東京地方裁判所 昭和40年(モ)23153号 判決
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〔判決理由〕本件申立は、その理由によれば、結局「申立人は本件仮処分の債務者ではないが、同決定後の事情の変更により、右仮処分の債務者である東京電気に代位して、同決定中本件係争部分についてのみ、その取消を求める」というにあること明らかである。しかしながら、本件のような執行吏保管、債務者の占有移転禁止等の仮処分の場合には、仮処分債務者以外の第三者が右債務者に代位して該仮処分の取消を求めるためには、右第三者と債務者間に当該仮処分の目的物に関して、賃貸借その他特別の法律関係が存在して、右特別の法律関係により第三者が債務者に対し該仮処分の目的物につき引渡請求権を有していて、右請求権を保全する必要あることが、その要件であるというべきところ、本件においては、その申立の理由によるも、申立人は本件係争部分につき唯占有権を有するのみで、申立人と仮処分債務者である東京電気との間においては、なんら特別の法律関係がなく、したがつて申立人が東京電気に対し右係争部分の引渡請求権を有しないこと明らかであるから(少くとも、右請求権を有する旨主張していないこと明らかであり、また申立人の前に本件係争部分を占有していたと見られる渡辺市衛と東京電気間、および申立人と渡辺市衛間にそれぞれ前記のような特別の法律関係が存在して、各前者が後者に対し本件係争部分の引渡請求権を有する旨主張していないことが明らかであるから)、仮に本件仮処分決定後、申立人主張のような事情の変更があるとしても、申立人は東京電気に代位して(または渡辺市衛の東京電気に対する代位権を更に代位して)、本件仮処分決定の取消を求める当事者適格を有しないものというべきである。(古川純一)