東京地方裁判所 昭和42年(ワ)8227号・昭44年(ワ)3127号 判決
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〔判決理由〕借地法一条にいう建物の「所有ヲ目的トスル」とは、土地の賃貸借の主たる目的がその土地上に建物を所有する場合を指し、その主たる目的が建物の所有以外の事業を行うことにある場合は、借地人が貸主からその事業のために必要な付属の事務所、倉庫等の建物を建築し、所有することの承諾を得ていたとしても、特段の事情がない限り、その土地の賃貸借は借地法一条にいう「建物ノ所有ヲ目的トスル」賃貸借に含まれないと解すべきである。
ところで、前記認定事実によれば、本件土地は自動車駐車場としてのみ使用する目的で賃貸されたのであつて、本件土地上に存する本件建物は所謂プレハブ式の簡易な構造のもので、主として駐車場の事務所として使用され、また本件駐車用施設は軽量鉄骨の支柱にビニール板の屋根を葺いただけの周壁のない所謂駐車場であつて、右建物及び駐車用施設は何れも自動車駐車場の事業のための付属の建造物にすぎないとて、本件賃貸借契約締結にあたつて、加藤と被告有賀間には、A地の場合とは異なり契約書が作成されず、都心部の場合であるのに権利金又は敷金の授受もなく、賃貸借期間についても特に定めがなかつたことが認められるから、本件賃貸借は、建物の所有を目的とするものとはいえず、従つて借地法の適用はないものというべきである。(渡辺剛男)