東京地方裁判所 昭和42年(借チ)3016号 決定
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〔決定理由〕二、……本件資料によれば、本件土地の最初の賃貸借契約は相手方らの先代と、申立外子安某との間で、昭和二年ごろ又はその数年前に締結されたもので、相手方ら及び申立外大野は、それぞれ右の賃貸借契約上の地位を承継したものと推認され、また、申立外大野は昭和四二年ごろは、月額金一、二九二円の地代を支払つていたことが認められるが、右賃貸借の残存期間を確認するに足りる資料はなく、借地に関する従前の経過は明らかでない。しかし、相手方らが、申立人の右賃借権の譲受を承諾しないのは、いわゆる名義書換料及び地代についての希望を申立人が容れないためであつて、申立人との間で、本件土地の賃貸借を継続すること自体には格別反対するものではないから、右の賃借権の残存期間の不明等は、申立人が右賃借権を譲り受けるのを不相当とするまでには至らない。したがつて、本件申立は認容すべきであると考える。
三、そこで、附随処分の要否等について考える。
(1) 前記のとおり、本件賃借権の残存期間を確定することはできないが、現在は、当初の契約期間又は法定期間を更新した期間中であると考えられ、将来の紛争を予防して、借地利用関係の安定を図るため、右の存続期間を、申立人が競落代金の支払をした日の翌日から二〇年に当る昭和六二年一〇月三〇日までとする。
(2) 次に、財産上の給付について、鑑定委員会は、本件土地の更地価格を3.3平方米当り金一五万円と評価し、借地権価格はその六五パーセントを相当とし、これを金額に換算すると、本件土地全体につき金三一七万四、六〇〇円となるので、財産上の給付額はその一〇パーセントに当る金三一万七、四六〇円が相当であるとしている。ところで、本件資料によれば、本件建物は、申立外朝見光が昭和二年ごろ前記子安某から賃借し、その後申立外朝見美登子らがその借家人の地位を承継して居住しており、現在の賃料は月額金四、二〇〇円であることが、認められるので、申立人の取得する借地権価格は低くなることが考えられ、また、申立人の本件建物の競落価額が八〇万五、〇〇〇円であること(本件建物の競落手続における当初の最低競落価額は二七四万二、〇〇〇円であつた。)さらに、前記のとおり、本件賃借権の存続期間を昭和六二年一〇月三〇日まで延長すること等を総合すると、財産上の給付額は、鑑定委員会の意見のとおり、金三一万七、〇〇〇円(一、〇〇〇円未満切捨て、)とするのが相当である。
(3) さらに、前記のとおり、現在の賃料は3.3平方米につき一箇月金四〇円であり、比較的低額であるから、鑑定委員会の意見のとおり、3.3平方米につき一箇月金七五円とするのが相当と認める。(福嶋登)
(一) 土地
東京都世田谷区北沢四丁目八九六番二二
宅地 107.63平方米(32.56坪)
(二) 建物
東京都世田谷区北沢四丁目八九七番地所在
家屋番号 二〇九番
木造亜鉛メッキ鋼板瓦交葺平家建居宅一棟
床面積47.93平方米(14.5坪)
附属建物
木造亜鉛メッキ鋼板葺平家建物置一棟
床面積 3.96平方米(1.2坪)
但し主たる建物の現況は木造瓦葺平家建居宅一棟
床面積 54.54平方米(16.5坪)