大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(ワ)3706号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕次に被告会社の責任につき判断する。

本件「バー」は被告会社が経営するものであり、被告丸山は本件バーのバーテンダーとして被告会社に雇傭されていたことは当事者間に争いがない。被告会社は、被告丸山の本件不法行為について使用者としての損害賠償責任を負うべき筋合でないと争うけれども、前記二で認定した事実、とりわけ

1 本件傷害の発端は、原告が飲食した代金額についての紛争であり、被告丸山も請求額が正当であることを客である原告に説明するうちに原告と口論になつたものであること。

2 被告丸山が原告について外へ出たのも、本件バーのマネージヤーである雨宮学が原告の要求に屈し、相手が客であるということから、理非はともかくとして、右の応接における被告丸山の接客態度に遺憾なところがあつた旨の謝罪の意を表明させるために、同被告に指示したことによるものであること。

3 本件傷害の場所は、店舗内ではないが本件「バー」からは数十メートルしか離れておらず、かつ時間的にも右二のような経緯で、被告会社の店舗である本件バーを原告が出ると程なく発生していること、その兇器は、本件バーで営業に用いられている包丁であつたことを考えるならば、被告丸山の本件傷害は、同被告が被告会社の事業の執行につき原告に加えたものと解するのが妥当である。そして被告会社に、被告丸山の不法行為について使用者として負うべき責任を免れることのできる事由があつたことについては何ら主張立証がないから、被告会社は被告丸山の使用者として被告丸山と共に原告の本件損害について賠償の責件を負うべきものである。(山本和敏)

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