東京地方裁判所 昭和33年(ワ)6751号・昭32年(ワ)4465号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕(2)の主張については、調停調書中前葉と後葉の連絡を認すべき契印のない部分があることは当事者間に争がなく、また検乙第一号証によれば、調停調書には、物件目録および図面が添付されてはいるが、物件目録中加除訂正部分に認印が施された形跡がないことを認めることができる。いうまでもなく、紙葉間の契印や加除訂正部分の認印は、調停調書の連続性、一体性を保証し、またこれが改ざんを防止するための手段であり、確定判決と同一の効力を有する債務名義たる調停調書においても右のような処置がなされることが望ましいことは勿論であるけれども、右の処置を欠くからといつて直ちに調停調書が無効になるわけではなく、調停調書を全体的、有機的に検討してその連続性、一体性および内容の確実性が確認できれば、その効力に消長をきたさないと解すべきである。以上のような観点から本件調停調書を全体として観察してみると、その一体性、連続性および内容の確実性を認めることができるのであつて、これを無効と断ずべき根拠はない。(平賀健太 東原清彦 石田穣)