大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和33年(行)122号 判決 1958年12月26日

東京都目黒区下目黒八六七番地

原告

加藤利正

右訴訟代理人弁護士

森真一郎

雨宮勘四郎

同都港区芝愛宕町二丁目一〇三番地

被告

芝税務署長

島田芳雄

右指定代理人

法務省訟務局付検事

真鍋薫

法務事務官

綾部康弘

大蔵事務官

松田正典

藤崎桃樹

田中裕司

右当事者間の執行異議事件について、次のように判決する。

主文

本件訴を却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は、「被告が昭和三〇年五月二四日別紙日録記載の電話加入権に対してした差押処分を取り消す」との判決を求めその請求原因として「原告は別紙目録記載の電話加入権者であるところ、被告は昭和三〇年五月二四日国税滞納処分に基く差押処分をした。そこで、原告は、被告に対し再調査の請求をしたが棄却されたので、東京国税局長に対し審査の請求をしたが、同局長は昭和三一年五月三一日請求を棄却する旨の決定をし、該決定は同日原告に通知せられた。しかしながら、右滞納処分は訴外東邦化学産業株式会社(本店所在地、東京都港区芝田村町一丁目四番地)に対するものであつて、これにより原告の右電話加入権を差し押えることは違法であるからその取消を求める」と述べた。

被告指定代理人は、本案前の答弁として主文同旨の判決を求め、その理由として「原告が被告の本件差押処分の取消を求める訴を提起し得るのは、国税徴収法第三一条の四、第二項により原告が該差押処分に関する審査決定の通知を受けた日から三カ月以内に限られているところ、本件においては、原告は、本件差押処分に関する審査決定の通知が原告に到達した昭和三一年五月三一日から三カ月を経過したこと明らかな昭和三三年九月一日に至つて本件訴を提起したものであつて、本件訴は不適法である」と述べ、本案の答弁として「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」との判決を求め、その答弁として「本件電話加入権が原告に属しているとの点を除きすべて認める。右加入権は前記訴外会社に属しているものである」と述べた。

理由

原告は、本件において被告に対し国税滞納処分に基く差押処分の取消を求めているのであるが、かかる訴は、該差押処分についての審査決定の通知を受けた日から三ケ月以内に提起することを要するところ、本件において原告が東京国税局長から本件差押処分についての審査決定の通知を受けた日が昭和三一年五月三一日であることは当事者間に争なく、しかして原告が本件訴を提起した日が昭和三三年九月一日であることは記録上明らかであるから、本件訴は右昭和三一年五月三一日から三ケ月を経過して提起されたものであつて、不適法として却下を免れず、訴訟費用の負担につき民訴八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 浅沼武 裁判官 小谷卓男 裁判官 秋吉稔弘)

目録

日本電信電話公社 電話加入権

五九局 一、五三二番

五九局 一、五三三番

以上

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例