大判例

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東京地方裁判所 昭和35年(ワ)1608号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕原告は破産会社が昭和三二年七月五日の支払停止の後に被告に対する借金の一部弁済をした行為を、破産法第七二条第二号によつて否認し、右弁済金の返還を求めたのであるが、本件訴訟については、民事訴訟規則第二六条による準備的口頭弁論が行われ、第三回口頭弁論において証拠の整理完了が宣言されていた。ところが被告代理人はその後の第六回口頭弁論期に乙第一ないし第三号証、第四号証の一、二、第五号証を提出し、証人石原富造の再尋問を申出た。原告は、これらの証拠申出は被告が故意または重大な過失によつて時機におくれてしたものであるとして、民訴法第一三九条第一項により却下を求めた。この却下申立に対し、判決は次のように判断している。

「一般に証拠の整理完了の宣言後に新に証拠の申出をすることは特段の事由がない限り民事訴訟法第一三九条第一項の要件を充足し、その申出は却下されるべきものと解せられるが、本件については、記録によれば、原告は第三回口頭弁論期日で後日施行される証人尋問の結果をみて書証の提出をしたい意向をもつていたこと、並びに証人石原富造の証言(第一回)、弁論の全趣旨によれば、被告は乙第四号証の一ないし二『現金出納簿』をその提出直前まで発見できなかつたことおよび被告訴訟代理人は同証言によつて被告の積極的否認事実を細部にわたつて証明できるものと信じていたが、同証人の尋問後同証人の記憶が明確でなかつたため、証拠資料の不完全を補足する主旨で、同証言にあらわれた範囲内の事実を尚一層明確にするため、右乙各号証の提出と同証人の再尋問を申請したことが認められ、これらの諸事情によれば、被告訴訟代理人および被告が『故意または重大な過失によつて時機に後れて証拠の申出をした』ということはできないから、原告の右申立は却下する。」

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