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東京地方裁判所 昭和30年(行モ)30号 決定 1955年12月26日

申立人 平野増吉 外二名

相手方 建設大臣

訴訟代理人 森川憲明 外四名

決  定

当事者の表示は別紙目録のとおり

右申立人等は相手方建設大臣が昭和三十年十月十三日相手方岐阜県の申請により県道高富岐阜線改築事業及びこれに附帯する事業について起業地を岐阜市湊町上材木町地内とする事業の認定(以下本件事業の認定という)が違法であるとして当裁判所に相手方建設大臣を被告としてその無効であることの確認及びその取消の訴(昭和三十年(行)第一一八号事件)を提起し、且つ本件事業の認定及び相手方岐阜県が右事業の認定に基づいて為す事業の進行及び土地収用手続の執行の停止を申立てたので、当裁判所は相手方の意見を聞いた上判断するに、行政事件訴訟特例法第十条第二項により行政処分の執行を停止するには(行政処分の無効確認を前提とする場合にも同条の適用を受ける)当該相手方を被告とする本案訴訟の提起されていることを要すると解すべきであるから相手方岐阜県に対する本件申立は不適法である。又右法条により行政処分の執行を停止するには本案請求が法律上理由ありとみえ、且つ事実上の点についてこれを推認される場合に限り許されるものと解すべきところ当事者双方の提出にかかる疏明資料を比較検討すると本件事業の認定が申立人等主張のように違法であるとは未だ推認することができない(申立人等は本件事業の認定により行われる取付道路の設置により洪水の危険が著しく高まると主張するのであるが相手方提出の疏乙第三号証第八号証第九号証第十一号証からその危険は現在の状況より著しく高まることは推認できない)から相手方建設大臣に対する本件申立はその余の点につき判断するまでもなく理由がないと認め次のとおり決定する。

主文

本件申立はいずれも却下する。

(裁判官 飯山悦治 岩野徹 井関浩)

当事者目録<省略>

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