東京地方裁判所 昭和41年(ワ)9623号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕……原告の被告に対する物件引渡請求のうち、別紙目録記載(一)の機械の引渡しを求める請求は理由があるが、その余の物件の引渡しを求める請求は理由がないものといわなければならない。
原告の金員支払請求は、その請求の趣旨、原因によると、いわゆる代償請求であり、これは、原告の物件引渡請求が認容されることを前提とし、認容された物件の引渡請求が将来履行不能となつたときに、その代償(物件の引渡不能によつて原告が蒙る損害の賠償)の支払いを求めるものであつて、物件引渡請求とは単純併合の関係にある将来の給付請求であり、物件引渡請求が認容されないことを解除条件として審判を求めるいわゆる予備的請求ではないけれども、原告が右のような請求を併合して、物件の引渡しのみでなく、物件引渡義務の履行不能による損害賠償についても審判を求めている目的に照らして考えると、口頭弁論終結時において既に物件引渡請求権がその履行不能に因つて消滅し、損害賠償請求権に変容している場合には、その損害賠償を請求する趣旨を、黙示的にではあるが含んでいる。すなわち、予備的請求としての損害賠償請求が黙示的にではあるがなされているものと解することができる。(寺井忠)