東京地方裁判所 昭和42年(ワ)14003号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕被告は民法上の留置権があると主張する。ところが、原告は被告主張の債権は商行為により生じた債権であるから、商法上の留置権は発生しても民事留置権は発生しないというので、まず、この点について判断する。
思うに、留置権は公平の原理に基いて債権者に認められる担保権であつて、債権者の占有する物が債務者の所有に属するときは、その物に関連なき債権であつても、商人間の債権その他特別の場合に債権者に担保のために留置することを商法は許容するのであり、また、一方当該債権がその物に関連して生じたものである限り、民法は債務者以外第三者の所有に属するものであつても債権者に留置せしめることをもつて公平の原則に適合するものであるから、民法もしくは商法の規定するいずれかの要件を充足すれば、商事、非商事を問わず留置権の発生を認められてしかるべきものである。これと異る見解に基く原告の右主張は採用しない。(綿引末男)