大判例

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東京地方裁判所 昭和37年(ワ)8314号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕原告は被告に賃貸している本件家屋は東京都文京区護国寺前都電交又点電車停留所前の電車通りに面し、繁華街で、被告は本件家屋でバー喫茶店を経営している。その賃料は昭和三一年四月一日一ケ月金七五〇〇円に改訂されるまで満六年を経過し、借家法第七条にいう土地建物に対する租税その他負担の増加、土地若しくは建物の価格の昻騰によつて賃料が著しく不相当となつたので、本件訴状送達によつて一ケ月三万円に改訂する旨意思表示をし、その訴状は昭和三七月一〇月二三日被告に送達されたので、その翌日から賃料は一ケ月金三万円となつたと主張した。

被告は従前の賃料が適正額であると抗争した。

判決は本件家屋はその店舗坪数から云つて原告が値上請求をしたと主張する昭和三七年一〇月二三日当時地代家賃統制令の適用をうけないことあきらかであると判断した上、鑑定の結果を採用して本件家屋の賃料は一ケ月一万四五〇〇円が相当であると判断し、原告の請求を一部認容し、つぎのとおり説明している。曰く、

「鑑定人郡富次郎の鑑定の結果によれば本件家屋の昭和三七年一〇月二三日当時の賃料は一ケ月一万四、五〇〇円(同鑑定主文は鑑定時の昭和三八年三月十八日当時の賃料額を示しているがその鑑定書の評価理由の部を検討すれば右鑑定主文の賃料と、昭和三七年一〇月二三日当時の賃料とは同額であると認められる)が相当であることが認められ、昭和三一年四月一日当時の賃料一ケ月七、五〇〇円は右賃料相当額に比して不相当となつたことは明かであつて、その不相当となつた主たる原因は、特に反証のない本件においては物価騰貴、特に不動産(本件家屋及び敷地)の価格の昻騰(昭和三一年四月頃以降不動産の価格が著しく騰責したことは明かなところである)に由来するものと認めるを相当とすべく、したがつて原告は借家法第七条にもとずく賃料増額請求権を有するものなるところ原告が本件訴状において一ケ月三万円に値上を請求する旨主張しその訴状が昭和三七年一〇二三日被告に送達されたことは本件記録に明瞭であるから、右賃料はその翌日より客観的に相当額である前記鑑定賃料一ケ月一万四、五〇〇円に増額されたと云わなければならない」。

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