではないから、所謂公物使用の特許であり、その特許の条件等について法令上何等の規定もないのであるから、その許可をなすと否とは被告において全く自由に決し得るものと言はなくてはならない。ところで、原告の本件許可申請は昭和二十八年五月一日メーデー式典の会場として、参加人員三十万人の予定で午前八時より午後四時迄の間皇居外苑二重橋前広場を使用することの許可を求めるものであるから、右使用が行はれるとすればその間一般公衆の本来の使用は殆んど不可能か著しく妨げられるし、又外苑自体が普通使用による以上に損壊せられるであろうことも必至であつて、斯の如きは右に言ふ特別使用に属することは明らかである。従つて原告の右申請を許可するや否やは被告において全く自由に決し得る処であり、これを許可しない理由が如何なるものであるにせよ何等違法の問題を生ずる余地はない。

被告が原告の申請を許可しなかつたのは次の理由によるのである。被告はその有する管理権に基き規則第四条の許可について、昭和二十五年六月二十二日、政治的又は宗教的目的を有すると認められるもの、社会の安寧秩序を乱す虞のあると認められるもの、及び国民の厚生利用を阻害し又は管理上支障を来たすと認められるものには許可しないと言ふ方針を定め、更に昭和二十七年三月十一日の閣議了解においてその基準を、政治的又は宗教的目的を有せず且安寧秩序を乱す虞がないと認められる集会行進その他の催物、行事であつてその使用が小区域且短時間に限るもの及び国家的性質をもつ集会、行進その他の催物、行事にしていづれも皇居外苑を使用することが適当と認められるもの以外は原則として許可しないことと定め、その後昭和二十七年五月一日の騒擾事件発生後においては原則として国家的行事以外のものには使用を許可しない取扱として来たのである。ところが原告は勤労者の団体として我国最大の規模を有するもので、その主催する中央メーデー式典が我国におけるメーデーの代表たるものではあるが、それとても勤労者全般の祭典とは言へず、しかも勤労者の行事であるに止まり国民的行事と言うことはできないのであつて、その上、その性質は明らかに政治的目的を有して居るものであるし、原告が使用許可を申請して居る二重橋前広場は決して小区域と言へるものではないがそれとても面積約九千四百坪であつて、坪当り六人の計算でも約五万六千四百人の収容能力しかなく参加予定人員全部を収容する訳にはゆかないし、これを収容せむとすれば車道、苑路及び立入禁止区域にまで充満することとなり、その人員、使用時間等から見て、相当長時間に亘り公衆の本来の使用は全く阻害される上、当然芝生、樹木その他工作物等の損傷が予想され、紙屑その他の塵埃は莫大な量にのぼり、整理には多大の労力と費用を要することとなり、保存、管理について著しい支障を生ずることになり、毎年五月三日国家的行事として皇居外苑で行はれる憲法式典の挙行の障碍となる虞れもある。更に昭和二十八年五月一日皇居外苑の使用については原告に先立つて訴外赤尾敏より許可申請があり、競願となつたのであるが、その双方に許可するとしても、又原告のみに許可するとしても両者の主義、主張から見て不祥事態の発生する虞があり、更には三十万人の多衆の集合するメーデー式典においては、主催者の意図に拘らず、統制も、不穏分子の混入防止も完全には行い難いと認められるので、昭和二十七年五月一日の騒擾事件の例もあり、治安上から見て原告の主催する中央メーデー式典が皇居外苑で行はれることは相当ではない。以上の事由によつて原告の本件申請は、被告の定めた前記許可取扱基準に該当せず、又これを許可することは被告の管理上著しい支障となることが明らかであるから被告は本件不許可処分をなしたのであつて些かも違法の点はない。」と主張した。(証拠省略)

三、理  由

原告が別紙目録記載の労働組合及び職員組合を以て組織される勤労者の団体であり、昭和二十八年五月一日皇居外苑において参加人員三十万人の予定で中央メーデー式典を主催するため、昭和二十八年一月三十日その管理者たる被告に対し、昭和二十八年五月一日午前八時より午後四時迄の間右メーデー式典の会場として皇居外苑二重橋前広場を使用するについて、規則第四条に基く使用許可申請をなし、被告が同年三月二十三日該使用を許可しない旨決定してその旨原告に通知したことは当事者間に争がない。

被告は規則第四条の許可は所謂公物使用の特許であつて、申請者に対して権利を設定するものであり、義務を課し、権利を剥奪するものでないから、被告において全く自由に決しうるところであつて仮にその裁量を誤るも違法の問題を生じないと主張するが、しかし元来行政庁がある権限を有するということは、単に一定の行為をなし得る権能を有するという面のみではなく、同時に常に適正に該行為をなすべき義務の反面をもつて居るのであり、自由裁量と言ひ、法規裁量と言ふも、それは許される裁量の量的な広狭の差異があるだけであつて、要は具体的事例においてなされた裁量が、その事例について許されたる裁量の範囲を超えて居るか否かの点にある。(いわゆる自由裁量にも限度があり、その限度を越えるものの違法性は考へ得ることである。)従つて被告のなした本件不許可処分が違法なりや否やは被告が皇居外苑について如何なる内容の管理権限を有して居るか、本件不許可処分が被告の有すると認められる管理権限の当然の作用と認められるか否かにある。被告が規則第四条の許可をなす権限は、被告が皇居外苑の管理者として有する管理権に内包せられるが、その管理権は管理する対象たる物と切離しては考へられないものであつて、管理権の内容は管理対象物の性格によつて決せられる。そこで次に皇居外苑の性格とそれによつて規定される被告の有する管理権限の内容について考へる。

皇居外苑は国の所有であるが、国有財産法第三条第二項第二号の公共福祉用財産として公共の用に供された国民公園であることは当事者間に争がない。国有財産法第十三条によれば、公共福祉用財産はその設定並びにその用途の廃止については国会の議決を経なければならぬものであつて、管理行政庁の任意的意思決定に基き設定、用途廃止のできるものではない。かかる国民の直接の代表機関たる国会の決定に基き、直接公共の用に供せられたもの、それが皇居外苑の性格である。ところで国会の議決に基き公共の用に供せられるとは、管理行政庁の意思如何に拘らず、そのものの位置、形態等それ自身の持つ性質に応じた用法に従う公衆の利用に公開されると言うことであり、かかるものとして直接公共の用に供せられるとは、単なる公共物と異なり、積極的に公衆の利用に供せらるべきものであることをその本質とするものであることを意味する。皇居外苑が以上の通りのものである以上、その管理者として被告の有する権限の内容は、被告において、皇居外苑を、その性質に応じた方法において積極的に一般公衆の利用に供し、その利用の調整、その利用のための維持、整備をなすことでなければならない。

従つて被告のなした本件不許可処分が被告の管理権限の当然の作用であるか否かを決するには更に皇居外苑の有する性質を考えて行かねばならぬ。証人田村剛の証言によれば、皇居外苑は全体としての特色は、景観を主とするもので造園技術上装飾広場たる点にあるが、同時に他の広場たる特性をも併有しないわけではなく、その中二重橋前広場は、装飾広場としての苑路たるに止まらず、多数人の集合することを予定する空地帯としての広場(狭義の広場)たる性質を有するものであつて、ここにおいて集会が催されることは現状の変更を伴はない限り皇居外苑の性質に反するものではない事実が認められ、証人森本潔の証言中右認定に反する部分は到底信用することができない。昭和二十一年より昭和二十五年迄皇居外苑のメーデーのための使用が許可され、メーデー式典が挙行されて来たことは当事者間に争いがなく、又各種の集会等が行はれて居たことは公知の事実であり、旧皇室苑地運営審議会が昭和二十四年四月二十日政府に対し皇居外苑を国民広場として公開することと答申したことは当事者間に争がなく、証人田村剛の証言によると、その答申の趣旨は従前の現実の使用状況を原状の回復を妨げない限りそのまま踏襲して、公衆の利用に供するとの内容であつた事実が認められるが、この点よりしても二重橋前広場が多衆の集合に使用させても、その本来の用途に反するものでないことは明らかであろう。

以上判示の処よりすれば二重橋前広場の、その性質に応じた使用方法には、集会の為の使用も含まれることが明らかであろう。被告は皇居外苑の本来の使用方法は、その美観と静穏とを保ち得る方法により広く一般国民の休息、散策、観光のために利用することにあるものとして居るが、前述の如く、皇居外苑は国会の議決に基き、その性質に応じた方法によつて積極的に公衆の利用に供せられることが決定されたものであり、被告はかかるものとしての皇居外苑を管理する権限を有するのみであるから、被告がその管理権に基いてその使用方法自体を規定することはできないものと言はなければならず、右の如き被告の使用方法を限定する内部的意思決定がなされて居ても、それによつて皇居外苑の性格と性質より由来する本来の使用方法が限定されるものではない。ところで証人野本正三の証言によれば、原告の主催する中央メーデー式典とは、勤労者の団結権表現の自由の保障を祝福し、勤労者の団結の姿を表明する勤労者の祭典であることが認められ、その事実よりすれば、その中央メーデー式典は集会の一つであると言うことができ、従つて二重橋前広場を中央メーデー式典会場として使用することは、二重橋前広場の、狭義の広場としての性質に合致するものと言うべく、被告はその管理権に基き全く任意に原告のなした本件使用許可申請を不許可としうるものではなく、前述の如き皇居外苑の性格からして被告は管理上支障を生ずる等何等かの正当な理由なくしては原告の本件申請を拒むことはできないものと言はなくてはならない。

そこで次に被告が本件不許可処分の理由として挙げる処を検討しよう。

被告は、原告の本件許可申請が管理権者として規則第四条の許可について被告が定めた規準に合致しないと主張する。証人森本潔の証言によれば、右規則第四条の許可の規準は、変遷はあつたが昭和二十七年五月一日の騒乱以後は、国家的行事に限つて許可するものとするにあることが認められるが、それは単なる内部的意思決定にすぎないものであり、又皇居外苑の前述の如き性格と性質とから由来する被告の権限を超えた規準の定立であり、右の如き規準に合致しないと言ふことは不許可の理由とはなり得ず、従つて右規準に合致しない集会であることを理由として外苑の使用を拒むことは、上来説示したところからして、管理の権限を超えた違法のものと云わざるを得ない。その他被告が二重橋前広場使用不許可の理由とするものについて、管理権の行使を誤つた違法の点があつたとしても(例へば被告のあげる治安上の理由は、集会そのものの許否について治安関係行政庁の考慮すべきことではあり得ても、使用関係のみについて管理権を有するに過ぎない被告の権限を超えるものであるが如き)元来違法な行政処分取消を求めるものは、その取消を求める利益を有することを要するものであるところ、右利益の有無は本件の場合において広場の使用不許可処分によつて原告が権利を侵害せられて居るか否かにより定まるので、この点について考へる。皇居外苑が公共福祉用財産たることは、国会の議決を経たものであるからその用途廃止の議決がない限り管理者はその議決に従い、公共福祉用財産として管理すべき義務があり、従つて皇居外苑を直接公共の用に供しなければならないのではあるが、右義務は、行政上右の如く処置すべき義務たるに止まり、直接公共の用に供せられた結果皇居外苑を利用する各人(法人、その他の団体を含む)のために当然に使用権が設定されることを意味するものではない。各人の外苑使用は管理者たる被告が前示義務履行として直接公共の用に供した結果の反射的利益にすぎないものと解するを相当とし、規則第四条の許可に因つて始めて使用権が設定されるとする見解は正当となさざるを得ない。

して見れば違法な不許可処分によつて、原告が皇居外苑についての何等かの使用権原(具体的権利に止まらず、抽象的な権能をも含む)を侵害されるということはあり得ないものと言はなくてはならない。又本件不許可処分は中央メーデー式典の挙行という集会そのものを対象とするものではないから、憲法第二十一条、第二十八条に違反して集会の自由、団体行動権を侵害するものでもあり得ない。

右に述べた如く、本件不許可処分の違法が原告の法令上の権利を侵害するものでない以上、原告は本訴請求をなすにつき法律上の利益を有しないものと言う外はない。

よつて原告の本訴請求を却下し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決する。

(裁判官 毛利野富治郎 岡部行男 山田尚)

(別紙目録省略)

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