大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(借チ)2035号・昭42年(借チ)2029号 決定

〔主文〕昭和四二年(借チ)第二〇三五号事件相手方から同事件申立人に対し、別紙記載の建物及び同(二)記載の土地賃借権を金九一三万円で売渡すことを命ずる。

右相手方は右申立人から金九一三万円の支払を受けるのと引換に同人に対し別紙(三)記載の建物の所有権移転登記手続及び引渡をし、右申立人は右相手方から別紙(三)記載の建物の所有権移転登記手続及び引渡を受けるのと引換に同人に対し金九一三万円の支払をせよ。

〔決定理由〕(三) ところで、近時大都市及びその周辺では地価の上昇が著しく、しかも右にみたようにそれに対し高率の借地権が形成されているのが通常であるが、それは広く人口の都市集中等社会経済的な要因に基くものであつて、借地権者の土地利用の巧拙等個人的事由によるものであるとはいい難いことが明らかであるから、右の場合においてもし借地人が右借地権を処分しそれを顕在化させたときには、そのなかには衡平の見地から考えて、地主に還元されて然るべきものも含まれていると考えられるのであつて、このような考え方は地主自らが借地権者から借地権の譲渡を受ける場合の対価決定に際しても顧慮される必要があると考えられる。そしてその際には借地契約締結時及びその後における財産上の給付の有無及びその金額、従前の賃料額及びその改訂の推移、更に借地権の残存期間が間近い場合において借地権が第三者に移転せずそのまま継続し期間が満了したときにそれが更新される可能性があるか否か(借地法九条の二第一項の申立がなされた際第三項の申立がなければ、借地権の残存期間が短くしかも更新の可能性がない場合には右第一項の申立は二項の規定に基き却下されることとなり結局一項の申立人は同法四条か一〇条による建物のみの買取請求権を行使するほかないことになるが、そのような事情の存在は本件のような同法九条の二第三項の申立がなされた場合その相当な対価を決定するに際しても考慮されなければならぬと解される)等に特に配慮し、衡平の見地より検討されるべきだと考える。(渋川満)

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