東京地方裁判所 昭和38年(レ)191号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔事実と判断〕控訴人は昭和三四年一月三〇日訴外飯田千代子から金二万円を返済期昭和三四年一〇月末日の約で借受け、被控訴人は昭和三七年一月一〇日右貸金債権を同訴外人から譲受け同年一月二二日同訴外人に代位してその旨、債務者である控訴人に通知したと主張し、貸金の支払を求めた。被告はみぎ通知の到達の事実を認めた。判決は民法第四六七条所定の債権譲渡は観念通知であるから代位は許されないとして訴控訴人のなした前記債権譲渡の通知は無効であると判断しつぎのとおり説明している。曰く
「しかしながら、民法四六七条所定の債権譲渡の通知は、その性質上譲渡人自身の為すべき行為であり、かつその法的性質は、講学上にいわゆる観念の通知であつて、債権譲渡人が債務者に対して債権者として有する権利とは言い難いから、これを譲受人が譲渡人に代位して為すことは許されないものであり、従つて仮に前記債権譲渡の事実が認められるとしても、控訴人がそれを争つている以上、被控訴人が右訴外人に代位して控訴人に債権譲渡の通知したのみでは、被控訴人は控訴人に対して右譲渡の効果を主張し得ないものと解すべきである。」