大判例

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東京地方裁判所 昭和29年(タ)73号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(この判決は、財産分与の性格について明快な見解を示しているので、事実関係はさておき、その判断の部分だけを掲げる)

〔判断〕思うに、民法第七六八条にいわゆる財産の分与はげ婚姻中、夫婦の一方が取得した財産、その特有財産であつても婚姻を通じてこれが維持されて来たものは、他方の配偶者の協力、扶助がなんらかの形でそれに還元されているはずであり、従つて、その財産は、実質的には、夫婦の共有とみるべきものであるから、離婚に際してこれを清算せしめようとするものであり、債権法的には、持分の取戻に類似する。もちろん離婚に際してこの財産分与は、右の趣旨だけに限定されるべきものでなく、離婚により配偶者がただちに生計の資に窮するということは、公平の見地からとうてい容認することができないところであるから、その配偶者が離婚原因につき有責であるか無責であるかにかかわりなく、その配偶者の身分に応ずる扶養を他方の配偶者に行わしめることも法の意図するところであり、これは右制度の沿革に徴しても明らかである。そうして、財産の分与をせしめるべきかどうか、分与の額及び方法を定めるにつき考慮されるべき一切の事情とは、主として右のような事情を指すものと解するのが相当である。

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