大判例

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東京地方裁判所 昭和36年(ワ)4308号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と争点〕被告遠藤三九は砂利運搬販売を業とするもの、被告勇はその長男で自動車運転者であり三九の事業を手伝つていたものであるが、昭和三五年九月一八日午後二時過ころ被告勇は三九所有の貨物自動車を運転中、原告らの長男大島喜八郎の乗車していた第一種原動機付自転車と接触し、みぎ喜八郎を死亡せしめた。原告らはみぎ事故は被告三九の事業の執行につき惹起されたものとして、同被告に対して自賠法第三条により損害賠償を求めたところ、被告三九は、事故当日は定休日で被告勇は被告三九の事業と関係なく純然たる私用のため当該自動車を運転したものであるから、被告三九の事業の執行のためのものでなく、自賠法第三条の要件を欠き、同被告には損害賠償責任はないと抗争した。

判決は本件事故が被告勇の私用のための運行中に発生したものと認定したが、自動車の所有者である被告三九と被告勇の身分関係、日常運転管理の状況からして客観的外形的には当該自動車所有者のためにする運行と認められると判断して、被告三九に自賠法第三条による損害賠償責任を認めた。判決はつぎのように説明している。

〔判決理由〕被告遠藤三九は、右事故が被告勇の私用目的のための運行中発生したものであるから自動車損害賠償保障法第三条に基く責任はない旨主張する。なるほど、前掲証人萩原昌の証言および被告遠藤勇尋問の結果によれば、被告勇は事故当日第三日曜の定期日であつたので、私物の洋服箪笥を運搬するためと同窓会打合せのため小学校同級生と五反田で逢うための私用目的で前記貨物自動車を運転したことは認められるけれども、右被告尋問の結果によれば、被告勇は、被告三九の長男で、家業である建築材料の運搬販売業を手伝い、平常は右営業のため本件自動車を管理し、自由に運転していたものであることが認められる。そうとすれば、たとえ、本件事故を生じた際の運行行為が被告勇の私用のために行われた運転であつても、自動車の所有者である被告三九と同勇との間の前記身分関係並びに日常の運転管理の状況からして、客観的、外形的には当該自動車所有者のためにする運行と認められるので、被告三九は、「自己のために自動車を運行の用に供する者」というべく、自動車損害賠償保障法第三条による損害賠償責任を免れ得ないものと解するを相当とする。(最判昭和三九年二月一一日参照)(土田勇)

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