大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。
官報全文検索 KANPO.ORG
月額980円・今日から使える・メール通知機能・弁護士に必須
AD

東京地方裁判所 昭和42年(ワ)8944号 判決 1968年4月19日

主文

(一)  被告は、金四、〇八二、〇〇〇円とこれに対する昭和四二年八月二九日から支払ずみまで年五分の割合による金員を、原告に支払え。

(二)  訴訟費用は、被告の負担とする。

(三)  この判決は、原告において金一〇〇万円の担保を供するときは、仮りに執行することができる。

申立

原告の求めた裁判

(一)  主文第(一)、(二)項と同じ。

(二)  仮りに執行することができる。

被告の求めた裁判

(一)  原告の請求を棄却する。

(二)  訴訟費用は、原告の負担とする。

主張

原告の主張する請求の原因

(一)  原告は、昭和二六年二月一日ミシン販売担当の社員として被告に雇傭され、昭和四〇年四月以降の賃金は月額金二六二、〇〇〇円であつた。

(二)  原告と被告は、昭和四一年八月二九日、原被告間の雇傭契約を同月末日限り解約することを合意した。

(三)  被告の就業規則によれば、満一〇年以上の勤続者に対して一ケ年について給料一ケ月分の割合による退職金を支払う旨の規定があり、原告の勤続年数は一五年七月であるので、次の算式により、

262,000円×15.5833=4,082,000円(千円未満切捨)

その退職金の総額は金四、〇八二、〇〇〇円となる。

(四)  よつて、原告は、右の退職金とこれに対する本訴状送達の翌日である昭和四二年八月二九日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

被告の答弁

原告主張の請求原因事実は全部認める。

被告主張の抗弁

原告は、昭和四〇年八月二九日、被告に対し、退職金債権を予め放棄したものである。

原告の答弁並びに仮定再抗弁

被告主張の抗弁事実は否認する。

仮りに、被告の主張のとおり、原告が退職金債権を放棄したものであるとしても、その意思表示は、要素の錯誤に基くものであるから無効である。

被告の抗弁

原告の要素の錯誤の主張事実は否認する。

証拠(省略)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例