東京地方裁判所 昭和39年(行ウ)83号 判決 1964年11月28日
原告 渡利全策
被告 人事院
訴訟代理人 小林定人 外四名
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は、原告の負担とする。
事 実 <省略>
理由
原告は、被告が国会及び内閣に対して報告した昭和三八年人事院報告書中の原告に関する記載部分は事実に反するとして、その訂正を求めて異議申立をしたが、被告がこれを却下したのは違法であると主張するところ、人事院が国会及び内閣に対してする業務の報告は、公権力の行使に当たる行為でないのみならず、それ自体として国民に対しなんらの法的不利益を生ぜしめるものでないから、この業務の報告書中に原告に関する記載があり、それが事実に反するものであつても、右報告書の記載をもつて、行政不服審査法第二条にいう処分に当たるものということはできない。
してみれば、原告の異議申立を却下した被告の決定は適法であり、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 白石健三 浜秀和 町田顕)
訴状、答弁書<省略>