大判例

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東京地方裁判所 昭和34年(ワ)6460号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕まず、被告らは、請求原因1に記載する建物の増改築に関する原告主張の特約(増改築については賃貸人の承認後でなければこれに着手しない、これに反するときは催告を要しないで賃貸借契約を解除することができる旨の特約)は、借地法第一一条によつて無効であると主張するので、この点について考えるに、本来土地賃借人はその契約の目的で定められた範囲内で自由に当該土地を使用収益しうるのが建前であるから、既存の建物が手狭まになつたときは同じ使用目的の下に増改築することも自由であるのが原則ではあるが、またその反面土地賃借人が賃貸人との間にどのような交渉をもつた上どのような構造と目的をもつ地上建物を建築しまたは増改築するかということは、賃貸人と賃借人との間の信頼関係および賃貸借契約の存続期間その他の契約条件、さらには地上建物の買取義務に関し賃貸人に重大な影響を及ぼす事柄であるから、その双方の利害を調節するため本件のような特約を締結した場合には、その特約の内容がいかなる意味においても絶対に増改築を禁止するものであつたり、また直接的に借地法第一一条所定の法条による賃借人の権利を廃棄する目的とするなど、賃借人に特段の不利益を甘受させるものでないかぎりは、その特約自体の効力は有効と解するのが相当であるところ、本件特約の内容を検討すると、それは単に背信的な増改築を制限するにとどまり、被告らに特段の不利益を甘受させるものとは解し得ないから、右特約自体を無効と解することはできず、この点の主張は採用することができない。(安藤覚 高瀬秀雄 小倉顕)

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