大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(ワ)13874号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕責任原因と過失割合

(一) 被告会社が被告車の所有者であることは当事者間に争いがなく、被告会社が事故時点までに運行の支配・利益を喪失したことの主張立証はないから、被告会社は被告車の運行供用者というべきである。

(二) 被告青木には、次に述べるような過失が認められるから、同被告は民法七〇九条により、賠償責任がある。

<証拠>によれば、本件事故現場附近の道路状況は、町田(南西)方面から東京世田谷(北東)方面へ通ずる幅員10.7米の道路と立川(北西)方面から川崎(南東)方面へ通ずる幅員8.8米の道路とが直角に交差しており、交差点には信号機が設置せられ、道路はいずれもアスファルト舗装で平坦であり歩車道の区別はないこと、速度制限は時速四〇粁であることが認められる。

<証拠>によれば、被告青木は交差点の手前約二二米の地点で既に交差点に進入している原告車を発見しながら、警音器を鳴らさなかつたことが認められ、<証拠>によれば、道路はアスファルト舗装で平坦であり且つ乾燥していたこと、そしてスリップ痕が16.7米あつたことが認められ、右スリップ痕の状況と<証拠>に照らし、被告車は少くとも時速五〇粁であつたことが認められる。したがつて、被告青木は、警音器を鳴らさず、しかも制限速度を少くとも一〇粁上廻る速度で運転していたために、原告車を発見して直ちに急制動をかけたが衝突を避け得なかつた過失が認められる。

(三) 次に過失割合について判断する。

<証拠>によれば、原告は世田谷方面から一旦交差点南側の稲田警察署前に横断した後、立川方面へ進行したのであるが、その際立川方面へ進行する者に対する信号は赤信号であつたことが認められる<証拠判断・略>。

これに対して、<証拠>によれば、衝突直後には被告車進行方向の信号が黄信号であつたことが認められるが、被告車が交差点に進入する時点における右信号が黄信号であつたか青信号であつたかは本件全証拠によつても確定できない。ところで、過失相殺における原告の過失を基礎づける事実については被告側に証明責任があるから、この点に関しては、原告にとつて一層不利な事実即ち被告車進行方向の信号が青信号であつたことの証明がないものというべきである。以上の諸事実と前記(二)の事実によれば、原告には赤信号を無視して進行した重大な過失があり、又、被告青木には、黄信号であるにも拘らず敢えて交差点に進入した過失、交差点より二二米手前で原告車を発見しながらも警音器を鳴らさず、しかも制限速度を少くとも一〇粁上廻る速度で運転していた過失があるものとして両者の過失割合は原告七、被告青木三を以て相当と認める。(篠田省二)

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