大判例

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東京地方裁判所 昭和38年(ワ)11229号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕以上認定の事実によれば、原告は前示のごとき永井課長の言が真実であると誤信し訴外組合に対し前示売掛および貸付をしたのであり、もし同課長の言がなければ右売掛および貸付をしなかつたことが推認される。してみれば、原告は永井課長の故意または少なくとも過失にもとづく言辞によつて前示残債権三六六万三、九三七円の回収不能に陥り、同額の損害を受けたものであり、しかも永井課長の前示行為が使用者たる更生会社の事業の執行につき原告に損害を与えたものであることは前示認定の事実に徴し明らかであるから、更生会社は民法七一五条一項の定めるところにより右損害を賠償すべき債務を有するといわねばならない。

これに対して、被告は被害者たる原告にも過失の責があるから損害賠償額を斟酌すべきであると抗争するので、審案するに、永井課長は更生会社の下請工場の製材買入に関する事務を担当する直接の責任者であるとはいえ一課長の地位にあるにすぎず、同人の言を軽軽に信用し、その上司に対しての言が真実であるか否かを確認することをしなかつた原告にも当然なすべき注意義務を怠つた過失があるというべく、その割合は前示認定にかかる諸般の事情を勘案するときは、これを二分の一と認めるのが相当である。(岡垣 学)

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