東京地方裁判所 昭和40年(ワ)6号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕原告の本訴請求は、裁判官たる被告ら三名のなした判決を誤判とし、これによる損害につき、被告ら個人に対しその賠償を求めるものであるが、かかる損害につき裁判官個人に対し賠償請求をなしうるか否かは問題の存するところである。しかしながら国家賠償法第一条の「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員の職務行為による損害については国又は公共団体が賠償の責に任ずる」旨の規定は公務員の職務行為による損害については、国等に対し公務員に代位して賠償責任を負担せしめ、当該公務員個人に対しては直接被害者に対する責任を負担せしめる趣旨と解すべきである。
けだし、被害者としては国家等から賠償をうけることにより十分かつ確実に救済されうるのであるから、公務員個人に直接請求する必要はなく、同条第一項「国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる。」との用語例を用いているのも右の解釈により適合するものといいうるからである。(古山宏・中田四郎・加藤和夫)