東京地方裁判所 昭和41年(ワ)1361号 判決
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〔判決理由〕よつて、本件原告の申立てた当事者の表示訂正が、単に当事者の表示の訂正にとどまるか、当事者の変更を来すものであるかを判定しなければならないが、それにはまず本訴における被告が何人であるかを確定することが、先決問題である。ところで、具体的訴訟において何人が当事者であるかをきめる標準については、諸種の見解が存するが、当裁判所は訴状の記載によつてこれを定むべきものと解する。
これを本件についてみるに、株式会社大津商店と株式会社日本ドレスとは、その本店所在地および代表者が同一であるとはいえ、ともに現に実在する別個の会社であることは、本件記録添付の登記簿謄本および資格証明書により明らかである以上、原告が本件訴状に被告として表示した「株式会社大津商店」とは、右両者のうち前者を指すものと解するほかない。もつとも、原告主張の如く、株式会社日本ドレスは旧商号を株式会社大津商店と称し昭和三六年六月一〇日現商号に変更したものであること、原告はその事実を知らなかつたため旧商号をそのまま訴状に記載したもので原告としては同会社を被告とする意思であつたことは、弁論の全趣旨により窺うことができるけれども、訴状の記載だけからしては右会社を被告とする趣旨を判然と認めることはできない。
してみると、本訴における被告は、株式会社大津商店であつて株式会社日本ドレス(旧商号株式会社大津商店)ではないといわなければならない。したがつて、原告の申立てた表示の訂正は、被告を株式会社たる株式会社日本ドレスに変更することに帰着し、このような当事者の変更はわが民事訴訟法上許されないと解すべきである。(渡辺忠之)