大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(借チ)1003号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕三、そこで、次に当事者間の利益の衡平をはかるために必要な付随の処分について検討する。

(一) まず財産上の給付についてみると、前認定のように既存建物部分は昭和二八年頃建築されており(その後昭和三五年頃に一〇・九〇平方米((三、三〇坪))ほど増築している)、それは、あと三年ほどの残存期間終了時に契約が更新された場合、その後の存続期間内に朽腐するか否かは定かではないけれども、いずれにせよ今回別紙(三)記載の本件増築をするとすれば、既存部分と増築部分との間に、耐用年数につきかなりの差異を生じることとなり、結局本件増築が借地契約の存続期間に影響を及ぼすことがうかがわれるのであり、この相手方の不利益に対し相当な財産上の検討をさせることが適当だと考えられる。<中略>

まず、本件土地の更地価額について鑑定意見は一平方米当り四八、四〇〇円(三、三平方当り一五万九七二〇円)と評価しているが、前認定の如き本件土地の位置、環境等から考えて、三、三平方当りの更地価格は右鑑定意見の指摘する価額の端数を切り上げた一六万円、本件土地に対する合計一、三二〇万円が相当であると認める。

ところで、申立人は昭和二六年三月二〇日頃相手方らの先代より本件土地を借り受ける際に、約金六万円の財産上の給付をしていることが認められるが、それは、右更地価額を基礎に六大都市市街地価格推移指数表により右財産上の給付をした当時の更地価額を求め、それとの割合を算定すると、それは当時の更地価額の約三〇%相当の比較的多額の金額であつたことがうかがわれるが<中略>、他方、契約締結当時から現在に至るまでの賃料額改訂の推移については必らずしも明らかではないけれども、本件土地全体につき一カ月当り、昭和二七年頃五〇〇円に、昭和二八年頃七〇〇円ないし八〇〇円に、昭和三一年頃一一〇〇円ないし一、二〇〇円に、昭和三三年頃一五〇〇円に、昭和三六年一月頃二、二〇〇円に、昭和三九年六月頃二八六〇円(三、三平方米当り約三五円)に各改訂されていることがうかがわれ、右事実から明らかなように、従前の地代は比較的低額であつたことが認められるし、更に前述のように本件増築部分が主として営業用の目的に使用することが認められるほか、前認定の本件土地の位置、環境等一切の事情を考慮するとき、本件の場合、本件増築に伴う財産上の給付額としては、前記更地価額の二%の割合、合計金二六万四〇〇〇円が相当であると認める。

(二) そして賃料額については、前認定のとおり、申立人は本件土地に居住するとともに医業も営んでいるのであり、しかも交通に比較的恵まれている本件土地の位置、環境等を併せ考えると、従前の賃料額ではやや低額であつたというべく、それは三、三平方米当り一月六〇円と改めるのが相当であると認める。なお、本件増築に併つて借地期間を延長することの是非について考えると、前認定のとおり、あと三年余で借地契約は期間が満了するものであるところ、現段階ではその間に更新拒絶の正当事由ありとは推測し難いが、特に期間を延長すべき理由も見出し難いから、延長はしないこととする。<略>渋川満

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