大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和42年(ワ)11439号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、(事故の発生)

請求原因第一項(一)ないし(五)の事実は当事者間に争いがない。<証拠>によれば、原告は本件事故により、左上腕骨粉砕骨折、右肘頭骨折ならびに神経損傷の傷害を受けたことが認められ、<証拠>によれば、原告は右傷害の治療のため、七浦病院に約一週間、金井整形外科に三週間それぞれ入院したこと、その後昭和四二年一二月まで通院したこと、後遺症として、右肘関節と左肘関節の機能障害があり、右肘関節は屈曲約一〇〇度、伸展約一二〇度まで、左肘関節は屈曲は殆んど障害がないが伸展は一七〇度までしか動かず、左肘関節の回転は内回転約九〇度、外回転約二〇度という状態であり、しかも左右とも肘部に長さ約一〇糎の手術痕があることが認められる。

<中略>

(二) 慰藉料

<証拠>によれば、原告および石田は一杉および被告山崎と館山の海岸で知り合い、会話を交わすうちに白浜へ行こうということになり、被告山崎運転の本件事故車に原告らが同乗したことが認められる。被告らは、過失相殺を主張するが、原告は右のような経緯で同乗したに止まり、例えば危険な道路を通行することを要求するなどして事故車の運行に影響を及ぼしたような事情も、危険を承知で乗車したことも認められず、原告に過失があつたものと認めることはできない。しかし、右のような経緯で無償で同乗したことは慰藉料算定に当つては考慮し、本件事故の態様、傷害の程度、原告は労働能力低下による逸失失利益喪失の損害を請求していないことその他諸般の事情を総合勘案して、原告の慰藉料は、一二〇万円を以て相当と認める。(篠田省二)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!